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『ダブドリ Vol.4』 インタビュー02 長谷川智也(サンロッカーズ渋谷)

2018年9月29日刊行(現在も発売中)の『ダブドリ Vol.4』(ダブドリ:旧旺史社)より、長谷川智也選手のインタビューの冒頭部分を無料公開いたします。なお、所属等は刊行当時のものです。

サンロッカーズ渋谷(刊行当時)の長谷川智也選手に麒麟・田村裕さんがインタビュー。プライベートなことから「成り上がりナンバーワン」のこれまでを掘り下げます。


結婚を後押ししてくれたのは、同僚だった高橋マイケルの一言でした。おまえ、結婚しないのかよって。

田村 髪型! なんで坊主にしたの?
長谷川 (ベンドラメ)礼生と揃えました。
田村 ええ? また近いところいったな(笑)。
長谷川 冗談です(笑)。元々、外国人への憧れがあったんですよ。ジャスティン・ティンバーレイクとか好きで。なんで坊主頭でこんな格好いいんだろう、って。で、奥さんと話してたら、「私、坊主超好きだよ」って言われて。
田村 おお、奥さんからも後押しが。
長谷川 でも外国人にはなれなかったな(笑)。
田村 その奥さん。色々聞きたいけど、まずは時事ネタやね。結婚おめでとうございます!
長谷川 ハハハ、ありがとうございます。
田村 馴れ初めをお聞きしたいんですけど。
長谷川 はい。実は、出会ったのが1年半ぐらい前なんですよね。
田村 あっ、そんなスピード婚やったんや。
長谷川 ザ・スピード婚です。最初は東京で、友達の紹介で出会いました。当初は本人は来ない予定だったんですけど、スケジュールが空いたから来るという。来てみたら思いっきり僕のタイプで。目がハートになりましたね。
田村 もう、一撃やったと。
長谷川 一撃っす。早速、連絡先交換して。試合を観に来てくださいって誘ったんです。
田村 来てくれた?
長谷川 お母さんと一緒に見に来てくれました。めっちゃ気合入ってチームで一番点数を取りました。誰かがケガしていたのかな。
田村 当時はシーホース(三河)ね。
長谷川 はい。自分にもたくさんチャンスが回ってきて、活躍し、試合にも勝てた。そこからちょくちょくご飯食べに行ったりしてたら付き合うことになり、結婚までトントン拍子に。
田村 結婚ってアスリートには大事なことだと思うんですけど、結婚しようと思った理由は?
長谷川 僕は元々女性と付き合う時は、いつも結婚を視野に入れてたんです。今回も、年も年だし、周りで結婚している人も多くなっていくこともあり、最初から考えていました。ただ一方で、さすがに付き合ってすぐだなという気持ちもあった。その時に背中を押してくれたのが、三河で同僚だった高橋マイケルなんです。どこかの試合の帰りにタクシーで、「おまえ結婚しないのかよ。俺は今の奥さんと5カ月で結婚したぞ」って言い出した。「めちゃめちゃ早いじゃん」って言ったら、「早さとか関係ない。好きだったら結婚すればいいんだよ。俺は今こんなにも素敵な家庭を築けているんだから」って言ってきて。思わず、「わかりました先輩! ついていきます!」みたいな。
田村 ハハハハ。かなりの後押しになったと。
長谷川 本当にそうです。このエピソードは結婚式でも言いました。あの一言が、僕の迷っていた気持ちを押してくれた。
田村 マイケル、すごいね。
長谷川 マイケルには感謝していますし、すごくいい言葉、もらったなと思ってます。
田村 プロポーズはどういうふうに? 服とかもお洒落やし、結構手が込んでそうよね。
長谷川 付き合って7カ月ぐらいのときに。外国の人って、指輪をあらかじめ買っておいて、女の子の前で膝を付いてパカッてやるじゃないですか。いろいろ話を聞いたら、これをやられると嬉しいってことを聞いていたんですね。
田村 調べてたんやね。
長谷川 で、一緒にディズニーランドに行ったときにやることに決めたんです。
田村 (ディズニーの)中で?
長谷川 いや、中じゃないです。人が多いところでは嫌だったんで、2人っきりの時に。
田村 ほうほう。
長谷川 遊んで、じゃあ帰ろっかあ、という流れになった。でももう少し時間あるから、ちょっと外へ行こうって連れ出したんです。ディズニーの周りに、歩ける所があるじゃないですか。
田村 あるある、散歩道というかね。
長谷川 そうそう。行ったことなかったんですけど、多分景色がいいだろうと思って。で、行ったらなかなか入れず。どこから入るのかな、って結構歩き回ることになっちゃって。
田村 ハハハ。そこまでは調べてなかったんや。
長谷川 そうなんです。
田村 段取りがいいのか悪いのか。
長谷川 まだ行くの? どこまで? ってなっちゃって。普段は疲れたら帰ろうみたいになるから、ヤバイなと思ってたら、ようやく入り口を見つけた。そしてそこにあった、階段状の椅子に座ったんです。
田村 いいね、川……海沿いかな、あそこ。
長谷川 座って。超、緊張しましたよ。
田村 ドキドキするよな、それは。
長谷川 で、座っているところから立ち上がって、こう……(実演を始める)。
田村 ハハハハハハ。コントが始まった。
長谷川 こんな感じで(階段の段差を利用してハムストリングのストレッチをする)。
田村 いや、おかしい。様子がおかしい。
長谷川 あー、疲れたー、ちょっと足が疲れちゃったなー(と、段差を使ってストレッチする)。
田村 何、この状況(笑)。
長谷川 向こうも「大丈夫?」みたいな。
田村 何これ? って感じよな。
長谷川 で、ここから、パカン(ストレッチの姿勢からひざまずいて指輪の箱を開ける)。
田村 マジで? うーわー、洒落てんな!
長谷川 でも僕、指輪を開けたことなくて。パカッと開けたら、指輪の台座が上で、指輪が下を向いてたんです。逆だったんですね(笑)。
田村 コウモリみたいになってたんや。
長谷川 そうそう。あっ、やばいってひっくり返して。で、「結婚してください」。
田村 そしたら。
長谷川 めっちゃ泣きながら、ありがたくお願いします、と。
田村 いい話やねえ。どう、結婚してみて。
長谷川 結婚前から一緒に住んでいたんで、何か変わったというのはないですね。その前からご飯とか色々サポートしてもらっていたし。
田村 アスリートが奥さんに求めるものって何? 必要不可欠な要素は?
長谷川 やっぱご飯ですね。僕、1人だったらコンビニとか行っちゃうんです。でも、練習が終わった後のリカバリーの弁当も持たせてくれたり、時間ないときはおにぎりがポンと置いてある。ちゃんとした栄養があるご飯を食べられるのは感謝していますし、大事ですよね。
田村 へー。彼女自身もお仕事をやりながら、それだけのサポートを。
長谷川 そうですね。自分より自分のことを考えてくれてる人だなと。
田村 素晴らしいね。うちの嫁に聞かせたい。
長谷川 ハハハハハ。

