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リフォームの怪しいお話し第1話「近くの現場から来ました」
リフォームの怪しいお話し1/5「急な訪問から始まる」
ある弊社OB客様からお聞きしたお話しです。
尚、内容を分かりやすくするために一部を脚色しております。
「ピンポーン」
とインターホンが鳴り、モニターを見ると、そこには作業服を着た男性が映し出されていました。
知らない人です。
どんな要件なのか聞いてみると、
「近くの現場で作業をしていて、たまたま通りがかったら、お宅の屋根瓦がずれているのが見えたので声を掛けさせていただきました。すぐに修理が必要かもしれないので、今なら無料で点検しますよ。」
とのことでした。
リフォームの怪しいお話し2/5「あの辺り」
気になったので、外に出て話しをしてみると、
「あの辺りの瓦がずれてますよ」
と指をさされた場所を見ても良く分かりませんでした。
ずれているようにも見えるし、そうでもなさそうにも見えました。
しかし、だんだんと業者の方はそういうならきっとずれているのだろうと思うようになりました。
すると、作業着の男性は
「今の時期は手が空いているので、無料で点検しますよ。」
と言ってきました。
無料ならばいいかと思い、点検をお願いすることにし、後日、改めてはしごを持ってきて屋根に上がってみてもらいました。
リフォームの怪しいお話し3/5「やっぱり割れてました」
屋根に上がってからはどこを見ているかは分かりませんでしたが、下りてきてスマートフォンを見せられました。
そこには瓦が割れている画像が映し出されていました。
これは大変だと思っていると、
「すぐに直さないと雨漏りして大変なことになりますよ」
とその男性は言いました。
しかし、そこでふと思いました。
「あれ、瓦がずれているのではなかったのだろうか?割れている画像を見せられたけど、ずれた瓦の画像は無かったのは変ではないか?」
ここでようやく違和感を感じ、すぐに修理するよう催促する男性を断り、私どもへご連絡いただきました。
リフォームの怪しいお話し4/5「ずれても、割れてもいない」
ご連絡いただき、早速屋根に上がって見てみると、瓦のズレも割れもありませんでした。
もちろん、地上から瓦がずれている様子も見られませんでした。
リフォームの怪しいお話し5/5「近くに現場は無い」
しかも、怖いことに、私どもで見た限りは近くにそれらしき現場はありませんでした。
歩いてきたとのことでしたので、余程の近くでない限り、偶然通りがかることなど考えられませんが、少なくとも徒歩圏内で対象となる現場(瓦業者を名乗っていたので、外部の工事をやっていそうな現場)はありませんでした。
オススメの対処方法
きっぱりお断りすることです。その際に、
「自宅のことは全て○○市の○○工務店に任せていますので、ご心配いただかなくて大丈夫です。」
とお伝えするのがいいです。
「親戚に建築関係が~」とか「近所の~」とか、曖昧な断り文句ぐらいでは怯みませんので、実際にお取引きをされている具体的な業者名をお伝えした方が良いです。
もしも、かかりつけの工務店が無いなど、具体的な業者名が挙げられず、取りあえずお話しをお聞きになるのでしたら、最低限、以下のことは聞いておいた方が良いと思います。
近くの現場と言うが、具体的に「どこの現場でどんな工事をしているのか」を尋ねる。
ご自宅の不具合がどこから見えたのか(ビルの屋上からなのか、足場の上からなのか、地上からなのか など)を尋ねる。
ご自宅の不具合の具体的な内容(どこがどんな状態か)を尋ねる。
業者(プロ)が点検や修理をしようとするのに「なぜ無料(低価格)で出来るのか?」を尋ねる。
私がお聞きした中には、たまたまお隣が建売住宅の新築現場だったOB客様宅にそこで作業をしている瓦業者を名乗る男性が訪問してきたことがありましたが、
私が訪問して建売現場にいた職人さんにお話を聞いたところ、
実際には、その現場で瓦業者が作業していたのは1ヵ月以上前のことで、今更、来ることはないとの話しでした。
親切な職人さんで、足場に上ってOB客様宅の屋根を見てくださいましたが、全く異常がありませんでした。
この時、OB客様と私はゾッとして顔を見合わせました。
近くに現場は無いようです。
最後までお読みいただいた方は、くれぐれも、こうしたお話しにご注意ください。