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エンドラインからの景色 vol.31 2023-24 第1節 レバンガ北海道 vs 秋田ノーザンハピネッツ GAME1 レバンガ編 小野寺HC、寺園脩斗、島谷怜 会見

 エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.31とvol.32では、2023-24シーズンのB.LEAGUE開幕戦、レバンガ北海道vs秋田ノーザンハピネッツのレバンガ編として、試合後の会見のやりとりを公開。GAME1の敗戦、そしてそこからレバンガ北海道がどのようにカムバックしたのかを写真と会見の言葉で振り返っていく。(写真・文 = 宮本將廣)

10月7日 vs 秋田ノーザンハピネッツ GAME1
59-69 LOSE

試合終了後の小野寺ヘッドコーチ会見

宮本 試合開始から一気に秋田に流れを持っていかれて、0-11でタイムアウトを取りました。そこの指示に関しては、古川選手へのディフェンスの確認で大丈夫ですか?
小野寺 はい、そうですね。正直、タイムアウトが遅かったと思っています。もう一個早く取るべきでした。想定していた以上に古川選手メインのオフェンスがファーストオプションで彼自身もアグレッシブに来たので、僕がもう少し早くアジャストすべきだったと感じています。他の部分では、古川選手とザック選手のハンドオフアクションを非常に警戒して準備もしてきたんですが、準備してきたディフェンスをしっかりと遂行することができませんでした。ただ最初の5分間以降では、古川選手、田口選手へのアジャスト、遂行レベルはある程度の評価できると思っています。もちろん彼らは素晴らしい選手なので、僕らが想定していたものを上回って決めてきたシュートもありました。そこに関しては許容範囲内なので、最初の5分以外ではすごくいい形で自分たちのディフェンスパフォーマンスを発揮できたと思っています。
宮本 僕も0-8のタイミングでタイムアウトを取るのかなと思いましたし、ヘッドコーチもタイムアウトを請求しかけていたように見えました。結局取ったのは0-11のところで、あの古川選手のスリーポイントを決め切る力も正直想定外というか。それによってタイムアウトが遅くなったという事実はあると思うのですが、ディフェンスの停滞とともに、オフェンスも秋田さんがサイドチェンジをさせないようにピックのところではショーハードのような形で出てきて、流れを止められました。そこに関しては天皇杯を見ていてもわかっていたはずなので、準備はされていたと思いますが、最初の5分のオフェンスも遂行レベルがイマイチだったのはディフェンスの影響があったんでしょうか。
小野寺 それはあったと感じています。最初のタイムアウトでオフェンスについても指示を出しました。ただ秋田さんのディフェンス自体は、僕たちが想定していたものと大きなズレはなかった。例えば、ポイントガードがディナイされる。そのディナイに対するカウンターをどうするのか。ピックアンドロールが無効化される。そのカウンターはどうするのか。それらは準備してきましたが、前半はスムーズに行えませんでした。僕らのオフェンスはピックアンドロールを使ってからのサイドチェンジだったり、ウィークサイドを狙っていくことをコンセプトのひとつとしていますが、今話したような秋田さんのディフェンスで、僕らのオフェンスが停滞するポイントがあることもみんな理解していました。そこをもう一度確認して、明日は新しいプレーを用意するのではなく、そこの対するカウンターをしっかりと遂行して秋田さんを攻めていくことができるようにしたいと思います。

宮本 オフェンスでは、ディフェンスを崩し切ってグッドショット、グレイトショットを狙って行きたいと考えていると思います。だからこそアップ中も松下選手や関野選手はかなりコーナーショットを確認している。ただ、今日のゲームですごく気になったのが、意図的にディレイゲームをする中で、エントリーのスピードまで停滞してしまった印象がありました。エントリーがスムーズにできれば、秋田さんがディフェンスをセットする前に何かしらのアドバンテージがある状態でピックアンドロールゲームに入ることができると思うのですが、ヘッドコーチとしてはどうお考えですか?
小野寺 そうですね。そこはおっしゃる通りで、僕も改善点として挙げています。プレシーズンでスローダウンするゲームをいくつかサンプルとして試していたんですけど、いざシーズンに入って勝利を目指していくとなると、ペースを上げていく時間帯は絶対に必要になります。ただ闇雲にペースを上げるのではなくて、ディフェンスリバウンドを取った後、アウトレットパスを探す時間などをもう少しテンポ良く行う必要があると思います。リバウンドを取ってからの8秒間は非常に重要で、エントリーが遅くなることは自分たちのオフェンスの脅威を減らしてしまうひとつ要因として考えています。今日のゲームも秋田さんのプレッシャーディフェンスがセットアップされた状態で自分たちがエントリーしてしまった。ディフェンスリバウンドに関してはある程度コントロールが出来ていたので、そこから自分たちのオフェンスに繋げる最初のアクションをより精度を上げていく必要があると感じています。そういう意味で、今日のゲームはターンオーバーから15失点してしまいました。本来、僕たちが奪われるべきではないポイントを秋田さんに与えてしまいましたし、オフェンスのエントリーがよくなかったことで、オフェンスのエンディング、ショットパーセンテージやオーバータイムなどを含めたターンオーバーにも繋がってしまった部分があると思うので、そこは改善していきたいですね。

