見出し画像

僕がスタートアップ立ち上げに失敗した5つのNG要因について話そうじゃないか。


はじめに

今回この記事を書こうと思ったのは、自分の戒めとして。また新たな挑戦者たちに対し少しでも参考になれば良いと思い書いて行きます。

タメになることがあれば持ち帰っていただけると嬉しいです。あの頃の自分に対するメッセージ感覚で書いてますので所々言葉遣いが荒くなってるのはご了承ください。笑 

※Twitterで反応いただいた方々ありがとうございました!

対象者

・これからスタートアップを立ち上げようとしている方
・スタートアップへの経営層としてジョインを考えている方
・スタートアップへの支援活動をしている方
・スタートアップ経営層がどんなこと考えてるのか知りたい方

スタートアップ立ち上げに失敗した5つのNG要因

1)要件定義をせずにジョインしてしまうのはNG
2)エクイティ知識が0のままジョインしてしまうのはNG
3)PMF達成前の無理な拡大はNG
4)資金調達ベースでの経営はNG
5)腹割って喧嘩できる関係性でない状態はNG

スタートアップ経営だけではありませんが、何かがうまくいかなくなる理由というのは、いつも一つではなく複合的な要因が絡んでしまうことが多い。

今回の記事では個人的に反省すべき点だと感じた5つをピックアップしていきます。5つのNG要因とともに参考となる記事を添付しますが、別途深く知りたい!と言う場合はお気軽にTwitterへご連絡ください。@phakchist

※市場やメンバー、扱うサービスなどの外部/内部環境の差によって多少変化はあるといえど普遍的な物を共有していくつもりです。

1)要件定義をせずにジョインしてしまうのはNG

旧友だから、なんかうまくやっていけそうだから。みたいな安易な考えでスタートアップにジョインするのはやめた方がいい。自分は何者でどうありたいのか、発揮できるバリューは何かと言う自己分析もできていないままジョインするのは長期的に見て破滅を意味する。互いの要件定義をある程度定めた上でジョインしなければ誘った側も誘われた側も不幸せになる。

なんとなく起業したいみたいな人多いと思うんですが、なんのために事業を興すのか、それはなぜしたいのか(原体験×怒り)、なぜあなたでなければいけないのか(Why U)、なぜ今なのか(Why Now)。それくらいポンポンと答えられるのであればやるべきだが8割はなんとなくかっこいいからとか、今の仕事に不満があるから。と言う理由で起業してしまうかスタートアップにジョインしていく。

また最近大企業よりスタートアップの方が人気がある。みたいな記事が軽くバズっていたが。そういった方々はまず自分に何ができるのかを自問自答していただきたい。企業の看板と役割があってこそのあなたであり、そこから野に放たれたあなたに何ができるのか。まさに「およげ!たいやきくん」状態になると言うことをもう少し自覚した方がいい。少なくとも僕はたい焼き屋のおじさんの元へ帰る羽目になった。(良いか悪いかは別として)

2)エクイティ知識が0のままジョインしてしまうのはNG

なぜエクイティ知識がないままスタートアップにジョインするのがNGなのか。「会社は誰のものか」と言う話を決める際に必ずといっていいほど揉めるからだ。

知識がないあなたは大体騙される。お金の知識がある人が富を得て、無い人が搾取されるのが資本主義だ。会社経営とは正に資本主義を生きる上での一つのHow。

その資本主義のルールを知らずしてボードメンバーに加わると言うのはサッカーで言うとこのオフサイドも知らないのに前線に張り続ける馬鹿なフォワードと同じである。

本記事で細かい話をするとそれだけで終わってしまうので、詳しくは各自で調べて欲しい。わかりやすいのを下記に添付しておく。

要するにエクイティ知識のなかった僕は会社を追い出されることになった。株式というのは「お金を得る手段」という意味以外にも大事な「権利は誰のものか」という意味を含んでいる。

何も知らず前線に張っていた僕は気づかないうちに、オフサイドだった。

3)PMF達成前の無理な拡大はNG

これから世に出すプロダクトがマーケットにフィットしているかどうかを検証する一連の流れをPMFという。このPMFが達成されていない中で人員の拡大やオフィスの増床をするのは、非常に危ない。

そんなこと当たり前なのだが、PMFを達成した。と言う定義が曖昧なまま資金調達や拡大をするスタートアップは非常に多い。僕の周りでも同じ業界で7割の企業が無理な調達と拡大を繰り返し、1年も経たずと縮小。もしくは再起不能となっているケースを多く見てきた。

最近では大手企業に属しながら草起業して、PMF達成後に調達。その後本格的に移籍・起業すると言う動きが目立つ。あくまで現在勤めている企業との信頼関係が大事だと思うが、成功する方々は現職でも自身のプレゼンスを発揮している方が多い。起業する前にまずは今の持ち場での成果にコミットする。それが遠回りに見えて一番の近道になるのかもしれない。

