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『ダブドリ Vol.2』 インタビュー02 生原秀将(リンク栃木ブレックス)

2018年3月15日刊行(現在も発売中)の『ダブドリ Vol.2』(ダブドリ:旧旺史社)より、生原秀将選手のインタビューの冒頭部分を無料公開いたします。なお、所属やクラブ・チームの名称等は刊行当時のものです。

大学バスケで輝かしい成績を残し強豪リンク栃木ブレックスでも活躍する生原選手に、バスケ好きアニメ監督の新海岳人氏がインタビュー。

栃木に入団した理由は、ナベさんや田臥さんと一緒にやってガードの技術を学びたかったから。でも試合に出たら欲が出るし、負けてられないなって。

新海 僕は新海岳人と申しまして、普段はアニメの監督をしてるんですね。ただバスケがすごく好きで、今日はその趣味が高じた形でインタビュアーをさせていただきます。よろしくお願いします。
生原 よろしくお願いします。
新海 特に大学バスケが好きで。生原さんの時代のリーグ戦もインカレもよく見に行っていました。
生原 ははは。ありがとうございます。
新海 ということで早速ですけども、昨年特別指定選手で入られて、実質プロ1.5年目という感じなんですけど、手ごたえはどうですか?
生原 そうですね。特別指定の半年は慣れることに精いっぱいで、あっという間にそのシーズンが終わっていた、みたいな感じでした。今はシーズンの最初からチームに関われたっていうのもあって、自分なりに通用している部分もあると思います。ただ、まだまだ足りてないなっていう部分も分かっているので、その出来てないところを出来るようにしていくことを、楽しみながらやっていますね。
新海 今年、出場時間もものすごく伸びてると思うんですけれども、特別指定のときに比べて、具体的に手応えを感じているところってどの辺りなんでしょう?
生原 ディフェンスの部分で、相手の嫌がることを出来ているのかなと思っています。プロ同士だったら普通にボールを運べるっていうシチュエーションで前から当たる人ってなかなかいないですが、そこを自分が積極的にやることでターンオーバーも何度か誘えているなと。オフェンスも、ピック&ロールも他の部分もどんどん質は高くなってると思います。まあ最初の頃は外国籍選手がいるっていうのが、難しかったですけど。大学バスケではなかなか外国籍選手はいないので……。
新海 そうですよね。
生原 そこに躊躇はあったんですけど、今はそういうのも慣れてきました。ただシュート率だったりその精度っていう部分では、田臥(勇太)さんはじめトップの選手には、まだまだ敵わないなって思います。
新海 今、田臥選手の名前が出ましたが、渡邉(裕規)さんが復帰されたというのもあって、田臥選手、渡邉選手、鵤(誠司)選手と、ポイントガードの層がものすごい厚いチームに所属されてると思うんですけども。
生原 そうですね(笑)。
新海 ポイントガードの中での競争もあると思いますが、その辺りどうですか?
生原 もちろん競争はありますし、それぞれの個性をうまく出して、その中で生きていかないと試合には出れないと思います。ただ、元々栃木に入団する一つの理由として、試合に出る・出ないというより、ナベさんや田臥さんと一緒にやってガードの技術を学びたいなっていうのがあって入って来ているんで。そういった意味では、その2人と鵤さん、3人のプレーを学びながらやっているっていう状況です。ただやっぱり試合に出たらもっと出たいっていう欲が出ますし、負けてられないなって。競争しながらやれていると思います。
新海 田臥選手っていう、それこそリーグの顔の選手と交代で出るわけじゃないですか。その点についてどう考えてます?
生原 最初の半年、特別指定選手期間の頃とかは「あ、田臥さんいるなあ」っていう感じで思ってて……。
新海 緊張してたんですね(笑)。
生原 今はもう、慣れてきちゃったっていうわけじゃないすけど(笑)。ただ5年後、10年後に今の自分を振り返ったときに、すごくいい経験出来てるって思います。今はしっかりと、色んな事を学びたいなって。
新海 スーパースターだから、そんなにフランクにはいけない感じなんですか?
生原 どうなんすかね。まあでも気さくに話しかけてくださるんで、ホテルでのご飯の時とかも普通に喋ったりはします。でもまあ神様なので(笑)。鵤さんと絡むような感じじゃいけない(笑)。
新海 はははは。鵤選手は1つ上でしたっけ。
生原 1つ上です。もう友達みたいな感じですね(笑)。
新海 先ほど練習を見させてもらいました。まあ普通に練習だと、ポイントガード同士でマッチアップされるわけじゃないですか。田臥選手にもガツガツ当たっていかなきゃいけない時は、どういう気持ちなのだろうと。
生原 ケガさせないように、ですね(笑)。
新海 ですよね(笑)。

