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エンドラインからの景色 vol.32 2023-24 第1節 レバンガ北海道 vs 秋田ノーザンハピネッツ GAME2 レバンガ編 小野寺HC、デモン・ブルックス、トーマス・ウェルシュ 会見

 エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.31とvol.32では、2023-24シーズンのB.LEAGUE開幕戦、レバンガ北海道vs秋田ノーザンハピネッツのレバンガ編として、試合後の会見のやりとりを公開。GAME1の敗戦、そしてそこからレバンガ北海道がどのようにカムバックしたのかを写真と会見の言葉で振り返っていく。(写真・文 = 宮本將廣)

10月8日 vs 秋田ノーザンハピネッツ GAME2
79-70 WIN

試合終了後の小野寺ヘッドコーチ会見

宮本 (試合後の挨拶、会見の冒頭でウェルシュ選手に試合前、かなり強く話をしたことを受けて)個人的にウェルシュ選手は今シーズンのレバンガ北海道にとってかなり重要な選手だと思っています。今節であれば、ザック選手とのマッチアップで、秋田のマエストロであるザック選手のところをディナイしたり、ピックアンドロールのディフェンスポジションやプレッシャーの掛け方も、ウェルシュ選手がやるべきことをやってくれないとかなり厳しいのでは……と感じていました。昨日のパフォーマンスを含めて、彼には期待をしているからこそ厳しく言ったという感じですか?
小野寺 そうですね。その通りです。期待もしていますし、ディフェンスの遂行レベルだったり、コミュニケーションのレベルでも信頼のおける選手であることは間違いありません。そういう意味では昨日のゲームの入り、特に最初の5分間に関してはすごくレベルの低いパフォーマンスでした。求めているレベルに達していないプレーをしていたので、昨日は若干プランと違うことを取り入れたんです。今日のゲームに関してはもう一回最初のプランに立ち戻って、その遂行レベルを上げて行きましょうと伝えました。それを彼には強く伝えたんですけど、すごく真摯に受け止めてやろうとしてくれたので、今日の結果に繋がったと感じています。

宮本 彼のパフォーマンスはすごくいい連鎖を作り出したと感じています。今日はどの選手もすごくシームレスというか、オフェンスもディフェンスもやり切るべきところをしっかりとやり切れていた印象がありました。そのあたりは試合前に何か強調して伝えたところはあったんですか?
小野寺 そうですね。ひとつはトム(トーマス・ウェルシュ)の部分がやっぱり大きかったです。特にディフェンスの部分ですね。とにかくザック選手を抑えること。彼は昨日の試合でアシストマンにもなっていますし、秋田の起点のひとつです。僕はデストロイという言い方をするんですが、「彼(ザック選手)を潰して行きましょう」と。彼を絶対に経由させない。それはトムの仕事です。そういうシンプルな役割を設定して、各選手に伝えています。役割のフォーマットもチームの中であるんですが、選手の名前を書いて役割を書いて、とにかくこの試合に関してはこの役割を遂行してほしいと。役割という言い方だと優しいのかもしれないですね、試合前のミーティングでは「任務」と伝えています。「これがあなたの仕事です、これをやらなくてはいけない」と。多くの役割をこなすのではなく、すごくシンプルに徹底してほしいことを伝えています。寺園選手だったらディフェンスのインテンシティもそうですし、今日の試合であればニードスコアという言い方をするんですけど、2点でも3点でもフリースローでも構わないので、とにかくスコアをしてくれと伝えました。そういう意味で寺園選手も期待に応えてくれました。一方で松下選手や関野選手にはスコアを求めてはいません。もちろんスポットのシュートに関しては決め切って欲しいですが、彼らの任務はそれ以上に51番(古川選手)、5番(田口選手)。ここを潰しに行きましょうと。この辺りに関しては数字に出ない部分でもあり、ボールプッシュ、ルーズボールなどもそうですね。なかなか得点のようにフォーカスされない部分も僕は評価して行きたいと思っていて、ボックスアウト、コートでのトークもそうですね。それらの任務をしっかりと全員がやってくれたことが今日のゲームだったと思いますし、プランの変更ではなく、ベーシックなところをしっかりと精度高くやることが今日の結果に繋がったと考えています。
宮本 そういう意味では、今回はそれぞれの選手に秋田に合わせた任務があった。次は名古屋に対しての任務がそれぞれあるということですか?
小野寺 そうですね。任務 vs秋田だったり、名古屋だったり、三河。それは毎回、相手に合わせて若干変更して行きます。例えば、デモンの vs秋田であれば、オフェンスの任務はインサイドでのニードスコアでした。それが来週の名古屋さんでは違う部分に変わる可能性もあります。そういった対戦相手によるアジャストメントを各選手が理解して、毎試合しっかりと遂行して自分の役割、任務をこなす。こなすという言い方が正しいのかは分かりませんが、僕はある程度は機械的にやっていく必要があると考えています。もしもそのレベルが低いのであれば、コートに立つことは出来ない。厳しい言い方になるのかもしれないですが、遂行能力の高い選手がコートに立つことができる。それによってプロセスの質が上がって、結果につながると考えているので、名古屋戦に関してもそれぞれの役割、任務を徹底していきたいなと思っています。

