【ネタバレ注意】光が死んだ夏 3巻 考察が大きく動く一冊【考察・レビュー】
こんにちは、本日は『光が死んだ夏』3巻のレビューを上げていきたいと思います!
キーワードはこんな感じだったかな、と!
はざまの存在
スワンプマン
『混じりもの』には悪意がない
見える者と見えない者
『私』は何なのか
全体通して、だんだんと
「ヒカル」が一体何なのか、
そしてこの町に伝承される「彼ら」が何で、
「こちら側」とどんな関係があるのか、
というようなことが少し分かりそうになってきて、動き出した巻だったですね。
まずは彼らが「向こう側」と「こちら側」を行き来する存在で、
「彼ら」のことを何らか感知できる人間が「こちら側」にいるのだということ。
で、「むこう側」にいる「彼ら」は本当は特に恐怖の対象ではなく、
もともとは当たり前にいる存在なんだということが、ほのめかれています。
また、朝子のように、
見える家系と見えない家系が町の中にいることも表されています。
もしかしたら、イタコのように、
「向こう側」の「混じりもの」と歴史的に何か関わりや受け継いでいる者たちだけが
彼らを感知できるのかもしれません。
もしかしたら、何かしらのきっかけで本来なら「向こう側」にいるはずの彼らが、やたらと「こちら側」に来るようになったんだろうか。
まるでクマが山からやたら降りてきて人間に危害を加えてしまうように。
自然と科学
古代と現代
もののけ姫的な対立がちょっと見て取れましたんですよね。
●スワンプマンの思考実験
出ましたね〜〜〜
「スワンプマンの思考実験」
これは実際に哲学の世界に存在する有名な思考実験です。
詳しくはWikiってくれればこれでもか!ってくらい出てくるんでそちら参照でござるが、要するにこの思考実験で問うているのは「私はなぜ私なのか、私であると言えるのか」ということ。
ちょっと何言ってるか分かりませんか?
私もわからないんですが、
分かりやすく考えるなら、今日突然あなたが友達に
「あなた実は今、幽体離脱していて、元の肉体は心臓止まって、つまり死んでるのよ」
って言われたら、あなたは「嘘だね!」って証明できる?って話。
それでもあなたはあなたであるって言える?って話?
何言ってるか分かりませんか?
私もわからないんですが。
夜寝る前に考えない方いいよ、寝られなくなるから。
ちなみに、スワンプマンを元にした漫画には名作『サマータイムレンダ』もございますね。
恐ろしいほどの名作なのでぜひ読みたまえ。
これも作中に登場する南雲龍之介が「影」の存在を「スワンプマン」に例える小説を書いていました。
ちなみにちなみに、amazonで「スワンプマン」って検索すると予測候補に「南雲」って出てきて、みんな本当に南雲龍之介の小説があると思っていていとおかし。
まあ、どちらにせよ、
この「スワンプマン」=「私はなぜ同じ私と言えるのか」という問いが、
この作品で大きな意味を持つということは伝わってきますな。
そして同時に、この「ヒカル」が、悪意なく光の体を奪ったということも少しわかりました。
なぜって、この思考実験のスワンプマンも、オリジナルの自分を殺して生まれ変わるわけではないからです。
オリジナルな自分は雷に当たって死ぬんです。
意図して人の命を奪い取っていないからこそ、純粋な疑問として「なんで自分は自分じゃ無いって言えるの?」と葛藤するわけですよ。自分はオリジナルな自分ではないことに違和感を持っている。
だからこそ、「光」は自分の命の半分をよしきに差し出すわけです。
悪意がないことの証明に。たぶん。嘘ついてなければ。
●ついに文字の秘密が明らかになる
これ1巻から謎だったんですが
全体の気持ち悪さを演出する「独特な背景文字」
ちゃんと読んでいれば分かるのですが、
これ、意図して使い分けてるんですよね。たぶん。
その証拠に、独特な文字じゃないところがあるんですよ。
ってことは、この文字は「むこう側」の「混じりもの」を表してるんだろうな、
「向こう側」の「混じりもの」に関わることが起きると出てくるんだろうなと思っていました。
そして、「混じりもの」がさっきも言ったように、全てが人間に危害を加えるものではないことが分かります。
謎は深まるぅうううう。
●そして、自分とは何かを探しに
そしてついにヒカルとよしきが「ヒカルが何か明らかにしよう」と語り、
物語は
「彼ら」が一体何なのか、
「こちら側」「向こう側」に何があったのか
突き止めるという方向へ進み出そうとしています。
また、「光」は生前に何か重大なことを隠して山に立ち入ったことが少しずつ明らかにもされています。
4巻も楽しみですわい。
人生かっぽ堂からは以上です。
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