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【Ado】アルバム「残夢」買いました、現代のCDの在り方を感じて

昨日7月10日は、色々な記念日ですが何よりAdoちゃんの2ndアルバム「残夢」発売が個人的に最大のイベントでした。

私は4月のライブの時に会場で購入手続きをしており、9日には届きました。こういう形式でものを買ったのは初めてだったので、しっかり届いたことにプチ感動しましたね(笑)。

Blu-rayの中身に驚愕

私は「初回限定:Blu-ray盤」を買いました。アクリルスタンド付きのやつは流石に高い…と思いまして。アクスタ版のジャケットは魅力的だったんですけどね。

「ウタの歌」や「歌ってみたアルバム」と違い
ハードカバーなのがオリアルの特別感を醸し出しています

しかしこの初回限定盤も8800円、送料含めると一万円近くです。「アルバムとしては高いな…」というのが正直な気持ちでした。
でも
「今、CD売れないしな。こうやって単価上げないと商売として成り立たないんだろうな…仕方ない、ファンだしお布施しますか」
という感覚で買ったんですね。
ですが、実際に現物が届くとこの考えは覆されました。

ブックレットのイラストもまた見所でした

それは、特典のBlu-rayを再生した時の驚きでした。
公式サイトには、

初回限定:Blu-ray盤、DVD盤には、全世界が驚愕し、そして歓喜に沸いたTHE FIRST WORLD TOUR “Wish”の米ロサンゼルス公演の最強ライブ映像を収録。

と、あります。
イメージ的に、CDアルバムの特典…言ってしまえばオマケの円盤ですから、ダイジェスト的に20分前後、長くても30分くらいだろうと思っていたんですね。
ですが、いざ再生してみるとまずメニュー画面がお目見えし、21曲の曲目が並んでいます。
「へ!?何コレ!?」
という驚きが。
そして本編再生ののちタイムバーを見るとなんと一時間半あるのです。

「ら、ライブ一本、フルで観られるのか…」

これにはビビりました。完全にオマケの域を越えております。これではアルバムとどっちがメインかわかりません。ライブビデオにCDが付いている、といっても差し支えない内容です。商品説明にもライブが全部入ってますなんて書いてませんから、ただただ嬉しいサプライズでした。
日本人で海外ツアーに行った人はそんなに多くないと思いますし、これは現地の熱気も含め体験できるのがとてもありがたいプレゼントですね。
そして、これなら8800円も納得、という感じでした。だってライブビデオは大方それくらいしますからね。アルバムがオマケじゃん、と考えても安いとまで思えるほどでした。

「Ado」というコンテンツは常に驚きをくれています

現代のCDアルバム発売の意義を考える

90年代のCDビジネス最盛期から音楽を嗜んできた人間として、今回のAdoちゃんのアルバムを商品として見たときに感じるのは
「CD発売が、そのアーティストのお祭り…イベントなんだな」
というかつてとの違いです。

2年前のファーストアルバム「狂言」も、既に発表済みの曲を改めてCDとして発売しました、というもので聴ける曲達に目新しさはありませんでした。今回はCDで初出となる曲が2曲ありますが、基本的にはこの2年間で発表してきた曲がまとめられているアルバムであり、どちらかといえばオリジナルアルバムではなくベスト盤の趣きが強いものになっています。
昨年のミスチルのアルバムのように、未発表曲だけで構成されていきなりボン、と出してくる場合もありますがそれは彼等ほどのビッグネームだからできることであり、現代だと「知らない曲」をいきなりCDで出すことはほぼ無くなっていますよね。

現状、メジャーデビューしているアーティストはほぼYoutubeやSNSの公式チャンネルやアカウントがあり、新曲はそちらで発信しています。つまり、聴くだけならタダの時代なんですね。またそれももれなくMVが付いており聴覚だけでなく視覚でも楽しめるのが当たり前になっています。
基本的には音楽を提供するミュージシャンでも、無骨に音楽だけをやる人は少なく多角的にコンテンツを提供する時代なんですね。
Adoちゃんも「歌い手」というスタンスは崩さずに様々なことに挑戦しています。「セカンドアルバム発売」を謳いながら世界ツアーの映像も一緒に付いています、というサプライズにCD発売はあくまで名目、Ado祭りを楽しんでねという意図が見えた気がします。

つまり、「音楽を聴くためのCDのリリース」だけで済ませていい時代ではないので、シームレスに色々なものを届けてくれる…それが現代のアルバムなのだなと感じた次第です。原宿でやっているらしいポップアップストアなども、まさにその一環ですよね。

ブックレットのライブフォトより
この仰け反り方、まさにロック

そして彼女は、歌い手の進化形でもあり

こういう展開が可能なのは彼女の人気があってのものですが、その人気もまた、確固たる実力ありきなことも忘れてはいけません。
比較するのが正しいかどうかわかりませんが、以前ブルーハーツのライブ映像を観た時、甲本ヒロトさんの絶叫で大変盛り上がっていたのを見ました。ライブとしては120点なのですが、一方でもう歌詞もメロディも吹っ飛んでいて何を歌っているのか全くわからない状態だったのも確かです。…なので、申し訳ないですが音楽、ボーカルとしては0点だったといえます。

その点、Adoちゃんはそのヒロトさんにも負けないレベルのシャウト、感情表現をしながら歌が壊れてもいません。音程もまず外さないんですね。裏声でがなる、といった離れ業も見せます。これは昔の歌手が下手だったということではなく、ライブというものに真っすぐ向き合ってきた結果現代の歌手が進化している、という証左だと思っています。
「Ado」というコンテンツが広がっていけるのも、彼女自身の努力と実力が可能にしているものです。何度もライブに足を運んでそれを実感している人間として、そこは添えておきたい事実です。

そんな感じで、しばらく通勤時BGMはこれで…なアルバムです。
が、まさにこれが届いた日に2年間使ったワイヤレスイヤホンが壊れました(泣)。

新しいイヤホンの良い音で聴け、ということなんでしょうね…(笑)。

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