椅子の暮らしになっていく
畳の上に座布団を敷いて座ったことはありますか?
海外生まれ・育ちの方以外でも、
令和生まれのお子さんたちの中には一度もご経験が無い方もいらっしゃると思います。
それだけ和室が無くなっていると実感しています。
懐かしんでいるうちに、和室という文化自体も無くなってしまうかもしれません。
【和風】のように、【和室風】になる日も近いかもしれません。
■和室がいらなくなった理由
1 床に座らない
食事をするにもイスとテーブルを使い、
くつろぐのもソファを使うようになっている現代では、
和室、畳はほとんど使用されなくなっています。
むしろ、畳では椅子の足の跡が付いてしまうので、敬遠される事すらあります。限られた面積の住宅を有効に使おうと考えると、一部屋の余裕も無いのかもしれません。
2 布団で寝ない
就寝の際にはベッドを使うようになっている現代では、
和室で布団を敷いて寝るということもかなり少なくなりました。
むしろ、ベッドを置いてしまうと畳が手入れできなくなるため、敬遠されることも増えました。
3 冠婚葬祭を自宅で行わない
結婚式は結婚式場やホテル、
お葬式は葬儀場で行うようになっている現代では、
自宅に大勢の方々が集まる機会はほぼ皆無になりました。
昔の住宅には和室の続き間が良く見られましたが、
現代では1つでも珍しい和室が2つもある住宅はかなりレアだと思います。
冠婚葬祭を自宅で行っていた時代は、
大勢の方々が来ることを想定した大量の座布団、食器、グラス、箸などが保管する収納、物置がありましたよね。
私の実家にもたくさんあり、処分するのに苦労しました。
4 ペットの室内飼いが普及
ペットたちを家の中で飼うことが主流になった現代では、
畳の部屋は扱いづらくなりました。
畳は汚した物を掃除しづらく、また、爪などによって破損しやすいので、短期間で部屋が大変なことになってしまいますよね。
5 和室の手入れが面倒
昔は家の部屋の多くが和室でしたが、
畳、襖、障子は1~2年のペースでお手入れすることが一般的でした。
当たり前のように、
年末に障子紙を張り替えたり、畳の表替えを依頼したり、しょっちゅう和室からは真新しい香りがしていましたが、近年では、10年以上放置された和室も珍しくないようです。
洋室ならだいぶ手入れは少なくて済みますし、なんなら、使わない部屋の手入れはより億劫に感じるのかもしれません。
■和室があったらこんな暮らしが出来る
1 ゲストが泊まりやすい
ベッドには基本的には1人しか眠れませんので、複数人がご自宅に泊まろうと思うと、複数のベッドを用意しておかねばなりません。
一方で、和室に布団を並べれば、数人がいっぺんに泊まることが出来ます。
準備も布団・シーツ・枕などで済み、ベッドよりは場所を取らないので、帰省などでお子さん、お孫さんが来る時などに良いと思います。
2 応接室に出来る
LDKはプライベート空間ですので、
急な来客で慌てたことがあるご家庭も少なくないと思います。
一方で、和室はその使い方からしても、それほど生活感は抑えられた状態で維持されていると思いますので、来客時の応接するのに使いやすい空間です。
床の間や書院など、昔ながらの和室の設えがされていなくても、基本的な和室の設えがされていれば、応接間として十分に対応可能だと思います。
3 くつろげる
和室はどちらかというと機能的、効率的、という言葉の真逆の空間だと私は考えています。
それはデメリットではなく、
和室なら他の部屋よりもゆったりと落ち着いた時間が過ごせるかもしれない、というメリットにもなると考えます。
ゴロンとすぐに畳に横になれるって良いですよね!
■最後までお読みいただきありがとうございます
イグサの香りに包まれた暮らしもいいものです。