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#3【ソムリエの頭の中】ワインのテイスティングで一番重要なこと!

ワインの味わいの要素はとてもざっくり分けると2つに分けることができます。

果実:ぶどう(畑の中)

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醸造:ひと(ワイナリーの中)

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究極にざっくり分けましたが、これがワインを理解する上でとても最も重要な部分になります!

私の尊敬するソムリエの方は、この要素を

『地面より上の味、地面より下の味』と表現します。

根っこがついている状態で出来上がったものが地面より下の味になり、果実の状態からくる味わいです。地面より上の味は、果実が収穫された後で醸造からくる味わいになります。

今日は、この二つの中でもより重要な果実の要素を書いてみたいと思います。

これがわかると、ワインのテイスティングがグッと理解しやすくなります。

早速いきましょう。

ワインをショートケーキに例えると、イチゴが果実で、クリームが醸造です。

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熟れてないイチゴ(酸っぱくて、香りがない)をショートケーキにのせてみます。

クリームの甘さや濃さでバランスを取ることが可能ですし、イチゴのフレーバーを加えることも可能かもしれませんが、どんなにクリーム(醸造)でカバーしようとしても、イチゴ(果実)本体の味わいは隠しきれせません。

逆に美味しいイチゴがあっても、クリームとによってはイチゴの良さも活かせません。

では、この良い果実を作る要素は何でしょうか?

これがワイン用のぶどう栽培でとても重要な土地という条件になり、その土地の気候条件まで含めて”テロワール”と呼ばれます。

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ブルゴーニュのグランクリュの1haあたりの平均価格は625万ユーロ(2018)だそうです。日本円で7億円強です。日本の都市的農業地域の畑が1haあたり3500万円程度ですので、20倍もの価格差になります。

ブルゴーニュの畑の価格の高騰はまだ止まっていません。

もちろん、テロワールだけではなく、イチゴにも○○さんのイチゴという様に、人の管理も果実の味わいを決める上で重要になります。

未熟な状態で収穫された葡萄から作られたワインは、未熟果の味わいが感じられてしまい、酸味のバランスが悪く薄っぺらい味わいになってしまいます。

逆に過熟した葡萄から作られたワインは、酸が緩くボヤッとした味わいになってしまいます。

これが”ヴィンテージ”という概念につながってきます。

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いいヴィンテージとは、ブドウが理想的な状態で収穫できた年の事を言います。

ヴィンテージという概念もそのまま

"良い果実"に直結してくるのです。

ではなぜ果実がそれほど重要なのか?


なぜなら

ワインは”葡萄のみ”で作れてしまうからです。

水も麹も必要ありません。

豊富な水分

アルコールを作るための糖分と酵母

腐敗菌の発生を防ぐ酸

味わいや香りに影響を与えるフェノール類

必要なものが全てぶどうに揃っているのです。

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今から約6000年前、コーカサス地方で作られていた太古のワインは、カメの中でぶどうを潰しただけのものでした。それが自然と発酵して、ワインができていたのです。

基本的なワインの作り方は今も変わっておりません。

『ぶどうを集めて潰す!』

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それだけです。

もちろん現代では様々なテクノロジーが使われているのですが、、、

それはまた後日まとめたいと思います。

今回のまとめ

ソムリエはワインをテイスティングする際は、まずクオリティを判断するのに一番重要である”ぶどうの状態”をイメージします。


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どんな気候帯で育ったのか、どんな品種特性があるか、収穫時期は早かったのか遅かったのか、涼しい年だったのか暑い年だったのか、健全な状態で収穫できたのか厳しい条件だったのか。

ワイン産地の地理と気候を学ぶ事、そこを意識しながらワインを飲む事で飛躍的にテイスティング力は上がります。

次回は、ワイン産地の気候条件をいくつかのパターンにまとめたいと思います。

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