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Ado「心臓」参戦記録・前編…リアルに、FILM REDの世界が広がって

前日に続き、ライブの感想を記しておきます。

既にニュースになっているので誰もが知る所になっていますが、予想外のゲストや演出に溢れた豪華絢爛な全25曲、Adoちゃんのこれまでのどのライブよりも大きく、充実した、即ち彼女が前に進んでいることを実証したライブだったと思います。

この3年半を辿っていくようなセットリスト

先月、オールナイトニッポンの中で「日本に帰ったら国立のセトリ考えなきゃ」と言っていたのを覚えています。勿論スタッフと協議して決めているとは思いますが、今回のセットリストは彼女自身が決めたものだと受け取っても良いかと思いますね。

昨晩、公演終了後に早速セットリストが公開されていますので、追っていきながら、現地で聴いたその感想を書いていこうと思います。
ちなみに曲目は27日、28日ともに同じでした。

1・うっせぇわ
SEの「心という名の~」の音量が大きくなりながら、ステージの下からせり上がってくる「箱」。手拍子している観客の不意を突くようにオープニングナンバーが始まりました。蜃気楼の時と同じスタートですが、ライブを重ねる毎に狂気が増していく曲ですね。デビュー曲なので綺麗に歌い上げよう、という気持ちは微塵もないようで、もう音程度外視で叫びまくりです。今朝のニュースで取り上げられた際にも流れていたのでその激しさが全国に伝わったのではないでしょうか。
個人的には「もう見飽きたわ」のところが本当にウンザリしているようなので、好きです(笑)。

2・Tot Musica
ONE PIECE FILM REDの挿入歌、昨年末テレビでも一度披露した曲です。
しかしこれが2曲目に来るのは完全に想定外でした。「うっせぇわ」とは違う荒ぶり方の曲で、どちらかというと苦痛の趣きが強い、まさに救いを求めるウタのSOSを歌った旋律なんですね。そしてそれがとてつもなく格好良い。何故これが2曲目なのか?…その答えが後に語られる事になります。
ちなみにイントロでの客席の「沸き具合」、2曲目とは思えないレベルでしたね。

3・ラッキー・プルート
寝そべりソング(笑)。
歌詞がかったりーな、と言っているその通りの曲ですね。私も含めAdo民はファーストアルバム「狂言」を聴き込んだ人がほとんどでしょうから、リラックスして歌っているAdoちゃんと同じような「安心感」を覚える曲ではないかと思います。

4・ドメスティックでバイオレンス
確かファーストアルバムで最後にMVが公開された曲だったかと思いますが、格好良い曲です。彼女自身の性格はそんなに攻撃的ではないと思うのですが、「ナイフ」という単語がなんか似合ってしまう。最後のシャウトの伸びがまた、ライブだと映えるのでその表現力を堪能できる曲なんですね。

5・愛して愛して愛して
現時点の最新CDである歌ってみたアルバムから。
正直に言うと、このアルバムの中ではあまりしっくり来なかったマイナーな曲調で(というか、unravelを筆頭に他の曲が良すぎるため)、個人的には少しテンションが下がったところですが、これもライブ化けしていました。彼女は曲のなかで狂う、というか「ちょっと変な女」になるのが上手い(笑)。曲が終盤に差し掛かると、不思議と世界が出来上がって引き込まれている自分に気付きました。Adoちゃんは、カバーも含め全ての持ち歌に自信がありそうですね。

6・過学習
サビの伸びが心地よい、これもファーストアルバムの名曲。
この曲は以前Youtube配信の時に生歌で披露してくれて、「軽く歌いまーす」みたいなノリでえげつない美声を聴かせてくれた印象が強いですね。激しいシャウトから美声まで使いこなすシンガーという点では、サザンの桑田さんと並ぶか、越えているかも…という程、私は彼女の表現力を評価しています。

7・マザーランド
ラップの様な早口と裏声が印象的な曲です。
CD音源になかった力強さをプラスした歌い方が良かったですが、この曲はなんといってもバックの映像が素晴らしかった。強い光で、後光が射しているような絵を作っており、彼女自身がマリアの様に見えましたね。
しかし、ファーストアルバムはこれだけ別のプロデューサーによる多彩な曲群でありながらどことなくカラーが統一されてもいるな、と思えるのがAdoマジックですね。

8・ギラギラ

先日発売された小説も執筆されたてにをは氏によるナンバーが二曲続きました。この気怠い感じで会場に一体感が生まれるのがAdoライブの味と言いますか、「Rap Tap Tap Tap」は合唱ポイントなんですね。ちなみにファンであればライブ中は無意識に歌詞を口ずさんでしまうものですが、私は例えばカラオケで歌った事などは無いこの曲でも、歌詞がソラで出てくる辺りそのストーリー性が秀逸なのを感じますね。

9・永遠のあくる日
来ました、前半最大の盛り上がりポイントです。
ここで花火やドローン演出が入り、ライブ用アレンジでアウトロがかなり長くされていました。「ギラギラ」で愛されたいと渇望していた子が、愛を伝えるために少し前向きになった、と捉えられる連続性があるこの2曲です。今回のライブも是非映像ソフト化して欲しいものですが、特に観たい一曲がこれです。

感動的な曲ですが、本当に鳥肌ものでした。


10・私は最強
しっとり系が続いた後で、明るい曲に戻ってきました。
「永遠の~」で、会場両横のモニターが消えていたので初日は「故障か?」とか思ったものですが、この曲でちゃんと点きました(笑)。また、盛り上げのためにステージに初めて火柱が上がりました。スタンド席だったにも関わらず熱が伝わってきたので、こりゃステージは相当熱くなってるなと思いましたね。そしてこの曲で思い出したのは、国立競技場はウタがライブをやった場所と形状がよく似ているって事です。実は眠らされていて…なんてことはありませんでしたが(笑)。

11・レディメイド
ファーストアルバムの一曲目。
つまり彼女のCD化の一曲目とも言えます。これも前曲からの流れで盛り上がりが凄かったですね。「どうだい どうだい」の所は繰り返しの度に歌詞が違うのですが、合唱ポイントでした。Adoちゃんが若者から支持されるのは、根底にある「怒り」の感情が共鳴されているからでは、と思っています。この曲はその象徴であり、うっせぇわと並ぶシンボルかなと思っています。うっせぇわがデビュー曲なのは有名ですが、続く2曲目はこれだったんですよね。

いつも思う、ライブのスピード感

ここまでが前半、次から2023年以降の曲が入ってきます。
今回で3回目となるライブ参戦でしたが、毎回思うのがとにかくテンポが良いってことですね。矢継ぎ早に、どんどん次の曲に行くので休む暇がありません。誰とは言いませんが、毎曲休憩が入っているようなアーティストもいます。このスピード感は現代的だな~とも思いますし、また没入感という意味でも良いものだと感じます。

余談ですが、一日目はスタッフさんから別の席を勧められて移動したんですね
特に変わり映えしませんでしたが、紙のチケット貰えるんなら貰っておくか、みたいな
気持ちで移動しました。スタンド席ながらステージ真横だったので、後に花道を使った
演出の際、とてもよく見えましたね。


長くなるので後編に続けます。

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