古き善き場末の映画館(3)

父が勤める映画館には二階席もありました。初めて二階席で観た映画は「シンドバッド黄金の航海」でした。ハリウッドの冒険活劇で、次々に出てくるクリーチャー達にはびっくりしたなぁ。ケンタウルスとか石像や木像が動きだしたり！自分はその時は多分６歳くらいだったと思うので本当にびっくりしたのを覚えています。最近Amazonプライムで見つけて何十年ぶりに観たんですが、今だったらCGで作るところを、当時はクリーチャーの人形を少しずつ動かしてこま撮りしたり合成撮影したりしてたんですよね。でも子供の頃は本物だと思って本気でビビッてました。

二階席で観た映画で思い出すのは「カプリコン・1」「オルカ」「ジョーイ」「アドベンチャーファミリー」「ドラゴンへの道」「宇宙戦艦ヤマト」「女王蜂」「霧の旗」などなど、書き出したらきりがありません。二階席でかすかに聞こえる映写機の音がまたいいんですよ。デジタルの映画館しかしらない若い子にはわからないだろうなぁ

映写機の回る音を聞くと落ち着くんですよ。多分母のお腹の中で聞いてたのかな。父は独身の頃は映画館に住み込みで勤めてました。母と結婚してからもしばらく住んでたみたいです。

最近「キネマの神様」の予告を観たら昔父が使っていた旧式の映写機が写ってたんですよ。来月の公開が楽しみだな。大好きな山田洋次監督で出演者も好きな俳優ばかり出てるので。本編を観た感想も書きたいと思います。

実は昔、山田洋次監督の映画にエキストラで出演したことがあります。この話もそのうち書きますね。