クレイ・トンプソンのすごいところは、トップスピードで来ている中で、必ずシュートを打つスタンスになるよう足を持ってきていること。

田村 では時事ネタをもう一つ。最近、NBAの解説デビューをされました。
長谷川 そうなんです、念願叶いました。
田村 どうでしたか、やってみて。
長谷川 いやー、楽しかったです。まず僕、本当にNBAが好きなんですよ。はっきり言って、今までの解説者にも負けないくらいだと思ってます。90年代からずっと見てますから。
田村 引き出しの数が違うぞと。しゃべりたいことはしゃべれましたか。
長谷川 難しいですね。グイグイいきたいって思うけど、隣に佐々木クリスさんとかいて、解説の方がいて、いけないでしょう、普通。
田村 ハハハハハ、そこはいってよ(笑)。
長谷川 特にクリスさんを挟むとやっぱ……あの人すごいじゃないですか。もう、**が何%でとか、数字出して言われたら……「これ無理だな。パーセンテージまで分からない」って。
田村 ずっと90年代から見てんねやろ。独自のプロの、Bリーガーの観点から。
長谷川 一番嫌いなところです。数字。
田村 そこんとこ乗り越えてほしかったけど。
長谷川 ですよねえ。だからか、まだ2回目のオファーが来てないんですよ。球団にもシャットアウトされてて(広報を見る)。
広報・西氏 シャットアウトしてないよ。
田村 人のせいにするな(笑)。まあ、でも今後またあると思いますから。ところでNBAで好きな選手はいるんですか。
長谷川 僕、シューターなんで、本当にベタなところで言うとクレイ・トンプソンですね。ドリブルとか全然使わないで、パッとシュートにいけるのはすごいなと思います。
田村 プロの目から見てもすごいんや。自分のプレーにも参考にしているんですか。
長谷川 やっぱクイックリリースとか、あとはボールをもらう前の動きですね。
田村 どういう動きしているの、トンプソンは。
長谷川 どれだけボールを持っていないところでフリーになるか、という動きを常に考えている気がしますね。スクリーナーもやっぱあいつをフリーにさせてやるという気持ちがあるから、最終的にシュートが打てるようになっているんですけど。彼のすごいところは、トップスピードで来ている中で、必ずシュートを打つスタンスになるよう足を持ってきているんですよ。バーッと走ってからの、ストップの足が重要。レイ・アレンもそうですけど。
田村 ボールをもらってからじゃないのや。もらう前の準備がすごい。
長谷川 はい。レイ・アレンだって、ハードに守られてるときに、スクリーン使ってなおかつ自分でディフェンスを腕で押してシュート打つスペース作ってるんすよ。絶対ファウルやなと思うんですけど、すげえな、と。
田村 貪欲さがね。それは自分でも参考にしてるの?
長谷川 取り入れていますね。たまにオフェンスチャージングを取られちゃいますけど、そのぐらいの気持ちでやらなきゃいけないと思っているので。

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この後も、大塚商会アルファーズでのリーマンボーラー時代やシーホース三河でのステップアップについて語ってくださっています。続きは本書をご覧ください。

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