読書感想文「サッカーの神様をさがして」
https://www.kadokawa.co.jp/product/321410000050/
はらだみずき氏の小説です。
内容は新設校に入った主人公が、仲間たちとサッカー部創設を目指して奔走する青春を、大人になった主人公の現実と織り交ぜつつ語っていく構成になっています。
はらだみずき氏のサッカー関連の小説は基本的に悪人が出ませんし、話の筋も読後爽やかなものが多いので安心して読めますね。試合の描写も上手いので、読んでいて脳内に試合の情景が浮かび上がり易いと思います。
300ページを超える文量ですので長編小説に分類されると思いますが、文章のテンポがよく、読み進め易いです。3時間弱で読了できました。
個人的には主人公の高校時代の話も爽やかでいいなと思いましたが、中年になった主人公が会社が嫌になって辞職し、サッカーライターを目指すという心情に共感しました。家庭をかえりみずに自分が本当にやりたい仕事に変わりたいという気持ちは誰にでもあるのでは無いかと思います。
息子との会話から主人公がサッカー部創設に奔走した話が語られるきっかけとなり、最後の方で過去と現在が結びつくという展開は王道と言えば王道なのかもしれません。それでも話の展開には個人的には感動したというか、自分の意思を自分の子供が継いでいくという展開が美しく感じて、少し涙出ました。
文庫版が発売されているので評価も上々の小説ではないかと思います。もし手に取る機会があれば読んでみてください。読後に爽やかな気分になることは保証します。
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