寺園脩斗会見

宮本 ヘッドコーチから役割が与えられている(前の記者の質問で寺園選手が回答)とのことで、開幕ゲームだったなど色々要因があると思いますが、スターティングガードとしてゲームのトーンを作り切れなかったことは事実だと思います。その中で自身の役割を遂行しようとしすぎて、プレーが消極的になってしまったように見えたのですが、そのあたりはどうでしょうか?
寺園 消極的に? それはないですね!
宮本 もうちょっとペイントタッチをしていくべきだったなとかも?
寺園 いや、あんまりないですね。今年のチームスタイルとしてもペイントに向かっていくようなスタイルではないので、そこは別に消極的になってしまったという感じはないです。
宮本 では、シンプルに秋田が北海道に対する準備をしっかりとしてきて、(オフェンスで)逆サイドに飛ばしたいところが切られてしまった感じですか?
寺園 そうですね。やっぱり秋田さんのプレッシャーに負けて、ピックアンドロールを使いたいところではない場所に押し上げられてしまいました。高い位置でピックアンドロールをさせられて、そこからシュートが打てない位置でピックアンドロールをするから、アンダーで簡単に対応されてしまいました。まずは秋田のプレッシャーに負けないようにもらうべきところでボールをもらう。サイドピックだったら、しっかりとスリーポイントライン付近。常にシュートを狙えるエリアでボールをもらうことが、僕たちのオフェンスを遂行する上では重要なことだと思っています。
宮本 そういう意味では、秋田さんはすごく強度の高いディフェンスをするクラブなので、初戦で秋田さんと対戦できたことはポジティブというか。この強度を超えていくオフェンスを組み立てていくことがひとつの基準になったと思うんですけど、ここからどうしていくべきか。寺園選手の考えだったり、選手間で話したことはありますか?
寺園 そうですね。僕らのオフェンスシステムはひとつのスクリーンをしっかりとかけて、ズレを少しずつ作っていく。そうすれば、先ほど話したような自分たちがボールをもらいたい場所でボールをもらうことができますし、ちょっとずつのズレの積み重ねが最後に大きなズレになって、アドバンテージを作り出せると思います。今日はピックアンドロールを使うにしても、ハンドラーが待てなくてピックがセットされる前に行ってしまったりだとか、もしくはアンダーされているのに、スクリナーもそこに対応してスクリーンをかけ切れないというシーンがそれぞれにあったと思います。明日はそれを修正して、ひとつのピックから徐々にズレを作っていけるようにしていこうとゲームが終わってからチームでも話しました。

島谷怜選手会見

宮本 島谷選手がコートに入ってから、ペイントタッチの回数が圧倒的に増えたという印象があります。試合の入りで寺園選手が長谷川暢選手のディフェンスに若干苦戦したところがありましたが、ベンチメンバーで何か話して意図的にペイントタッチをしていったんですか?
島谷 ボールプレッシャーをすごくかけられていたので、自分が出た時にはそこを切っていこうとは思っていました。ただ今日の試合に限らず、他の試合でもそこの意識は持っています。結果的にペイントタッチが多くなりましたけど、それはこのチームにおいて自分のひとつの役割でもあるので、それを表現できたかなとは思います。
宮本 今日のゲームに関しては、ペイントタッチからそのままショットに持ち込む展開が多かったですが、次の展開だったり、チームとしての狙い所もあると思います。もう少しこういう風にできれば、秋田のディフェンスを崩し切れるみたいなイメージはあったりするんですか?
島谷 そうですね。ペイントタッチをしてフィニッシュまで行けていたことはすごく手応えを感じています。フィニッシュまで行けた理由としては、秋田さんのディフェンスがあまり寄って来なかったことがひとつ。これに関してはおそらく全員ができると思いますし、やらなくてはいけないポイントだと思います。それができれば、今度はディフェンスが収縮してくると思うので、キックアウトだったり、自分たちが本来やりたいボールムーブが出せると思います。
宮本 これは僕の印象論なんですけど、秋田さんはウイングピックの時はハンドラーに対してのタグがしっかりと来ていて、トップピックの場合はウイングのディフェンスがそんなに出てこないから、割と簡単にペイントに入っていけた印象がありました。そこはやっていて何か感じたところはありました?
島谷 僕がやっていた感じでは、秋田さんのディフェンスもおそらくチームルールを遂行し切れていたわけではないというか。ミスコミュニケーションみたいなところもあったと思うので、今日はその隙をうまく突くことができたと思います。明日は秋田さんも改善してくると思うので、スカウティングベースではありますけど、コートの中での選手の判断も大切になると思っています。

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