必要最低限の機能を搭載したMVPで市場/顧客のペインを探り続ける。このペインの磨き込み深度=事業の成功度と比例すると言っても過言ではないと言える。

僕らは課題を磨き込み切れず、その結果「売上<調達」ベースの資金繰りとなり不健全な経営体質に陥ってしまった。にも関わらず人員を増加し開発スピードを上げるといった勝負をしたために、人員削減をしなければいけないという苦渋の選択を迫られた。そしてその対象を僕自らに置かなければならない状況となってしまった。

※賛否両論あるが「起業の科学」や「リーンスタートアップ」は読んでおくべきだ。要約している記事を添付しておく。

4)資金調達ベースでの経営はNG

前項で記載した通り、僕らはPMF達成をせずに調達を掛け続けていた。その総額約数億円。プロダクトが無い中どうやって調達したのかよく聞かれるが一言で言うと「CEOの人望」に尽きる。加えるとPRの上手さといったところか。

調達先は主に5つある。
1)VC 
2)事業会社 
3)エンジェル投資家 
4)銀行 
5)補助金 ※話が長くなるので今回は割愛

基本的に僕らはVC以外からの調達で1億円を手にした。VCは儲かる可能性が高い事業にしかお金を入れない。PMFを達成していない(見込みのない)僕らはVCから調達できなかった。

事業会社やエンジェル投資家に対しては正直そこまで事業理解がなくとも出資していただけるケースが多いが、CEOの力量(人望)に全てがかかっている。僕らの出資金はほぼ事業会社かエンジェル投資家の方々から得ていた。

銀行は現在儲かってるか、今後返せそうかでしかみないため健全な事業を行っていれば問題ない。(この場合はエクイティではなくデッドでの調達)

資金調達ニュースというのは一見華々しく見える。が、エクイティでの調達というのは「悪魔との契約」とも喩えられる。つまり必ず短期間で儲からなければいけないという事だ。会社を潰すなんてもってのほか。

そうなると調達金額だけでは生きていけない。売上を作るための事業がなければ資金はあっという間に底をついてしまう。いつ死ぬかの瀬戸際に居続けるのがスタートアップの生き様といっても過言では無いが、このやり方はリスクがあまりに高すぎる。

プロダクト開発以外に、資金の稼ぎ口が無いならば無理に起業する必要は無い。スピードが命とはいえ、勝算が全く無い中での勝負は無意味。勝てるプロダクトというのは何か?その判断軸として下記のブログが参考になる。SaaSメインの話だが使ってくれる顧客がいて、問題なく使えてるのか?ファンがいるのか?といった点は指標とすべき。

僕は市場の動きと自らの力を見誤った。スケールする可能性が極端に低く、収益化出来ていないにも関わらず、無理なアクセルを踏んでしまった。そしてその決断を僕自身がCOOとして止める事が出来なかった。

5)腹割って喧嘩できる関係性でない状態はNG

長々とNG要因を書いてきたが、これが最も重要なNG。1)〜4)までの要因すべては経営陣が腹割って喧嘩できる関係性であれば、正直防げたと思う。

自分が求められているバリューと、雇う側の期待値をしっかり擦り合わせ、互いにリスペクトし合いながら経営課題を解決していく。この一連の流れで誰かが変に気を使ったり、思ってもない事を言ってしまったりが起こると立ち待ち経営陣の関係性は悪化していく。

経営陣が悪化すると現場も働きづらくなる。プロダクト開発が進まなくなる。企業として成り立たなくなる。スタートアップだけでなく成熟した企業にもある事だが、人数が少ない中でこの現象が起きてしまうのは致命的だ。

特にCEO、COOと言った関係性の二人がこうなってしまうのは完全にアウト。互いの役割を明確化していないと起こってしまうため、適宜話し合う時間を設けるなどして常に更新していかなければならない。

あくまで対等に喧嘩し合えるほどの関係性かどうか。ジョインする前に確認する事をオススメしたい。「人生を掛けて成し遂げたいことは何なのか」まずはこの一点だけでも話し合うべき。ここからブレイクダウンして自分と合うのかどうか、5年・10年と連れ添えるかどうか判断するのをお勧めする。

お互い譲り合いの中で経営はできないんだと身を以て感じた。その思いやりは社員全員を不幸にしてしまうだけ。

終わりに

今回はサラッと要点を絞り5つのNG要因を挙げました。これ以外にも色々とあった訳ですが、全ては僕の能力不足でした。ただこの貴重な経験を経て、自分に足りない能力を炙り出せたのは本当に良かった。

正直めちゃくちゃ悔しい思いしたので、この経験を活かし5年以内にリベンジします。また、僕がなぜ立ち上げに関わることになったのか。これからどうしていくのか。の話はまた需要ありそうであれば書いていきます。

ちなみにこのスタートアップはまだ存在していて、必ず来る世界ではあるのでお互い持ち場で頑張っていきたいところです。

起業したい、事業立ち上げしたい方に何かしら価値を感じていただける情報発信していきますので、Twitterフォローいただけますと喜びます。記事に関する質問等はお気軽に!逆に欲しいです。今回初めてnote書いたので、こうして欲しいなど要望もいただけますと嬉しいです。

長々と読んでいただきありがとうございました。
引き続きよろしくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?