見出し画像

#51 「せっかち式仕事術」

今回の読書録は「せっかち式仕事術

著者はデザインスタジオ・エル代表のハラさん。
冒頭から自慢ですが私はハラさんに何度かお会いしたことがあります(その節は大変お世話になりました…!)。

書籍のテーマは"せっかち"。普段はネガティブな意味で使われることの多い言葉ですが、仕事においてはその要素をうまくインストールすると効率化やクオリティ向上が期待される。とてもおもしろい切り口だなと思いました。

私自身も多少せっかちな面はあると思います。レスポンスは早くしたい、巧遅拙速が好き、自分の手元にはなるべくボールを持ちたくない、そんな人間です。
今回はwebディレクターとしてもそうですが、Xやnoteで情報発信する1人の人として学びに感じたポイントをまとめてみます。

せっかちは"次の予定を選べる"

書籍ではせっかちのメリットや仕事での活用法がたくさん紹介されています。その中でも個人的にせっかちっていいなと感じたのが「せっかちは"次の予定を選べる"」です。

今できることを早く片付けると余裕時間がうまれます。余裕時間に次の仕事に着手すればさらに余裕時間がうまれます。余裕時間のミルフィーユです。
余裕時間は直近のタスクに充てずとも構いません。いつかやろうと思っていたドキュメント整理に充ててもいいですし、読書したり趣味のために時間を使ったりすることもできます。
つまりは自分の中に選択肢がうまれるわけです。選択肢は人の心に安心をもたらします。「あなたは明日からカレーしか食べられません」だと不安ですが、「カレーでも牛丼でも天津飯でもいいよ」と言われれば心に楽しみや余裕が生まれます。

また書籍内で、キャパシティは「今現在の許容量」だけでなく「先々にどのくらい時間を空けておけるか」も大事とありました。これもすごく重要な考え方だと思います。
ビジネスパーソンとしてキャパシティはなるべく広くありたいものです。いつもパツパツだとしんどいので。ただキャパシティを広げるためにはその瞬間瞬間だけでなく、未来にどれだけ時間を作れるかという視点も忘れてはいけない。そのためにも先行して仕事を進めること(せっかちでいること)が重要なんですね。納得。

蒔かぬ種は生えぬ

「蒔かぬ種は生えぬ」ということわざがあるそうです。あるそうですというのは私が知らなかったからそう書きました。意味は"原因のないところに結果はない"。
とてもいい言葉です。

最近この言葉の意味を自分自身で実感することがありました。それはX(Twitter)経由でお仕事や登壇依頼をいただいたことです。
私はwebディレクターという仕事についての情報発信をXやこのnoteで3年近く続けています。その間は種を蒔いている(いつか実を結ばせてやるぞ)感覚はありませんでしたが、ある日突然その内容を見た方々からお仕事や登壇のお声がけをいただきました。結果的にどうやら小さな芽が生えたようです。

webサイト制作や運用でも同じだと思います。
記事を書く。メールを送る。ページを作る。
こういった種蒔き(原因づくり)をしない限りは結果という果実(結果)は生えてきません。

今後も仕事でもプライベートでもコツコツ種蒔きしていきたいと思いました。

アウトプットを"何度も流用できるエネルギー"にする

ハラさんは自身で発信した情報を分野ごとスプレッドシートなどにストックされているそうです。日々流れていく情報を溜める。フローをストックに変える。これは私自身やっていないのでぜひ取り入れようと思いました。

せっかちから生まれた成功体験やアウトプットをストックしておくことで、別の機会や場所ですぐにアウトプットしたり見返すことで思考を整理したりできます。結果的に仕事の効率化や再現性アップにつながる。良いことしかないですね。
この書籍もハラさんが今までストックされてきたアウトプットが元手となっているようです。説得力。

ブレーキが大事

ハラさんはせっかちであることと同時に適宜ブレーキをかけることも重要だと述べていました。
なんでもかんでも早くやればいい、早くやり続けることが大事というわけではない。適切にブレーキをかけた方がむしろせっかちの特性は活きる。ブレーキ編という章を設けるくらいその重要度は高いようです。

「ブレーキをかける」にはさまざまな切り口があります。"思考を熟成させる"であったり"クイックレスポンスを状況によって使い分ける"であったり、書籍では10個以上のブレーキのかけ方が解説されていました。

個人的に共感したブレーキは「時間を創る」です。時間を使うもの(消費)ではなく創るもの(創造)と捉える。僭越ながら私も意識しています。
仕事もプライペートも忙しい、だから仕事外でアウトプットの時間なんて創れない。そう思う人もいるかもしれません。本当にそういう人もいると思います。ただ私は内閣総理大臣でもない限り、言うても創れるんじゃないかと思う派です。

ハラさんは時間を創るために必要な要素は"姿勢"と"方法"だと述べていました。
姿勢というのは常に時間を見つけようとする意識だと捉えています。毎週noteを書くと決めたならそのための時間がないかを常に意識する。そうすれば「寝る前15分だけ書けるかも」と自然と時間は捻出されるはずです。
方法というのは自分ルールの作り方だと捉えています。毎週書くというのは別に毎週日曜日に公開する必要はなくて、その週に公開できるタイミングでする。ガチガチにルールを決めてしまうと続かない(時間を創りにくくなる)ので、自分が許容できる/楽しめそうなルールを作る。そうすれば無理なく時間が捻出できるはずです。

いつでもせっかちモードになれるように、フルスロットルでアクセルをベタ踏みできるように適宜ブレーキを踏む。上の例でいうと時間を創れるからこそ思い切りせっかちになれる。このバランスが大事なのかなと読んでいて感じました。


以上、せっかち式仕事術の読書録でした。

ここまで書いて気づいたのですが、帯にある「加速して余裕をつくる」がもしかしたらこの書籍を表現するのに一番端的でわかりやすい言葉かもしれません。だから帯に書いてあるんですけどね。笑
本の裏表紙でハラさんが伸びをしているイラストを用いたのも、きっとこの"余裕をつくる"ことの重要性を示したかったからではないでしょうか。

せっかち式をインストールして、そこから生まれた信頼や期待、そして余裕時間をキチンと活用できるような人になりたいなと思いました。
書籍の中ではもっとたくさんのせっかちの魅力や活かし方が解説されています。興味のある方はぜひお買い求めくださいませ!

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

X(Twitter)がんばってます。ぜひ覗いてみてください。

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,685件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?