第105号 ヒト脳深部を非侵襲的に電気刺激することに成功(その2)、注目しているスタートアップを教えてください
// 2024年1月31日 第105号
// 1. 今週の注目ニュース:ヒト脳深部を非侵襲的に電気刺激することに成功(その2)
// 2. 質問コーナー:注目しているスタートアップを教えてください
こんにちは、東京大学で医師かつ脳や人工知能の研究をしている紺野大地です。
1月30日に、「Neuralinkがヒト患者を対象に初のデバイス埋め込みを完了したと」の大ニュースがありました!
2019年7月時点で「2020年中に埋め込みたい」と発言してから4年半と時間はかかりましたが、客観的に見ればもの凄いスピードです。
ブレインテック業界における歴史的な1日になるかもしれません。
Neuralinkが行う「PRIME試験」のイメージ動画は以下になります。
脊髄損傷患者などを対象に、 「念じるだけでコンピュータを操作する」ことに挑戦し、製品名は「Telepathy(テレパシー)」とのことです。
もちろん患者さんにとっては大きな意義がありますが、個人的には色々と思うところもあり、後日BrainTech Reviewでまとめたいと考えています。
では、今回も始めていきましょう!
1. 今週の注目ニュース:ヒト脳深部を非侵襲的に電気刺激することに成功(その2)
今回取り上げるのは、
「ヒト脳深部(線条体)を非侵襲的に電気刺激することに成功した」という注目の論文です。
なお、以前のBrainTech Reviewで「ヒト脳深部(海馬)を非侵襲的に電気刺激することに成功した」という研究を取り上げましたが、今回紹介する論文では「線条体」を刺激しています。
ヒト脳深部を非侵襲的に電気刺激するために用いた手法は前回同様に「時間干渉電気刺激法(Temporal Interference Electrical Stimulation, TIES)」という手法であり、様々な応用可能性を秘めた要注目の技術です!
以下で、この研究の内容を深掘りしながら見ていきましょう。
背景
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