見出し画像

何度裏切られても”信じ切る”

毎日投稿16日目。今日で折り返しに入りました。
ということで、今日は温めておいたネタで書きたいと思います。
今年も残り16日!楽しんでいきましょう!!!!!
あっ、今日はcanvaで画像作ってみました!笑


■「来年の一年生頼むわ」
そうチームの代表から言われたのは、大学一年生、18歳の時だった。

えっっっ????
僕は戸惑った。

「わかりました」と自信なさげに言ったのを覚えている。

それは、指導者を始めてから3か月で来年の新一年生のメインコーチになることが決まった瞬間だった。

その当時、そこから始まる3年間がこれほどにも、苦しく、楽しく、辛く、幸せなものであるとは思っていなかった。

新一年生を担当してくれと言われてから3年の月日が経ち、3年間の指導が3週間ほど前に終わったのだ。
振り返ってみれば一瞬だった。
彼らとともに、喜び、悔し涙を流し、成長させてもらったかけがえのない3年間であった。

そして、そんな彼らとの最後の試合で、チームとしてずっと目標にしていた優勝をはたすことができた。あの瞬間、あの感情はきっと死ぬまで忘れないだろう。

みんなで喜び合い、最高の笑顔で3年間を締めくくることができた。

その3年間の振り返りの文章は、また違う形で書きたい。


■今日は、3年間指導したある選手(選手A)について書いていく。

選手Aは、とんでもない奴だった。笑
サッカーの実力だけ見れば、チームで主力となる選手。

しかし、入団してきた1年生の始めの印象は、会話ができない&何考えているかわからないだった。

公式戦に当たり前のように遅刻してくる。
理由を聞くと、「家を出る直前でめんどくさくなった」と。
さっぱり意味が分からない。

練習や試合でもユニフォームを忘れ、ストッキングを忘れ、スパイクを忘れ、、、
無断で練習試合も練習も欠席する。

そんな一年生だった。

彼とは向き合い続け、どうやったら変わってくれるのか考えた。
何度も話し合った。
話すと理解してくれたような返事をするのだが、行動が伴うことはなかった。
正直、サッカーも好きではなさそうだし、辞めるんだろうなと心の中では思っていた。

2年生になった。学年も上がり、少し変化があるのかなと期待した。
しかし、そんなことはなかった。(笑)

2週間くらい練習に来ないこともあった。理由は、「なんかやる気が出なかったんですよ」と。
しかも無断で、、

クラブチームにはなかなか珍しいタイプの選手。
2週間無断欠席なんてあまり聞かない。

それでもめげることなく向き合い続けた。
すると、彼からある言葉が出てきた。
「僕、変わりたいと思ってるんです。
今の怠け癖のある自分は好きじゃないから」

話しているとこんなことを言ってくれた。

この言葉は嬉しかった。
ここから少しづつ変わると思ったのだが、大きな変化はなかった。
しかし、変わろうとしているのは見てわかった。

期待すれば、裏切られ、その度に話しをした。
次こそは!そう思うが、また裏切られる。その繰り返しだった。

そんな彼も3年生となった。
やっと少しづつ変化がみられた。
普段の行動が変われば、サッカーも変わるのだろうか。
プレーも徐々に良くなっていく。

そしてそんな彼から衝撃の一言が、、
「僕〇〇高校に行きます!」
〇〇高校は、ある県の強豪校だった。

サッカーを続けることでも衝撃だったのだが、わざわざ強豪校に行く?信じられなかった。

「ん?〇〇高校?本当に?」2度聞き返したが、「はい、サッカーで勝負したいです」と。

あり得ないくらいの驚きと同時に凄く嬉しかった。

「じゃあこれからどうするの?」と聞くと

「サッカーも勉強も頑張ります!」と。

変わりたいといいつつも変わらなかった、いや、変われなかった彼がついに大きく変わった瞬間だった。

そこからは、人が変わったかのようだった。
サッカーに対するモチベーションも急激に上がった。
モチベーションと比例して技術も向上し、自信も増していった。

自己表現ができるようになった。
チームの核にまで成長した。
高校から声がかかる選手になった。

そんな彼のお陰もあり、ずっと目標として掲げてきた「リーグ優勝」を達成できたのだ。

最終戦が終わり、彼が僕に送ってきてくれたLINEの文章だ。

優勝を果たしてもギリ泣かなかった僕だが、これを見たときは思わず涙が出た。

何度も何度も裏切られ、本当の意味での「信じる」ということを彼から教えてもらった。
人は変われるということを彼から教えてもらった。
教育の奥深さを彼から教えてもらった。

結果が出ても、僕がやってきた指導は正しかったのか。僕がやってきた教育は正解だったのか不安になる。
でも、このLINEの文章を読んで間違ってなかったと思えた。

信じ切るというのは簡単ではない。

しかし、教育において最も大事なのは、
何をするかでも(what)、どのように行うか(how)でもなく、
子どもの可能性を信じ切ることなのかもしれない。

他人は変えられないが信じ続けることはできる
どんなに裏切られても信じ切る。
これほどに難しく、辛いことはない。
でも、その先でしか見えないものがきっとある。

人の変化や成長を見れることが、これほどにも幸せでやりがいのあることなのだと知った。
これを経験してしまった僕は、きっとこれから先教育の沼から抜け出せないだろう笑

3年間見終わり、また新たなチームで、新たな物語が始まろうとしている。明日から新チームを見させていただくのだ。

この1年間よりもハードな1年間になると思う。
しかし、また新たな物語を描けることを考えれば楽しみで仕方ない。

信じ続けたその先を見るために!また明日からやったります!!🔥

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?