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『ダブドリ Vol.12』インタビュー04 山崎稜 & 酒井達晶(群馬クレインサンダーズ)

2021年10月8日刊行の『ダブドリ Vol.12』(株式会社ダブドリ)より、山崎稜選手と酒井達晶AC兼DCのインタビューの冒頭部分を無料公開いたします。インタビュアーはバスケライター・翻訳家の大西玲央氏。

漫画家の井上雄彦先生の「バスケに恩返しがしたい」という志から生まれた、有望な選手を1年間アメリカのプレップスクールに送り込むスラムダンク奨学金。その4期生である山崎稜選手の所属する群馬クレインサンダーズに9期生の酒井達晶選手がアシスタントコーチ兼デペロップメントコーチとして加入。それぞれの奨学生時代の話や、一緒になったことで群馬でできることについて語ってもらった。(取材日:7月12日)

玲央 今日はスラムダンク奨学生対談ということで。最初にちょっと、お互いを紹介してもらっても良いですか?
山崎 お先にどうぞ。
酒井 稜さんを最初に見た時は本当にシュートが上手で、3ポイントシューターという感じでした。奨学生は日本に帰ってくる選手もいたんですけど、稜さんはコミュニティカレッジに行って、そこでも活躍して、栃木での活躍もすごいなと思いながら見ていました。スラムダンク奨学生の中でも早くに帰ってきてすぐに活躍してるイメージがあります。今こうやって群馬で、自分はコーチみたいな立場になっているんですけど、ワンドリブルでステップバックなど技が増えていて、やっぱりすごいなと思いました。B1で活躍して、群馬に来て。そこでもやっぱりすぐに勝ってまた上がってきたチームの主力としてやっている。今は本当に、コーチとしては……なんかあれですね、立場が分かんないですね(笑)。
玲央 まだコーチという立場に慣れてない感じがすごい(笑)。
酒井 そうですね。自分もまだ今後選手としてやっていきたいというのもあるので(※酒井ACは3月にアキレス腱を断裂し、選手としての活動は休止中)チームメイトとして見ている感覚もあるし、コーチとして見る部分もあると思うんですけど、チームの主軸になっていく選手だなと強く思いました。
山崎 ありがとう(笑)。僕が彼を最初に知ったのは、やっぱりスラムダンク奨学金の候補生と発表されてからなんです。毎年誰が選ばれるかっていうのはすごく気になって……。
玲央 あ、そうなんですね。
山崎 毎年チェックしていますね。最初はどういう選手かっていうのも分からなかったんですけど、向こうでやってる映像だとかはSNSで出てたりするんで、そういうのを見て、ガードとしてシュートもあるし自分でクリエイトしていくこともできていたんで……。
酒井 そんなに見ててくれたんですね。
山崎 見てた見てた。そういうのを見て大学で活躍してるっていうのも知ってたんで、いい経験になってるし、それが成功してるなって思っていました。SNSとかもすごく活発に活動してるよね。
酒井 意外と確認してくれているんですね。
山崎 彼の方から「こういうことやるので拡散してくださいよ」みたいに持ちかけられたりもしましたね。
酒井 言いましたね(笑)。
山崎 それでなんかすごく面白いやつだなと思って。
玲央 それは、丁重に断ったんですか?
山崎 いや、一応その時は良いよと言って、その後は忘れちゃってなんもしてなかったと思います(笑)。
酒井 そうですよ。その時は自分的には、「やべ、やらかしたかな」って心配してました。
山崎 全然。特に気にしてなかったんだけど、ただ忘れただけ。バスケットを広めようと、自分の思い、意思で活動してるっていうのは自分が学ばされるところもあります。更に色んなスキル系のワークアウトとかもやって帰ってきているので、今一緒のチームになって、色んなことをしてもらおうと思っていて、楽しみですね。

スラムダンク奨学生として歩んできた者同士、楽しみな思いがすごくある。(山崎)

玲央 コーチが発表されて最初びっくりしました?
山崎 発表される2日前ぐらいに直接電話がきて「そういう話があります」っていう感じで聞いてたので「そうなんだ」ぐらいに思ってたんです。その後、うちのGMとも話して、多分もう契約すると思うってことで、「お、本当に来たな」と思って。一緒にやれるっていうのは、同じ、スラムダンク奨学生として歩んできた者同士、頼もしい部分もありますし、楽しみな思いもすごくあるんで、非常に良かったなと思います。
酒井 めちゃくちゃ嬉しいじゃないですか。
玲央 (笑)。ということは群馬に来る前から、元々面識はあったのですか?
山崎 そうですね。毎年オフシーズンに奨学金のスタッフと井上さんと、今までの奨学生が集まって食事会が開かれてるんです。ここ2年ぐらいはコロナの影響でやってないんですけど、以前の食事会で2回ぐらい会ってます。
酒井 1回目の時はそんなに話さなかったですよね。2回目でちょっとだけ。でもコロナ禍になって自分から連絡させてもらって、B.LEAGUEに自分も行こうと思っていたんで、そこですごく話を聞いてもらったりしてました。
玲央 酒井くんはアグレッシブだよね、そういうところ。
酒井 そうですね。
玲央 コミュニケーションお化け。一方で山崎選手はマイペースなイメージ。
山崎 僕はそうですね。自分からはそういうのは全然ないですね。
玲央 食事会では、井上先生が結構、喋っている感じなんですか。
山崎 選手の愚痴が多くない?
酒井 (笑)。
山崎 選手の愚痴だとか「こういうのちょっと納得いかないんですよ」みたいなのを井上先生に聞いてもらって。で、先生が笑ってる、みたいな(笑)。
酒井 井上先生は、バスケットボールの発信を多くされていて、B.LEAGUEの人とも話してるから「言っとくわ」と言ってくれて。どこまで言うのか分からないですけど。
玲央 じゃあ事務局もそういうのを聞いて今後の参考にしていこうみたいな。
山崎 そうですね。
酒井 あとはこれまでの奨学生も来るので、僕の時は4期生の稜さんや2期生の人たちが来た時に、それぞれの経験の差とかも話したりしました。
玲央 そういう縦の繋がり、結構強いんですか。
山崎 気にしてる人は結構、気にしてると思いますね。僕とかも、B1にいたときは毎回、並里成さんに挨拶に行かせてもらっていました。
玲央 ああ、やっぱり並里選手が大ボスなんですか。
山崎 いやもう、あそこはもう……。
酒井 重鎮ですね。
山崎 なんかもう、何だろう、神みたいな(笑)。神々しい存在ですね。
酒井 その次に来るのが、稜さんですよ。だからこそ、一緒にやりたいと思ったんです。みんなB2とかでくすぶってる感じもあったじゃないですか。その中でB1でバンッて出て、B2に行ってもこうやって未来を考えていて、自分もそうなりたいなと思ってたんです。今回こうやって本当に一緒になったのは、何かの縁だなって思いましたね。
玲央 後輩がコーチとして入ってきたというのは不思議な感覚だと思うんですが、見ていてもまだお互い、慣れてなさそうですよね。さっきもね、ワークアウトしながら酒井くんが、「あの、稜さんって呼んでいいですか?」って。
酒井 アハハ、そうなんです(笑)。
山崎 距離感がまだ分かってないんだと思います。僕はもう全然ウェルカム。
酒井 もう、グイグイいきますよ。
山崎 これから、そうですね、ご飯とか一緒に行ったりして。
酒井 よっしゃ!

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このあとも、他の期間の奨学生とのつながりや群馬の「変化」を語っていただいています。続きは本書をご覧ください。

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