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第95号 うつ病の悪化を事前に予測できるバイオマーカー、住まいは賃貸派と購入派のどちらですか?

// 2023年10月14日 第95号
// 1. 今週の注目ニュース:うつ病の悪化を事前に予測できるバイオマーカー
// 2. 質問コーナー:住まいは賃貸派と購入派のどちらですか?

こんにちは、東京大学で医師かつ脳や人工知能の研究をしている紺野大地です。

先日、GPT-4のアップデート版であるGPT-4Vが登場しましたが、めちゃくちゃ凄いですね!
論文名とFigureを載せるだけで、 (論文の内容についてはプロンプトで何一つ情報を与えていないのに!!)、 Figureと論文の内容を関連づけて説明してくれます。
また1つ、研究業界を大きく変えうるテクノロジーが生まれました。

Figureを増やしても大丈夫ですし、分からなければさらに詳しく聞くこともできます。 本当に革命が来たな、という気分です。


では、今回も始めていきましょう!

1. 今週の注目ニュース:うつ病の悪化を事前に予測できるバイオマーカー

今回取り上げるのは、
「うつ状態と改善後を区別するバイオマーカーを発見し、そのバイオマーカーを用いることでうつ症状の悪化を未然に予測できた」、という論文です。

「うつ状態と改善後を区別するバイオマーカーを発見した」点もさることながら、この論文の真骨頂は「そのバイオマーカーを用いることでうつ症状の悪化を未然に予測できた」点にあります。

まず背景から見ていきましょう。

背景

ご存知の通り、精神疾患は世界的に大きな課題であり、なかでもうつ病はトップクラスに患者数が多い精神疾患です。
さらにそのうち20-30%が、薬物の効かない治療抵抗性であると言われており、現代医学における大きな課題の一つです。

うつ病やその他の精神疾患の診断・治療をより困難にしているのは、客観的なバイオマーカーが存在しないことです。
過去にもBrainTech Reviewの複数の号で扱ってきましたが、近年この分野では客観的なバイオマーカーを構築するための様々な研究が行われており、本研究もその流れを汲んでいます。

以下で、本研究の方法を見ていきましょう。

方法・結果

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