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映画と印象

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レビューでも評論でもありません。話題のロードショー作品もあまり観ないので、ほとんどなにかの参考になったりしません。役に立たないけれど、映画や映画館にまつわる出来事や印象を書いてき…
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2022年10月の記事一覧

「サウルの息子」の音

 それほどたくさんの映画を観てきたわけではないけれど、これほどまでに「苛烈な」状況を描い…

北原慶昭
1年前
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「座頭市」

 その冒頭、どこやも知れぬ街道筋に腰掛けた「市」の息が、こころなしか荒くゆれている。その…

北原慶昭
1年前

「ロスト・イン・トランスレーション」

 仕事がひまになったので、平日の夕方、映画を観に渋谷まででかけた。 二子玉川育ちのぼくに…

北原慶昭
1年前

「放浪記」

 キャメラがある。俳優たちがその前にたち、監督の「よーい、スタート!」の声とともにフィル…

北原慶昭
1年前

「ミリオンダラー・ベイビー」

 大好きな作家がいて、その人やそのグループが作った作品と共に過ごす時間にはどこか特別なも…

北原慶昭
1年前
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「オペレッタ狸御殿」

 大学にはいったばかりのある晴れた日、その日は教室を素通りして都電の駅にむかった。東京最…

北原慶昭
1年前

「芝居道」

 京橋には「国立近代美術館フィルムセンター」という一風変わった映画館がある。一日三回、平日なら一時、四時、七時が上映時間である。それぞれ三十分前が開場時間で、それまで一階のロビーで待つことになる。  広いロビーも人気の監督や演目ともなると人でいっぱいで、入口ドア付近からロビー奥まで埋め尽くされたお客さんの姿に圧倒されてしまうこともしばしばだ。 警備服を着た職員さんたちの慣れたてさばきで、ぐるり列をなし、これまた見事な隊列を作って三階の映画館に誘導される。  その階段をのぼりな

「アワーミュージック」

 薄暗がりの一室、ジャン・リュック・ゴダールのアップ。オフで若い学生の声がかかる。 「ム…

北原慶昭
1年前

ブルース・ウェーバーの映画

「ジェントル・ジャイアンツ」 「トゥルーへの手紙」 12月某日 シネマライズ渋谷  「アメ…

北原慶昭
1年前

編集の周辺

 ずっと息をひそめ、ただただ見つめている。そんなカメラ側の緊張感までひしひしと伝わってき…

北原慶昭
1年前

「白いリボン」

 ジョン・カサヴェデスの「ハズバンズ」(70年)で最も印象に残っているのは、再会した旧友…

北原慶昭
1年前

「海炭市叙景」

 祝福された映画というのはほんとうにいいものです。薄暗がりの片隅で、そのおすそわけにあえ…

北原慶昭
1年前