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リフォームにも限界がある

住宅のリフォームでは劇的な変化をもたらすことが出来る可能性があります。

  • 古びた住宅が新築住宅のように生まれ変わる

  • 昔の基準で建てられた住宅が現代の基準を満たす住宅に生まれ変わる

そんな事例が数多くあります。
しかし、それらが簡単に実現できたかどうかは分かりません。

リフォームの限界・構造

リフォームと表現する限りの計画では、
基本的には構造躯体を全て入れ替えることは出来ません。

また、入れ替える箇所・範囲が大きくなるほど、手間と費用が掛かります。

ですから、費用対効果を考えた場合には、ある程度は構造を残しつつリフォームするケースがほとんどです。

一般的な耐震補強と呼ばれる既存住宅の耐震性を向上させる目的のリフォームでは、基礎部分はそのままにして、柱や梁、壁などを改修することが多いのもそのためです。

既存住宅を完全に現行基準にまで引き上げようとするならば、
費用面だけで考えれば、リフォームでも建て替えでも差は小さいものとなると思います。

リフォームの限界・地盤

上の構造とも関連しますが、
基本的にはリフォームでは地盤の補強は困難です。

特殊な工法を使えば全く不可能と言う訳ではありませんが、
現状では一般的ではありません。

既存住宅が地盤による不具合が生じている場合には、
次の2通りの方針が考えられます。

  1. そのままの躯体を利用し、可能な限り、水平垂直を直す

  2. 建替える

私が経験した中では、
室内にいるだけで気分が悪くなるほど家が傾いているお宅がありました。

田んぼ地域にある敷地でしたので、元々、地盤が弱かったと思いますが、
建設当時には地盤補強の知識・技術・基準が今ほどなかったので、
十分な補強がなされないまま家が建ったのではないかと推測しました。

ちなみに、そちらの住宅は建替えることとなり、
今ではしっかりと地盤を補強した上に、
現行基準で新築した住宅にて、安心してお住まいいただいています。

リフォームの限界・間取り

リフォームでは、基本的には床面積の増加はありません。
また、現行法規では、増築に対するハードルはなかなか高いです。

ですから、
基本的には今ある面積の中でリフォームを計画することになります。

また、安易に柱や壁を撤去、移動、することも出来ません。

基本的には、柱は1本でも撤去できませんが、
撤去する場合には、それ相応の補強とセットになります。

壁の場合は、元々、耐力壁が足りていない古い住宅ですから、
撤去するというよりは、プラスするのが基本ですので、
減らすというのはなかなか難しいことだと思います。

つまりは、
同じ面積、同じ躯体の位置で間取りの変更を考えるか、
または、
構造を補強するなどしてでも間取りを変えるか、
を考えねばなりません。

自由度は下の方があると思いますが、その分、費用は掛かります。

リフォームの限界・駐車場

これまでは家のことを書いてきましたが、
もう一つ、たまにご相談いただくのが 駐車場 です。

家を建てた時には車が必要ではなかったので駐車場を造らなかったケースや軽自動車用のコンパクトな駐車場を造ったケースなど、現状は様々ですが、後々、自動車のサイズや台数を変えたいから駐車場をどうにかしたい、
とご相談いただくことがあります。

敷地に余裕があれば、すぐに解決することですが、
土地の大きさ、建物の大きさは変えられないので、
残ったスペースの中で駐車場をどうにか出来るかで決まります。

駐車スペースは、家を新築する時に一番初めに考えることの一つですし、
もっと言えば、土地を購入する際にも重要な要素の一つですので、
後から、大幅な変更をするのは難しい場合が多いです。

リフォームは取捨選択ができる

出来ないこと、難しいことを挙げるとリフォームに対して後ろ向きな印象をお持ちになるかもしれませんが、
リフォームの最大のメリットは 取捨選択 が出来ることです。

ここは直すけど、ここはそのままにする
など、生活スタイル、ご予算、
その他ご要望に合わせて工事範囲を限定することが出来ます。

建替える場合には、面積は変更できますが、一度全てを解体し、
一軒を丸ごと新しくしなければなりません。

どちらが良い選択なのかは、ご家庭ごとに異なりますので、
ご家族とご相談の上、かかりつけの工務店や建築士に相談して選択するのがオススメです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。