見出し画像

魅力溢れるエストニア発ダークファンタジー「蛇の言葉を話した男」

読書の秋2021に参加します!

まさか、”好きな本でつながろう。読書感想投稿コンテスト「#読書の秋2021”に、今年読んだファンタジー小説の中ではトップクラスに面白かった河出書房新社から出た「蛇の言葉を話した男」が課題本として選出されているとは!期間ギリギリですが投稿させて頂きます!


画像1

『蛇の言葉を話した男』アンドルス・キヴィラフク著、関口涼子訳 河出書房新社

エストニアのダークファンタジー小説です。でもファンタジーというよりは、孤独と世界への幻滅を取り扱っているので、とても文学的だと思いました。

中世のエストニアを舞台に、文明に染まらず蛇の言葉を扱い生きる森の民である主人公レーメットの成長物語。彼はとてもフラットに、自分の生き方を貫く。悲劇と喜劇に翻弄されながらも。最後は、見ようによってはハッピーエンドではないかもしれないが、私はとても感動しました。


この物語は人間の愚かさを描いています。どこまでいっても、人とは愚かなものなんでしょうね。愚かではないとは賢いということだと思うんですが、賢いというのは想像力なのだろうと思います。考えることをやめず、想像でいろんなことを補完していく力が必要なんだろうと。この物語を読みながら、そう感じました。

めっちゃ長いけど、エピソードがひとつひとつ繋がっていて、そして読者のために紡がれていて、なかなか凄い作品だったと思います。

奇抜な設定もあり、読んだ人全員の記憶に刻まれたのは間違いなく、「巨大シラミ」!笑

こんな人にオススメ!

ファンタジー要素が強く、村人の愚かさや森の賢人の愚かさなど、何かをただ信じて受け入れてしまうことに対しての洞察が素晴らしくて、どこか現代社会を皮肉っていると感じる部分が多い作品でした。そして展開の面白さ。予想もつかない展開で、ユーモアも挟みつつぐいぐい読ませてくる。長いなあと感じる部分も多かったが後半は一気読みでした。なので、ダークファンタジーや主人公の成長物語が好きな人で、わかりやすいハッピーエンドではないと思うので、闇のある話が好きな人にはお勧めできます!


文学ラジオ空飛び猫たちで紹介しています!


こちら私が案内人をさせてもらっているpodcast番組「文学ラジオ空飛び猫たち」でもご紹介しております。前後編でわけており、前編はネタバレなしで、この本を読みたくなるように魅力をお伝えしております。後編はネタバレありでストーリーを中心にお届けしました!
是非お聴き頂けると助かります。
詳細はこちらから!

#読書の秋2021

#蛇の言葉を話した男

#河出書房新社

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?