第1日/文庫本とスマホの重さは、そんなに変わらない
文庫本、150g。
愛用のiPhone12、162g。
ハードカバーの実用書をちまちま読んでいた私だが、最近は文庫本で物語なんかも読んでいる。
電車の中、お店で一息ついたとき、ちょっとした待ち時間。いつも手にあったのはスマホだったけれど、最近はよく、手には本がある。
あまり変わらない。
取り出すタイミングも、時間をつぶすという目的も。例外があるとすれば、家で本を取り出すということはない。本はお尻のポケットには入らないからだ。本が入ったカバンは、外では肌身離さず持っているのに、家では大抵は床のどこかに置いてある。
ただ、手に持ったものをしまおうとするときは、胸の奥の方がザワザワする。
何をスマホに奪われ、何を本から得たのか。悲しいことに、スマホに何も奪われずに何かを得ることは、自分で思っているよりも難しいことだった。反対に、本から何かを得た自分は、自分じゃないかのような浮遊感がある。どっちもザワザワだ。
だからいつもの"スマホの時間"に、ついうっかり本を取り出してしまったときは、いつもと同じように何も考えず開いて眺めてみてほしい。
案外、そんなに変わらないから。
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