JXの藤岡麻菜美さんに進路を相談したら「若いうちに代表の選手がたくさんいるチームで練習してたほうがいいよ」と。

新海 すみません不勉強で申し訳ないんですけど、先ほども栃木を選んだ理由として田臥選手や渡邉選手の話が出てましたが、これって色んなチームからオファーがあったらそこを選べるという感じなんでしょうか?
生原 そうですね。B.LEAGUEの場合は、声が掛かればそこから自分の好きなところを、条件だったりを考えて自分に合うチームを選ぶっていう形ですね。
新海 それは特別指定の時も、本入団のときも同じなんですか?
生原 そうです、はい。
新海 それでは幾つか誘いがあった中から、栃木を選んだという。
生原 はい。
新海 なるほど。その理由は、その田臥選手、渡邉選手っていうところ以外には、何かあったりしますか?
生原 実は他に、すぐにスタメンで出してあげるよっていうチームや、優勝争いするようなチームからもオファーはいただいていたんです。ただ、筑波大学の女子の1つ上の先輩で藤岡(麻菜美)さんっていうJXでプレーされている人がいるんですが、2、3チームで迷ってる時に進路を相談したら、「若いうちに代表の選手がたくさんいるチームで練習してたほうがいいよ」と。「もし代表に入りたいっていう目標があるのであれば、代表選手がいっぱいいるチームと普段から練習したら、自分のポジション以外の人も含めて、そこでのコミュニケーションや技術もたくさん学べるから」っていうふうに言ってくださって。そう考えた時に、田臥さんだったり、古川さん(孝敏。現・琉球ゴールデンキングス)だったり、(竹内)公輔さん、ナベさん、遠藤(祐亮)さんと、一番代表選手が多かったのが栃木だった。それがもう1つの決め手ではあります。
新海 B.LEAGUE1年目にいきなり優勝するようなメンバーですもんね。その中で今年、20分近いプレータイムがあるって、本当にすごいことだなと思います。大学とプロを経験してみて、一番の違いって何だと感じてますか?
生原 自分が鈍感なのか分からないですけど、大きな変化っていうのは正直あまり感じませんでした。筑波大のバスケットも本当に繊細で緻密で、フォーメーションやスクリーンの1つをとっても頭を使うので、そういった点では……ただやっぱりシュート確率やプレーの精度の高さは、プロと大学生は全然違いますね。
新海 B.LEAGUEに入って、ライアン・ロシター選手はじめ色んな外国人の選手と合わせることっていうのは、結構慣れが必要だったりするんでしょうか?
生原 そうですね、パスでいえば、最初は彼らがどのタイミングでボールが欲しいのかも分からないですし。筑波の場合は、フィニッシュの直前で渡すとか、ある程度早めにパスを出すところもあったんですけど、ブレックスの場合はポケットパスっていうか、スクリーンを使った後すぐにパスを出すイメージがすごくあります。それに自分でアタックするにしても、大学の頃はそのままレイアップにいけていたけど、プロではやっぱり高さのある外国人選手がいるからブロックもされるし、特にペイントエリア内に入っていけばいくほど、腕も引っ掛かるし体格の差が出てくる。そういうところは結構戸惑いはありました。
新海 慣れてきた感じですか。
生原 はい。ようやく慣れてきてはいると思います。
新海 さて、話が少し変わるんですけれども、プロになってからの余暇の過ごし方とか、バスケだけに限らず、どういう生活を日々送ってるのでしょう?
生原 特に何もしないというか、本当にインドアなので、読書やビデオ、バスケット以外のことで過ごすことが多いですね。バスケットのことをあんまり考えないようにしています。もし外に出るとしたら、温泉、あと服買いに行ったりするのが好きなので、そういったところですかね。本当しょうもないっすね(笑)。
新海 いやしょうもなくないっす、そういう質問ですから(笑)。先ほど練習見させていただいたんすけど、練習って毎日大体どれぐらいされるものなんですか?
生原 1時間30~40分くらいすかね。
新海 あ、そんなもんなんですか。それ以外の時間っていうのは、ミーティングだったりスカウティングだったり?
生原 木曜日とか金曜日は練習前に30分くらい、相手のビデオを見ます。その後、実際動いて1時間半ぐらい練習をやる。チームで動くのはそのミーティングと練習の2時間ちょっとぐらいですかね。そのほか、自主練は各自でって形です。人によっては午前、午後でウエートしたりとか。
新海 時間の使い方っていうのが、各自に関わってくる感じなんですね。
生原 僕は基本寝てますけど(笑)。
新海 はははは。

生原締め用

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この後も、筑波大学時代のチームのことや他ではあまり出ていない渡邊雄太選手とのエピソード、そして「バケモン」だと思う選手などたっぷり語ってくださっています。続きは本書をご覧ください。

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