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エンドラインからの景色 vol.45 B.LEAGUE 第20節 サンロッカーズ渋谷vs富山グラウジーズ

エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.45では、1月31日に行われたB.LEAGUE 第20節 サンロッカーズ渋谷 vs 富山グラウジーズ。最後にサンロッカーズ渋谷の津屋選手、両チームヘッドコーチの会見のやりとりも掲載。(写真・文 = 宮本將廣)

富山グラウジーズ 庄司HC会見

宮本 このゲームのポイントになったのは、2クォーターの最後に渋谷さんに連続でスリーポイントを決められたところだったと思います。その中でもアキ・チェンバース選手に決められたコーナースリーは富山さんにとってやられてはいけないショットでしたし、そこまですごくよかったディフェンスに少しトラブルがありましたよね。(2クォーター残り1分5秒)
庄司 そうですね。あのシーンはオンボールスクリーンをスイッチした後のトリプルスイッチの場面でした。こちらにもトラブルがありましたし、渋谷さんもカウンターを狙っている感じでしたが、やられてはいけないショットでしたね。
宮本 あれが前半の終盤だったので、それも踏まえて後半に向けた指示をされたと思いますが、後半はなかなかいい入りができなかったように感じました。
庄司 ハーフタイムに修正を入れたのですが、渋谷さんがまた違うところで攻めてきたので、アジャスト能力が渋谷さんの方が高かったなと感じています。あとはターンオーバーからの失点ですね。29ポイントぐらいやられてしまいましたけど、そこがこれまでもそうですしたし、これからも課題かなと感じています。
宮本 ここから勝利を1つでも多く重ねていくためには、ターンオーバーを減らすこと。そしてこういういいゲームができることは証明できているので、勝ち切ることが大事になると思いますが……。
庄司 本当におっしゃる通りだと思います。その中で渋谷さんを70点に抑えることができました。最後のファウルゲームがなければ60点台のゲームだったことは評価できます。反面、うちのスコアが止まってしまったところはやっぱりターンオーバーであり、シュート回数の少なさでもありますので、まずはシュートで終わるということ。それは試合前にも伝えていたのですが、この試合ではやりきれなかったことが悔やまれますね。次に向けて修正していきたいと思います。

サンロッカーズ渋谷 ルカHC会見

宮本 この試合、ホーキンソン選手がいない。相手にはガトソン選手がいるというところで、マッチアップの段階でミスマッチが絶対に起こるという状況でした。どのようにゲームプランを描いていたのでしょうか?
ルカ 富山さんとはすでに試合をさせてもらったのですが、30点差をつけられて負けた試合もありました。彼らはいくつかのラインナップを持っていて、どのラインナップもすごく強力です。ブバ選手、ミラー選手の4番、5番の組み合わせはとても危ない存在であり、ガトソン選手が出てくる時は小野選手、ブバ選手というラインナップになります。ガトソン選手に関してはポイントガードのような働きもできて、彼がコートにいる時は上田選手、水戸選手などのシューター陣、アタックの力に長けたマーフィー選手、高橋選手。そして高さもあり総合力のある小野選手が絡んできます。ガトソン選手がパワーフォワードに入れば、ブバ選手かミラー選手が5番に入る。富山さんは本当にさまざまなラインナップがあり、どれも強力です。渋谷としては、アンソニー選手を使いたい場合は、ホーキンソン選手がいないので、永吉選手の負担が大きくなってしまう。ですから場面によっては津屋選手を4番で起用せざる得ない状況でした。その中で、うちの原則としてはブバ選手を1人で頑張って守ること。ジェフ選手が何度かやられたかもしれませんが、1人で頑張る、簡単にはやらせないということを伝えました。永吉選手が出場した場合は、ミラー選手がマッチアップになる可能性があるのですが、そこは正直ミラー選手にちょっとだけ部があるので、極力マッチアップを避けたかった。ですから小野選手がいる場合は、永吉選手は小野選手にマッチアップさせる。ミラー選手やブバ選手につく場合は頑張ってもらいながら、どこかのタイミングでトラップに行くというやり方を選びました。ガトソン選手に関しては、今日はガードとして扱おうと伝えました。ですからビッグマンをつけるのではなく、田中選手と津屋選手をガトソン選手にマッチアップさせたんです。結果的にこの2人がすごくいいディフェンスをしてくれたことは、この試合に勝利できた大きな要因だったと思います。他のガード陣で気をつけなくてはいけないのは、上田選手のシュート力、最近調子のいいマーフィー選手。そのバックアップには経験のある水戸選手。宇都選手はサイズもありアタックができる。その強みをしっかりと消していこうという話をしましたし、ガトソン選手を抑えれたことで、彼らに必要以上にやられなかった。富山さんはなかなか勝利できていないですが、本当に素晴らしいチームです。ホーキンソン選手がいない中で非常に難しいゲームでしたが、選手たちがしっかりと状況と相手を理解して試合を進めてくれたことが勝利と掴むことができた大きな要因だと考えています。

サンロッカーズ渋谷 津屋選手会見

宮本 交代からエナジーを出していたと思うんですが、やはり途中から出てディフェンスをトーンセットしないといけなかったのはなかなか難しかったのかなと感じました。ディフェンスのトーンがより早くコートに浸透すれば、もう少し早く渋谷の流れを作れたのかなと感じたのですが、スタートがトーンを作れなかった理由だったり、津屋選手がコートに入って意識したことはありましたか?
津屋 そうですね。いろんな要因はあるんですけど、ディフェンス以上にオフェンスの終わり方が良くなかったことが大きかったと思います。1クォーターはオフェンスの終わり方が良くなかったので、相手にトランジションから得点されることが多かったと思います。富山さんは1on1が強い選手がたくさんいるので、ウォールというディフェンスを採用したのですが、(ボールマンの隣の選手も少しよりながらっていうディフェンス)、最初はそこがあまりできていませんでした。ベンチからそこをうまく調整することができたのかなとは感じています。
宮本 僕もそれを変えたのが津屋選手だと思いますし、そこに他の選手が連動していったというか。2人目、3人目と徐々にインテンシティが上がった印象があったんですけど、津屋選手自身はコートでプレーしていて、「ハマり出したな」っていう感覚はどの辺りでありましたか?
津屋 そうですね。コミュニケーションもとりながらですけど、そもそも僕らは、「こうなったらこう、こうなったらこう」というチームルールが決まっています。それをそれぞれが遂行していくことが大切で、コートに出たらそれを実行してソリッドに守る。どこっていうシーンはあまりないですが、練習でやってきたことが徐々にコートで表現できたっていうところだと思いますね。
宮本 なるほど。オフェンスについても伺いたいのですが、富山さんがはっきりとスイッチしてきて強度も高かったと思います。今のディフェンスのお話と同様で渋谷さんはスイッチをしてきたら、こう攻めるっていうのがあると思うんですけど。
津屋 そうですね。富山さんのスイッチに関しては想定内だったので、コーチの指示をしっかりと遂行できたと思います。おっしゃってもらった通り、こう攻めるというやり方があるので、試合を追うごとにそれをしっかりと遂行できたのでよかったと思います。

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