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I:生かされず_T:立ち向かう_IT社会


東京駅横須賀線。
他のJR線と違って、横須賀線は地下の奥底からエスカレーターを使って地上に這い上がる必要がある。

通勤の時間帯、エスカレーターの行列に並んでいることが、たまに本当に嫌になることがある。
工場のベルトコンベアーに流され運ばれている感覚がするのだ。
普段なんとも思わない時は、浮き輪にお尻を突っ込んで流れるプールに浮かぶように、楽な方へ、便利な方へ、疲れない方へと、無意識に人の渦に身を委ねて、気付けば地上まで浮かび上がっている。

だからこういうことを感じた日は、ベルトコンベアーに流されている自分を想像した日は、
地上を見上げ、一歩、また一歩と階段を踏み締め、一段飛ばしをしたりもして、登っていく。
この便利な社会に真っ向から立ち向かい、
角砂糖のように甘ったれていてカチカチの思考停止状態の社会をぶっ壊すように進む。
自動販売機が視界に入り、唾を吐きかけるような気持ちで、水筒に入れた水を飲む。
気持ちが高まってきた。

そう思った矢先に登場する、エスカレーターだけのところ。階段がない。
エスカレーターを歩くと、ただ仕事を早くしたい、ただ早く搾取されたい人になってしまう。
階段を歩くのと、エスカレーターを歩くのでは心のあり方がまるで違う。
たとえ頭でそれでもいいじゃんと肯定しようと思っても、気持ちの高ぶりまではコントロールできない。
でも次から頑張れる気がする。
立ち向かっていける気がする。
この気持ちに杭を打つために、この記事がある。

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