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車検証の電子化開始!

【はじめに】

令和元年5月、自動車ユーザーや関係事業者の利便性向上のため、道路運送車両法が改正され、以下の新制度が創設されました。

①   自動車検査証の電子化
②   記録等事務委託制度

自動車登録手続きのデジタル化の一環として行われた本改正。
改正内容①は読んで字のごとくですが、②は、継続検査・内容変更による自動車検査証への記録事務等を、一部事業者(国土交通大臣が一定の要件を備える者)に委託する制度のことです。

この法改正で何が変わるのか、早速、具体的に見ていきましょう。

 【どのような車検証になるのか】

令和5年1月4日(軽自動車は令和6年1月)以降、従来であれば紙の車検証が新たに発行される手続きを行う車両について、電子車検証が発行されます。そして以下内容が変更となります。

(1)サイズが変わる
従来の車検証はA4サイズでしたが、電子車検証はA6サイズ相当の厚紙にICタグが貼付されます。

国土交通省電子車検証特設サイトより抜粋

 
(2)記載される情報が変わる
電子車検証では、現行の車検証情報はICタグに全て記録され、変更登録や車検を受けても記載事項に変更のない基礎的情報のみが券面に記載されます。一方で券面に記載されず、ICタグにのみ記録される事項もあります。

〈券面記載事項〉
自動車登録番号/車両番号、初度登録年月/初度検査年月、交付年月日、自動車の種別、用途、自家用・事業用の別、車体の形状、車名・型式、乗車定員/最大積載量、車台番号、長さ/幅/高さ、型式、原動機の型式、総排気量又は定格出力、燃料の種類、車両重量/車両総重量、軸重(前前・前後・後前・後後)、使用者の氏名又は名称
車両識別符号(※車両ID/電子化に伴って車両ごとに付与されるもの)

<券面非表示事項>
自動車車検証の有効期限、所有者の氏名・住所、帳票タイプ、使用者の住所、使用の本拠の位置

 このICタグに格納された車検証情報は「車検証閲覧アプリ」で確認することができます。(PC+ICカードリーダー もしくはスマートフォン)
また、電子車検証と閲覧アプリが普及するまでは、券面非表示事項の内容も含めすべての車検情報が記載された「自動車検査証記録事項」が発行されます。

【記録等事務委託制度】

継続検査に係る自動車検査証への記録等に関する事務及び自動車検査証に変更記録に関する事務を運輸支局長等が一定の要件を備える者(指定整備事業者、行政書士等)に委託する制度が導入されました。

この委託を受けるためには運輸支局長等の承認を受ける必要があります。国土交通省のホームページによると、令和4年12月2日現在北海道運輸局から委託を受けている代行者は26ありました。

この制度導入によって、電子車検証の券面記載事項に変更が生じない場合には、ICタグの記録情報の書き換えのみで手続きが完了することから、運輸支局等へ出頭することなく手続きが可能になります。

たとえば継続検査(車検)を受けた場合。

従来、指定整備事業者等が運輸支局へ申請を行うと、それを運輸支局が審査・登録システムを更新し、新しい車検証と検査標章を発行したものを発行する、といった手続きを行う必要があり、事業者は電子申請したとしても、それらを運輸支局へ受領しに出向く必要がありました。 

しかし新制度下では、特定記録等事務の委託を受けた指定整備事業者であれば、電子申請内容を運輸支局が審査・登録システムを更新した後、事業者が車検証のICタグの記録・検査標章の印刷ができるので、受領の為に運輸支局へ行かなくてもよくなりました。

【最後に】

新制度はまだ始まったばかりで、電子車検証がお手元にある方はそう多くはないと思われます。筆者も実物を見られるのは大分先になりそうですが、実物が手元にきた場合には、早速車検証閲覧アプリを使用してみることとします。

そうそう。
車検証といえば道路運送車両法第66条で、「自動車は、自動車検査証を備え付け、かつ、国土交通省令で定めるところにより検査標章を表示しなければ、運行のように供してはならない」としており、これに違反すると50万円以下の罰金に処されます。お出かけの際には忘れずお持ちくださいませ!

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行政書士法人第一事務所
行政書士 桑野恵里佳(北海道行政書士会 登録番号 第17010750号) 


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