京極夏彦さん 邪魅の雫 読了
先日9月発売が発表された、京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズ 鵺の碑
前作に当たる、邪魅の雫・・途中挫折しており、発売までに読んでおこうと再挑戦。
何とか読み終えました。
講談社ノベルスの二段組で800頁ほど。
この長さだと、途中挫折するとしんどくなっちゃうんですね・・
以下、多少のネタバレ含みます。
東京 江戸川〜 神奈川県大磯周辺で起こる、青酸毒による連続殺人と見られる事件に絡むお話。
メインで奔走するのは、青木刑事と薔薇十字探偵者の見習い探偵 益田氏。
小説家、関口氏も益田氏とコンビで事件に関わります。
複数の殺人事件に絡むお話のため、関係者が多く、人物視点も結構変わるため、序盤から中盤付近まで、展開や相関関係が分かりにくい感じ。
レギュラー陣以外の登場人物が、少々性格破綻気味で、パートによっては、読んでいてしんどい所があります・・(特に大鷹氏・・)
以前に読んだ際、挫折したのもその辺りが要因ぽいです。
中盤以降は、話のテンポもよくなり、各人の相関も見えてくるので、面白くなります。
読み終えてみての感想は、少々淡泊と言うか、事件のギミックを語るために、話を作りすぎた印象を受けました。
妖怪関連の蘊蓄他、登場人物のバックボーンに関する描写も薄い。
シリーズの中で評価が低いと言われるのが、分かる気もします。
でも、普段はサブの人物達が結構活躍しているのはいい感じ。
木場刑事とは、対照的な公道の青木刑事。
益田探偵と凸凹コンビながら、随所で結構いい台詞を言う関口氏は、面白かったです。
塗り仏迄はひたすら不運だったのが、それなりに復活してる感じ。
探偵 榎木津礼次郎にも、これまで描かれなかった側面が出ていたり。
なんだかんだで楽しめました。
これでスッキリして新刊を読めそうです(^_^;)
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