【読書メモ】 プロダクト開発が成功する開発チームとは by INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント
はじめに
前回書いた、こちら の記事の続きです。
INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント より、「PART Ⅱ 成功するための組織と人」を読みました。
成功するための開発チームの条件について、学びと感想を書いていこうと思います。
成功するための開発チームとは
この本では、プロダクト開発が成功するためのロードマップやアイデア、プランニングについて詳細に書かれていますが、1番最初に書かれているのは、製品開発チームについてです。本書では製品開発チームについて以下のように書かれています。
それほどまでに、製品開発チーム(本記事では、開発チームと記載します。)のあり方が、プロダクトを成功に導くために大事なのかと思います。
本章を読んで、印象に残ったことを列挙します。
典型的な開発チームの構成は、1 人のプロダクトマネージャー、1 人のプロダクトデザイナー、2 ~ 12 人のエンジニア
開発チームの基本理念は、企業にとって困難な問題を解決するために存在すること
開発チームには明確な目標が与えられ、それを達成する能力を持っている
開発チームには、目標にあった最も良い方法を考える権限委譲がなされ、開発チームはその結果に説明責任を持つ
エンジニアはエンジニアリングマネージャーに直属し、プロダクトデザイナーはデザイン部門のトップに、プロダクトマネージャーは製品開発部門のトップに直属する
開発チーム内では上下関係はなく、プロダクトマネージャーは開発チームの誰の上司でもない
開発チームはすべてのプロジェクト、機能、バグフィックス、性能の実現や最適化など、すべての仕事に責任を持つ
開発チームは団結し、安定するように長く継続させる
開発チームには自律性を与える必要がある(開発チームが権限移譲されていると感じ、問題を解決するための情熱をもつため)
自律性をもたせることで、自分たちが最も適切だと考える方法で取り組むことができる
なぜ開発チームが上記のモデルだとプロダクト開発が成功するのか
協業関係が人間関係の上に築かれるから
イノベーションには専門知識が必要だが、開発チームにメンバーが長く在籍することにより、メンバーは専門知識を十分に深められるから
開発チーム全員がビジネスの目標とその背景を理解できるから
開発チーム全員が成果を自分のものと感じ、責任感を持てるから
感想
プロダクトの成功のためには、開発チームのあるべき姿でいることが大事であると述べられていることからも、組織構造を整えることが何より大事である、ということを再認識させられました。
しかし組織をガラッと変えられるのは、やはり一定以上、上の立場に立たないとできないだろうなと思い、役員クラスが組織体制に対して理解を示す必要があるなと感じました。ボトムアップは相当厳しいのでは。
また、開発チームへの権限委譲についても、ステークホルダーや開発チームの外の人間からの一定の信頼がないと厳しいなあ、と感じました。
ビジネスサイドから開発依頼を受ける、いわば社内受託のような組織体制においては、開発チームが期待以上の成果を出しながら、信頼を勝ち取りつつ、徐々に権限を譲ってもらうのがいいのかなと感じました。
自分はスクラムチームでプロダクトオーナーをしていますが、ユーザーストーリーマッピングやユーザーインタビューなど、ユーザーやステークホルダーと話す機会に開発チームも招待し、抱えている課題を彼らにも直接聞いてもらう、などをしています。
課題を一緒に感じてもらって、全員が意思決定に参画する、いわば「共犯」にすることを意識してやっている感じです。
この本を読んで、自分がやっていることの正しさみたいなものの答え合わせができて嬉しかったです。
開発チームには上下関係がない、というのも非常に興味深かったです。自分の所属する組織では、開発チームがそのまま組織図上でもグルーピングされていて、マネージャーも開発チームに所属しています。
組織図上のチームが開発チームになることがプロダクト開発の妨げになるようには感じないのですが、開発チームは皆別々の部署から集まるのがスタンダードなのでしょうか。他の会社の組織体制なども気にしてみたいなと感じました。
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