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雨の日だからこそ

雨の日で嫌なことといえば、髪型を台無しにされること。同感する人は結構多いと思う。

朝の貴重な時間を割いてヘアアイロンで一生懸命作り上げた髪型を、家から駅までのわずか10分程度で無かったものにされるのは、結構哀しい。というか、「無かったもの」どころか朝起きた直後の何もしていない髪よりもボリュームが減っているように見え、最早マイナスなのである。

結局、家から仕事場までの総歩行時間は30分にも満たないにもかかわらず、私の髪は雨(厳密には湿気)にけちょんけちょんにされ、ぺたんこの髪と共に一日を過ごす破目になる。

でも、それを除けば、雨の日はそんなに嫌じゃない。雨の日には心を豊かにしてくれることがいくつかある。The things that make me feel better on a rainy dayである。わざわざ英語で何故書いた?自慢か?と思ってしまったあなた。ちょっとひねくれ者ですね。私もそうです。

話を戻して、雨の日に感じる良いことといえば、空気が澄んで綺麗になったように感じること。別に可視化できる数値として空気の汚染度が低下することを期待しているわけではなく、水気をより孕んだ大気にしっとりと包まれるような感覚が好きという意味。

それに、雨によってみずみずしく、生き生きとしている動植物なんかを眺めることも楽しい。葉っぱに溜まった水玉は綺麗だし、普段は見かけないダンゴムシやミミズにも出くわすことができる(別に虫が好きというわけではない。これ大事)。何と言っても、いつもならただオソロシイとしか思わない蜘蛛の巣が、雨に濡れるとあんなに美しく見えるなんて、自然界の神秘だ。

それから、自分の生活に密着したことで良いことは、自分の差す傘で、世界がちょっぴりぼんやりと見えることだ。人混みが嫌いでなるべく人通りの少ない道をそそくさと通ろうとする自分にとって、顔を半分くらい隠せてしまう傘というツールは頼もしい。しかも、その半透明なビニール越しに見える視界が水玉で装飾され、おぼろげになっていると、心なしか安心してしまう。

うん、そう考えると、雨の日ってやっぱりそんなに嫌じゃないかも。

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雨の日をたのしく

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