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【書評】資本主義の次にくる世界-Less is More-
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友人が読んでいて、おもしろかったというので手にとってみた。
2024年最初にじっくり読んだ1冊。
まずは本書を簡潔に。ぼくの言葉で。
資本主義とは「たくさん取って、すくなく返せ」が原則になっている。自然環境や人をモノ化して、所有・支配することで利益を増やし成長する。その成長は、さらなる利益(成長)を得るためだ。成長の指標となるGDPは、それが地球にとっての善悪を問わず、流通したお金の量できまる。今、私たちが巻き込まれている成長至上主義は、地球の回復力以上に、搾取と破壊力が上回っている。自分とそれ以外を分断しコントロールする対象とするのではなく、互恵関係にあり、つながっているものだと気づくことで、贈りあえ、バランスを保っていけるようになる。
本書におけるキーワード・センテンス
・多いほうが貧しい
・少ないほうが豊か
・自然をモノ化して支配する
・GDPは完璧ではない
・作業効率が10倍上がったら、余裕ができるのではなく、10倍の成果を求められる
・人生の有意義さはGDPとかけ離れている
・もし成長が平等の代わりになるならば、平等は成長の代わりになるはずだ
・成長は、何のために成長させるのかをはっきりさせる必要がある
・不平等を減らす
・成長志向のシステムの目的は、人間のニーズを満たすことではなく、満たさないようにすること
・動植物を自然とみなさない。我々と同じであり、親類とみなす
・生態系が再生できる量を超えて取るべきではない
本書を読んでいて感じたこと
利益・成長が悪だ、と言っているわけではない。成長のために成長することが、破壊を生んでいるということに指摘している。豊かさとは何かを考え、そのためにする成長はバランスを崩さない。
奪う側、奪われる側に世界が分断されていることが、経済だけでなく自然社会の崩壊につながっている、という主張だ。
本書では多く出てきていないが、ぼくが感じ取ったキーワードは「つながり」だ。
自然とのつながり。地球とのつながり。そういったなにか大きなものとの繋がりが、互恵関係をはぐくみ、資本主義の次にくる豊かな世界への足がかりになると伝えてくれている。
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