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20年後も忘れない思い出〜旅の記録8〜


「カラン」「カンカン」
カウベルの音や鈴の音、バラモン(聖職者)のお経を読み上げる声。

全てが混じり合う空間。
ガンジス河沿い。

これがヒンドゥー教にとって、すごく大事な"お祈りの儀式" プージャだ。

幻想的な灯りに灯され人々は祈りを捧げる。

僕も近くのインド人親子にレクチャーしてもらい、見よう見まねで祈りを捧げる。

ヒンドゥー教の儀式だからといって、堅苦しい訳でもなく、観光客でも参加自由だった。

これが毎晩行われているというので驚きだ。

ガンガーのゲート(河沿いの広場)には無数の人々。
河に浮かぶボートにも大勢の人々だ。

賑やかで、どこかお祭りを思わせる雰囲気。

現地の人にとっては "日常" だけれど、僕にとっては "非日常"。
現地の人にとっては "当たり前" な事だけど "僕にとっては "特別なこと" なのだ。

そういったことは、自分の日常にも山ほどあるのだと思う。

日本では滅多に目にする事がない、宗教への厚い信仰心。
それは寺を回った時にも感じたけど、もっと色んな世界、文化、宗教を勉強しようと思った。

日本で宗教というと、胡散臭いものが先に思い立つことも多いと思う。そして、話しにくい内容かつタブー視されている側面もあると思う。

話しにくい内容かつタブー視されている側面もあるっていうのは、日本に限ったことではないんだけど。


僕自身、宗教は持っていないけれど、勉強はしておこうと思い色々と勉強している。まだまだ勉強不足なのは言うまでもないけれど。

色んな世界観、視野を持つことで、他人を受け入れられる、想像力が働くと思っている。

人それぞれの信じるものは自由だし、それを否定したりとか、自分の価値観、世界観を強要するのも違うと思う。

答えがないような問題。勉強して、いろんな人と話して、いろんな視野視点、価値観に触れて、色んなものを見て自分なりの答えを持つことが大事だと思う。否定している人を否定するのも、否定だから。


プージャも、そろそろ終わりの時間。
人々は帰路に着く。

その人波に紛れて、僕も宿に帰ることにした。

夜の宿への帰り道は少し緊張する。
沢山の野良犬が吠えてくる。酷い場合は追いかけてくるのだ。

路地裏にはシンナーを吸っている若者もいる。

こっちの野良犬はなぜかすごくギラギラしている。”ハンターハンター”に出てくるミケ(キルアの家の番犬)みたいだ。

無事に宿に着きシャワーを浴びてベッドに寝転ぶ。

「明日は何をしようかな。
明日の事は明日考えよう。せっかくの、のんびりした国で、のんびりした旅なのだから」

と一人で考えながら。


〜続く〜



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