デモン・ブルックス選手会見

宮本 昨日と今日のゲームを振り返ると、今日のゲームを勝利したポイントのひとつはブルックス選手のポストアップだったのと思います。クロケット選手のところをポストアタックして、そこにヘルプがくる。その時に昨日は少しボールを止め過ぎて、ダブルチームに引っかかってしまった印象がありました。今日はそこでうまくボールを展開できたり、アタックできたのはどういう意識の違いがあったんでしょうか?
ブルックス インサイドでのプレーは自分の長所だと思っています。大学時代も2回オールアメリカンに選ばれているのですが、それは自分の武器であるポストアップが評価されたことだと思っています。ポストアップゲームは自分の長所であり、相手が誰であろうがミスマッチだという認識でインサイドをアタックしています。昨日と今日の違いに関しては、昨日はインサイドでボールを持った時に少し考え過ぎたり、読みが先行してしまった。それがプレーを停滞させてしまいました。今日に関してはボールを持ったら、まずはアタックをしてそこから状況を見て次のプレーを選択していくことを意識しました。結果的にそれがすごくいいプレーに繋がったと感じています。

トーマス・ウェルシュ選手会見

宮本 ウェルシュ選手はUCLAからNBAにドラフトされた素晴らしいキャリアをお持ちです。日本ではB2の山形でリバウンド王を獲得して、北海道に来ました。まずはB1とB2の違いを伺ってみたいです。
ウェルシュ B1とB2の違いとしては、やはりB1の方がオフェンスもディフェンスもチームに特化しています。総合的にタレント性が高いので、1人、2人でオフェンスをすることはないですし、ディフェンスも同じです。しっかりとチームとしてオフェンス、ディフェンスをやっていくレベルの高さが大きな違いだと思います。
宮本 オフシーズンには、アメリカで群馬の菅原暉選手と富山の酒井達晶さんとワークアウトをされていましたけど、彼らからB1について何か話を聞いたりしたんですか?
ウェルシュ そうですね。オフシーズンは彼らと時間を共にしました。何か具体的なアドバイスがあったわけではないのですが、2人のようなレベルの高い選手とワークアウトやピックアップゲームをやれたことで、すごく楽しかったですし、自分としてもいい経験ができたと思っています。
宮本 今日はウェルシュ選手に対して、試合前に厳しめな指示があったようです。これからB1のハイレベルなチーム、ビッグマンと戦っていくためにはウェルシュ選手の力がかなり重要だと個人的に思っています。昨日からしっかりとアジャストして、結果を残したことはウェルシュ選手にとっても自信になりましたか?
ウェルシュ そうですね。このチームにおける自分の役割はディフェンスとリバウンドだと理解しています。逆にコーチ陣からもそれを自分が遂行できるという信頼をもらえているので、今日はその信頼に応えることができて嬉しく思っていますし、今後の自分の自信にしていきたいです。そして、今以上にチームメイトやコーチ陣の信頼を得られるようにやり続けていきたいと思いますし、それをやり続けることがチームの勝利にもつながると思うので、頑張っていきたいと思います。



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