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讒文芝居

●最近の此のバンド弩豪い

■Night Tempo(ナイト・テンポ)


「ニューロは神経、銀色の径。
夢想家(ロマンサー)。魔道師(ネクロマンサー)。
ぼくは死者を呼び起こす。いや、違うな、お友だち」
(ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」)

原則として落語は、落語家から落語家へ、直接伝えられるらしい。
そんなことを繰り返しながら演じ続けられてきたのが、
『古典落語』と呼ばれるいわばスタンダードな物語たちだ。
だから、物語の構成要素は完全に固定されているのではない。
演じる落語家によって、そこに新たな『笑い』の因子が組み込まれたり、
削られたり、視点がシフトされたり新たな解釈が加えられたり──。
それらの操作によって、物語ぜんたいの印象が
まるで違ってきたりするのだ。
そんなプロセスを積み重ねることで、それらは形態を少しずつ変えていく。
(北野勇作「どーなつ」)

それはいつ生まれたのか誰も知らない。
暗い音の無い世界で、ひとつの細胞が分かれて増えていき、
みっつの生き物が生まれた。
彼らはもちろん人間ではない。また、動物でもない。
だが、その醜い体の中には正義の血が隠されているのだ。
その生き物、それは人間になれなかった妖怪人間である。
(足立明原作「妖怪人間ベム」)




「フューチャー・ファンク」と謂うのだ然う喃。

最前、検索して知ったという即席知識の為体なのだが、
昨今の世界的な、主に70~80年代のジャンルも垣根も節操も無い
音楽的懐古というか郷愁趣味のミクスチャー的作曲法は
「ヴェイパー・ウェイヴ」と謂うらしい。
文脈は一旦擱いて、其ん喃一群の
AORやシティ・ポップ等等をブレイク・ビーツや
ヒップホップ的にトラックを素材加工や切り貼りし捲って、
新しい音楽を生み出す手法で在る。
其処から、更に派生したのが此の音楽。

矢張り偶然にも「ファンク」に行き中って仕舞った。
今度は異形の渦中に生まれた、進化型。

詳しくは知らないが、此のNight Tempo氏は、韓国の人らしい。
韓国では、只今「新しい(New)」+「過去(Retro)」を融合させた
「新しい過去」を意味する 「Newtro(ニュートロ)」が流行みたいで、
クルアンビンが「既に時代遅れ」「高齢者向け」みたいな喃
「タイ・ファンク」を再び「恰好良い物」として蘇らせて仕舞った様に
一時期は隆盛を誇った物の、何時し乎、忌み厭われて仕舞った物を
今度はテクノロジーの力でニューロマンサー宜しく
黄泉路から表舞台に呼び戻すのが流行りって、何て昏い浪漫なんだ!と
静かに熱狂せずには居られ無い。

数多のデスクトップ・ミュージシャン多士済々綺羅星の如き昨今でも
Night Tempoは、YouTubeで偶然見附けたのだが、
勿論、自分の好みだが、レコードを買うに至り、届いて一聴する迄は
半信半疑だったが、直ぐに安堵と共に耽溺心酔に浸った。
詰まりは、嵌った。
打ち込み主体曲も何処かしら、YMO風味もあり、実は細野晴臣さんも
ファンクに一時期入れ揚げて居らしたし、
YMOも可也のファンク要素も在ったバンドなのでは無いの乎?
とか、今更の独り的外れ為る妄想する始末。
詰まりは、嵌った。

混沌(カオス)で荒唐無稽(アブサード)でええじゃないか。
ええじゃないか。

●Space Disco


●Social Distance


●Tokyo


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