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真っすぐ下に落ちない雨

夕立と言う風情があるような雨ではなく、
「豪雨」という言葉がピッタリの大雨が頻発しています。

そこに強風が加われば、もはや、自然災害です。
そのままであなたのお住まいは大丈夫ですか?


■横殴りの雨にはどうすればいいの

1 家の防水は基本的には上からの水の流れに対応している

屋根は上から下に向けて降ってくる雨を想定しています。
瓦や化粧スレートもそうですが、下から重ねて載せていきますので、
屋根を上るように横から降る雨では、瓦などの隙間に雨が入り込みます。

下葺きのルーフィングがしっかりと防水機能を有していれば、まだ雨漏りは防げますが、基本的には横方向からの雨は想定してません。

屋根以外でも、屋根の軒裏の換気孔、換気扇の外部フード、ルーバー窓なども斜め上くらいから降る雨なら防ぎますが、横殴り、または吹き上げるような風に乗った雨には対応できません。

2 昔はそんな雨は数年に一度、十数年に一度でした

台風だってそんな雨は滅多に降ることはありませんでしたが、
最近では、年に1回は降っているような気がします。

正直に申しますと、そうした横殴りまたは斜め上に向かって雨に降られてしまったら、家の中に雨が吹き込むことを防ぐのは難しいです。

しかも、それらを防ぐには、必要な換気機能を塞いでしまうなど、住宅の機能低下を招くか、屋根の全面葺き替えなど、大掛かりな改修が必要となります。

十数年に一度のことでしたら、家への損傷も少ないと思いますので、その1回を我慢すれば良いと考えることも出来ますが、毎年のこととなると難しい判断になりますよね。

3 自宅の雨の弱点を知る

経年劣化やひび割れ、破損、などがあればあらゆる可能性はありますが、
基本的には、雨はどこからでも侵入してくるわけではありません。

大きく分けて、

  1. 屋根

  2. 外壁

  3. バルコニー

  4. 開口部周り

が雨の弱点になりやすい箇所です。
そして、それらの中でも個々の家ごとに最も弱点になりやすい箇所があります。

 例1 屋根がフラットの家

屋根は降った雨を地面へと流すために勾配が付けられているのが一般的です。
勾配が緩いほど雨が流れにくいのですが、これがフラットになると大雨の際に排水が追い付かなくなることがあります。

また、屋根材ではなく、FRPなどの防水仕上げの場合には、短いサイクルでのメンテナンスを実施しなければ、防水性能は保てない点も弱点になりやすいです。

 例2 外壁が凸凹の家

外壁はサイディングと呼ばれる板状の素材が張られているのが一般的です。

これらは継ぎ目にシーリング(継ぎ目を充填する)しているのですが、外壁材に比べてシーリング部分は劣化が早いため、外壁に凹凸が多かったり、使っている外壁の種類が複数だったり、すると継ぎ目が増えるのでメンテナンス必要箇所が増えると考えられます。

 例3 バルコニーの下が部屋の家

例1でも書きましたが、バルコニーや建物一体型の場合、FRP防水で仕上げられていることが多いのですが、そもそも四方を囲まれているバルコニーは大雨などの際の雨水の排出しづらい構造です。

排出が追い付かない場合には、フラット屋根と同様に建物内に雨水が浸入しますが、バルコニー直下が部屋の場合にはその雨が室内に浸入する可能性が高くなります。

4 豪雨対策・これから新築するなら

屋根は勾配を付けて、なるべくシンプルな形状の外観にし、バルコニーは設置しない、ということでだいぶ豪雨の際のリスクは軽減出来ます。

しかし、そうすることで、豪雨対策以外のご要望を満たせればと言う前提です。

5 豪雨対策・既存住宅の場合

まずは弱点を把握し、重点的にメンテナンスをすることです。

次に、仕様を変更して弱点を減らす、無くすことが可能か検討します。

しかし、だいたいは簡単な工事で実現出来ることは稀であり、大掛かりな工事を伴うことが予想されます。

根本的な問題解決にはつながらないとしても、
塗れても損傷しにくい内装材への交換や家具の配置変更などにより雨漏りの被害軽減は可能だと思います。

■最後までお読みいただきありがとうございます