仮面ライダーアギトに変身しながら、CSMについて思いを馳せてみる
先日、SNS上でちょっとした騒ぎになっていた、こんな話題があります。
発売前の紹介と異なる素材(ダイキャスト→プラスチック)の商品が届いたことで購入者からクレームがあり、公式が説明しているという事案ですね。こちらの説明、経緯を読めばなるほど、といった話で、遊ぶ際の問題を解決するための仕様変更だったことがわかります。
しかし、5万円越えの高額商品で発送前に説明がされなかったことは確かに問題で…
この日付、ユーザーは一年前から待っていた人もいるわけです。
この商品についての感想、レビューもいくつか見て回りましたが素材の変更に気付いていなかった人もおり、「仕様が変更になる場合あり」と明記されている以上企業側にそこまでの落ち度はない、と個人的には思います。
ですが、度重なる不良品報告や発送の遅れなど、このところのCSMブランド、その価格に見合ったサービスを提供できていない、という実情がありメーカーへの不信感が今回の件を起こしている、という印象がありました。
思いを共有できるもの、そこにブランドあり
話変わって、先日某所でのイベントに参加してきた友人から送られてきた写真です。
アギトシャイニングフォーム、G3、ギルスとの撮影会があったそうです。友人が写った写真もありましたが、腰にしっかりCSMオルタリングを巻いて魂、目覚めさせておりました。
こんなのを見せられたら、血が騒ぐ性分なのがワタクシです。
平成仮面ライダーの中でもアギトは1、2を争うフェイバリット作品です。
ほぼ一年前にこれらの記事を書いてから、もう一本所有しているオルタリングのことも書きたいな…と思いつつ先延ばしになっていましたのでこの度、棚から取り出しました。
20周年記念として発売された商品、個人的初CSMとして買ったクウガのアークルに続き、こっちも欲しいに決まってんじゃん!とポチったものです。今現在、クウガ、アギトと並べて部屋に鎮座しております。
オルタリングは本体、ドラゴンズネイル、ベルト止めが一つと商品構成はシンプルなものですが内容は大充実しています。グランドフォーム、ストームフォーム、フレイムフォーム、そしてトリニティフォームと変身バリエーションはしっかり押さえてあり、あかつき号での初変身まで再現されているのは、アークルの2話変身に近いものを感じます。
もちろん、ドラゴンズネイルを装着してのバーニングフォーム、シャイニングフォームも網羅しており、さすがにシャイニングカリバーはベルトから出ては来ませんが、出てくる音は鳴らせます(笑)。
そして、台詞モード。「津上翔一ライブラリ」として完璧ではないか、という全170種類のセリフが入っています。テレビ本編だけでなく、ジオウ31・32話のものまで入っているんですね。CSMタイフーンの時も、直近の劇場版までカバーしていたのでCSM製作スタッフの意識の高さは、ここに見て取ることができます。
BGMは17曲収録、主題歌2バージョンに挿入歌もあり、主要なBGMも鳴らすことができます。これもタイフーンで思ったことですが台詞、SEと併せてサウンドライブラリとしても優秀なのがCSMです。
眺めたり、音を鳴らすだけでも楽しいCSMですがやはり本題は自分が「変身」すること。久しぶりにアギトに変身しました。
…が、数回失敗。
理由は、赤外線センサーが早く反応してしまいポーズと合わない、というものでした。これはCSMタイフーンの1号モードでもあったことで、意外と難しかったりします。その時のことを思い出して、上手くいくまで数回、反復しましたが…決まるとやはり、気持ちいいものです。
この、赤外線センサー絡みの変身ポーズのコツ…といいますか必須な留意点があり、それがそのまま仮面ライダーの変身ポーズをカッコ良く決める極意にもなっている、と感じました。
それは、「動」と「止」の、「止」の部分をしっかり止める、ということです。
動きの部分に注目しがちですが、止めるところをしっかり止め、微動だにしないことが大切です。少しでも動いてしまうと、センサーが反応し失敗してしまうんですね。私はこの変身ポーズはただのパフォーマンスではなく命懸けの戦いに向かうための儀式、演武に値するものだと思っています。止まっている所で手がフラフラしていたら美しくないですし、なんだか決意も揺らいで見えてしまいます。
上の動画で、賀集さんが「撮影の時に使ってたのと同じ」と言っていましたから、CSMで遊ぶことは本物で遊ぶことなんですね。では、やはり私どもも「本物」にならなければ締まらないわけです。
最初は「うわぁ~~スゲェ!」って思いながら触りますが、実際に巻いて遊び始めると緊張感すら出てくる…CSMとは、そんな代物なんですね。
そこには、商品を手掛けた人達の「好き」も詰まっているからであり、提供者とお客という立場でありながら同じ仮面ライダーファンとしての思いを共有している…そんな楽しさが、このオルタリングにも確かにあったものです。
今一度、魂を目覚めさせろ!
こうして、アギトに変身…津上翔一にドップリ浸かっていると、先述した最近のCSMの凋落ぶりに悲しさを感じずにはいられないんですね。
このオルタリングは税込29700円、高いとはいえ3万円でした。最近のは5万円を越えるのが普通になっています。様々な事情あってのことだと思いますが今回の事案などを見るに、バンダイ側とユーザーの
「心が離れてしまっている感」
に、どうしても寂しさが拭えないんですね。オルタリングにも初期不良問題はありましたが、現在ほど非難されてはいなかった印象です。身も蓋も無い話ではありますが、価格が高いので不満が大きくなるのも自然な話なんですね。
最近は高額になるだけでなく過去商品の新バージョンも多いです。ダブルドライバーは今回で何度目ですか、というほど出ていますね。カリスラウザー&カリスアローのセットは7万円です。走るかどうか怪しいのでもよければ車が買えるかもしれません。
ファイズドライバーの件も、どうにも売る側が「所詮オモチャ」という意識で扱っている…という穿った見方をしてしまいそうなほど、買う側の心に寄り添えていない印象を持ってしまうんですね。ファイズに関しては昨年のドライバーVer.2においても問題がありましたし、555ファンの心情を思うとなんとも…な話です。
・お客様には、ご不便とお手数をお掛けいたしますこと、深くお詫び申し上げます。
・楽しみにご購入いただきましたところ、大変申し訳ございません。
自分が買っていなくとも、喜ばせてもらったことのある企業からこんな文言が出ているのは気持ちの良いものではありませんし、今一度襟を正していただきたいと思います。
そもそも、大人向け変身ベルトなどと商売としてはかつて「賭け」に近いものだったはずです。それが成功したからといって、気を抜いた仕事をしていれば求心力はたちまち低下していくのは当然です。
今のCSM開発、商売優先の闇堕ち傾向にあるのは間違いありません。正義と悪は紙一重であると伝えているのが仮面ライダーですが…
初心忘るべからず、を肝にブランド立ち上げ時の魂を取り戻して欲しい。
「高いけど、これは買う!」と踏み出すファンの心に、魂で応じてもらいたいですね。