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「Paper Interpreter」を使って論文を読もう!

こんにちは、東京大学で医師かつ脳や人工知能の研究をしている紺野大地と申します。

2023年11月6日、OpenAI社から「自分専用のChatGPTを作れる機能」であるGPTs(ジーピーティーズ)が発表されました。

早速触ってみたところ、
「この技術を使えば、誰もが論文を読めるAIを作れる!」と確信し、論文解説AI「Paper Interpreter」を作って公開したところ、非常に大きな反響がありました!
こちらのリンクから、今すぐ使えます。)

完全に予想外でしたが、「最もアクセス数の多いGPTsランキング」で、なんと世界6位になりました!!
使っていただいた皆さん、本当にありがとうございます。

この記事では、Paper Interpreterの使い方について説明します。

Paper Interpreterの使い方

Paper Interpreterを改めて説明すると、
「論文をアップロードするだけで、内容を日本語で分かりやすく説明してくれるAI」です。

使い方は非常に簡単で、こちらのページに「論文のPDFをアップロードする」だけです(デモ動画は以下)。

Paper Interpreterの利点

AIに論文を解説してもらうだけならChatGPTでも出来ますが、以下の3点がPaper Interpreterのメリットです。

  1. 論文解説に特化
    ChatGPTと異なり論文解説に特化しているので、PDFをアップロードするだけで(指示無しで)解説を始めてくれます。

  2. 一貫した形式で回答
    「要旨、背景、方法、結果、議論、制限、応用可能性」という一般的な論文形式で回答するよう設計しているので、毎回指示する手間が省けます。

  3. 図やグラフも説明可能
    テキストだけでなく、図やグラフについても小項目ごと(ex. Figure 1a, 1b, …)に説明してくれます。(個人的にイチオシの機能です!)

注意点

大きな注意点として、Paper InterpreterはChatGPTの有料ユーザーしか使えません(2023年11月時点)。
これは、OpenAI社がGPTsの利用を有料ユーザーのみに制限しているためです。
ですがいずれ全ユーザーに解放するとのことなので、ぜひお楽しみに!

また、上記で紹介したのは日本語版Paper Interpreterですが、全言語対応版のPaper Interpreterも先日公開し、こちらも世界中の多くの方に使っていただいています。

より使いやすくなるよう日々改良を重ねているので、ぜひこれからも使い続けていただけると嬉しいです!

おわりに

以前から私は「誰もが論文を読める世界になってほしい」と考えていましたが、時間的なハードルや言語的なハードルから現実的ではありませんでした。

私自身、普段から研究論文を数多く読みますが、論文を読むことは専門家にとっても決して簡単なことではありません。
まして専門外の方にとっては、「論文」というワードだけで身構えてしまうのではないでしょうか。

ですが、フェイクニュースや信憑性に乏しい情報が溢れるこの時代、一次情報たる論文を読む能力はますます重要になりつつあります。
それだけでなく、人類の知の最先端を知ることができる論文は、純粋に読んでいてワクワクします。

Paper Interpreterを利用して誰もが簡単に論文を読めるようになり、サイエンスのファンがもっともっと増えますように!


おまけ

普段は脳神経科学やブレインテックについての記事を書いています。

また、急速に進歩する人工知能が引き起こす未来について考察するのも大好きで、「人類の未来は大学生の夏休み」ではないかと考えています。


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