エンドラインからの景色 vol.38 第3節 サンロッカーズ渋谷 vs 長崎ヴェルカ GAME2
エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.38では、B.LEAGUE第3節サンロッカーズ渋谷vs長崎ヴェルカのゲーム2をピックアップ。日本代表の戦いや元チームメイトのマッチアップにアリーナは歓喜した。最後に両チームのヘッドコーチ会見を掲載。（写真・文 = 宮本將廣）
長崎ヴェルカ 前田HC会見
宮本 特に前半はオフェンスをシームレスに展開して、アドバンテージを作って攻めることができていました。流れの中でガードにミスマッチがあればポストアップをしたり、バックダウンに持ち込んだり、相手のディフェンスがスイッチをすればそこをついたり。そのあたりは何か試合前に強調して選手たちに伝えたんですか？
前田 そうですね、どうやってアドバンテージを作るのか。そこは昨日の試合の反省を活かしてよりシンプルにしました。昨日に関しては1on1が増えてしまったので、今日はそこを減らしたいと考えました。そこを選手たちもコート上で理解してプレーしていたと感じています。もちろんこちらの指示もありましたけど、何よりも選手たち自身が察知してやってくれたところが大きかったと思います。
宮本 後半に追い上げられた場面がありましたが、前半にアドバンテージを攻めて試合の主導権を握れたことは、試合を優位に進めて、後半の追い上げにも冷静に対応することができた要素になったんでしょうか？
前田 そうですね。そこは選手に聞いてみたいなとわからないですけど、昨日よりも落ち着いてプレーができていたと僕も感じています。何をしたらいいのかをわかった状態でプレーができていたと思うので、そこが大きかったのかもしれないですね。
サンロッカーズ渋谷 ルカHC会見
宮本 チームとしてオフェンスもディフェンスも精度を高めていく必要がまだあるのかなと感じました。次の試合もすぐにやってくる中で、まず着手するべきポイントはどこだと捉えていますか？
ルカ 昨日の試合（ゲーム1）は高いレベルで試合を行うことができました。しかし、今日はそのレベルを落としてしまった。B.LEAGUEはバックトウバックがスタンダードなので、常に安定したレベルで試合をすることが最も必要だと考えています。そんな中、我々はシーズンのスタートから主力のビッグマンが怪我をしていなくなってしまいました。そういった状況で強豪名古屋さんにゲーム1を負けました。しかし、ゲーム2はよりタフに戦うことができました。昨シーズンの王者である琉球さんの時も同じでした。負けてはしまいましたが、強豪を相手にゲーム1よりもゲーム2はいいエネルギーで戦うことができた。しかし今回は今までとは違い、いい試合をしてゲーム1に勝利して、ゲーム2に負けてしまった。勝敗はもちろん大切ですが、それ以上に私たちは常によりよくなっていくために戦わなくてはいけないのだが、ゲーム2でエネルギーが落ちてしまった。そこが私としては許せない部分です。
宮本 昨日のよかったエネルギーを保てなかった要因はどこになるんでしょうか？ ルカコーチは日本で素晴らしい実績を残されているので理解されていると思いますし、先ほど言及もされていましたが、B.LEAGUEはバックトウバックという世界的にはあまりないリーグシステムの中で戦うことが求められます。長崎さんはゲーム1からゲーム2にアジャストしてきた印象がありました。その中で僕が思うルカコーチのバスケットボールは、おっしゃっていたように自分たちにフォーカスして常に精度を高めていく印象です。そのやり合いの中で、勝利を掴みきれなかったポイントはどこになるんでしょうか？
ルカ そうですね。2つの理由があると考えています。1つはあなたもおっしゃっていただいたようにバックトウバックの中でのフィジカルコンディションです。もう1つがメンタルコンディションになるのですが、そのフィジカルコンディションがメンタルにも繋がっていると考えています。昨日の試合は本当にタフな試合で勝ち切ることができました。もちろん疲労がある中で今日やるべきことは、もう一度勝利に向けていい準備をしなくてはいけない。しかし、昨日勝った満足感なのかわかりませんが、より良いメンタルを準備することができていなかったと感じています。今、このチームに必要なことはその2つをしっかりと準備することだと考えています。
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