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「屋上」を詠んでみた。

久しぶりに自作の短歌について書きます。
2024年7月7日のNHK短歌「屋上」(川野里子さん選)で私の短歌が紹介されました。(上記参照)
実に1年3か月ぶりの入選でした。ラジオ「文芸選評」にも半年ほど入選しておらず、4月に退職してからは短歌自体があまり詠めなくなっていたので嬉しかったですね。
いまは、1週間に一度数首詠めればいい方です。私の場合、仕事と短歌がセットになっていたのでしょうか。

入選作の下の句は、私の30代を詠んだものです。当時外資系の運用会社に入ったばかりの私は日本株のファンドマネジャーをしていました。早起きが苦手で、個別銘柄に強い興味がない私には向いているとは言えない仕事で、その後十年以上やることになる商品開発の仕事に異動させてもらうまで半年ほどの間でしたが、一人で50億円以上を管理する責任を負わせていただいたことには感謝しています。同じチーム全体では数百億、他のチームも合わせると数千億のお金を日本だけで運用していたと記憶しています。

当時は屋上の緑化がそれほど進んでいませんでしたが、いまは東京駅周辺のビルも緑化が進んでいます。運用会社での仕事、特に30代での経験は私の人生の大事な部分を占めており、東京を去ったいまでは懐かしい思い出として人生の花束のように思えるのです。そう、ゼラニウムが咲く花壇のように。

「屋上」では他に以下の2首を詠んで投稿しています。

屋上にマネキンがいるあのビルに誰かいるなら救ってあげて
念願の角部屋を買いお隣の屋上を見る、まだ欲がある

(終わり)

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