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映画  ミッドナイトスワン 

見終わった後にとてもじわりとする、良い映画でした。

なんだろう、いわゆるトランスジェンダーが題材なのだけど。それ以外にも家族だったり友人とは、光と闇とは、そんな漠然としたことを私は考えてしまった。ドロドロしてるとかっていう感じではないのだけど、グッと重さのある、そんな見応えだった。

今更ながら、映画というストーリーが作る深さや重さ、そのエネルギーは不思議だなと思った。ストーリーの作る時間もなのだろうか。

仮に今作をおおよそのあらすじや人物の相関図などで一番情報として合理的な方法で得ていたとする、その場合に映画を見終わった時ほどの感情や漠然としたトランスジェンダーへの関心や答えのない問いや人間の生きづらさのようなものをこんなにも感じただろうか。簡単にいえばこんなに感情移入しただろうかと思った。

これこそ物語の力だろうと思った。そういう意味ですごく良い映画だなと思った。

仮にトランスジェンダーのあり方に答えなど無かったとして、ただただその情景や環境を伝えるということも映画ならできるのだろうと。どうしてもネットニュースなどで取り上げる際には、結論のようなものが用意されてしまってるような印象が私はある。

ただただストーリーがあり、それについての判断や思考は見た者がしたかったらすれば良いのだ。

誰も悪くないのにうまくいかなかったり、正解がないのに答えを探してしまったり、意外と生きるってそういった混沌とした事なのかもしれない。

希望を語り続ける辛さとか、なんだか色々と考えさせられたなぁ。

随所でうまく対比になっている表現とか、映像の美しさとか。
最近あまり映画を見ていなかったのだけど、映画ならではの表現の仕方だな、素晴らしかったな。とてもおすすめ。


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