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オーディエンスの視線を操るスライドスキル

【スライドはイメージを生む】
視覚優位の話でも出しましたけど,スライドみたいな視覚から入るものは想像力にアプローチするのでその人なりの「イメージ」を生み出しやすいんですよね.当然記憶にも残りやすくなるし,「話」を「説明」してくれるので耳と目の両方からイメージを生みます.
じゃどんなスライドがイメージを生み出しやすいの?というお話.

講師が「自分というイメージだけ」でオーディエンスを味方につけるのは…実は結構難しいです,
特に無名な講師だと最初はまず「疑」の目を向けられます.
これが結構キツいんですよ.
外部講師でどこかに行った時,「この人何者なの?」からスタートしてオーディエンスを引き込むのはかなりの腕が必要です.

学校の先生なら半期・通年(なんなら4年)をかけてイメージを理解してもらえるのでファーストコンタクトにこだわる必要はそんなにないんですけどね.
相当イケメンだったり可愛かったり綺麗だったり頭の良さが溢れだしてたりしない限り無名講師がいきなり良いイメージをつくるのは難しい!
というキツいスタートを補完してくれるのがスライドです.スライドには
「オーディエンスの視線を操る」
という魔法のような機能があります.

ある程度場数を踏んでいる人なら「場慣れ」しているので.オーディエンスの視線で緊張して力が出し切れないということはあまりないかもしれませんが,最初は「たくさんの人が自分を見ている」状況がかなり危機的状況です.
その場面になった時,試しにオーディエンスの「目」を見てみてください.
全員が自分を向いて自分の動きを注視してるはずです.この時点で心が折れたらもう終わりなんです.
全員が目からレーザーを撃ってくる状況,これを回避するには「レーザーの照準から外れる」しかないんです.

【視線の動きを生み出せば場を作れる】
もちろんそんな消極的な意味だけじゃないんです.
オーディエンスの視線が動けばそれだけ能動的な場づくりができるので「語り」も効果的に入っていきます.
そこで大事なのは「目を引くスライド」です.

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このスライドはよくある「白地に黒文字」の「文字だけスライド」です.
これが連続で5枚も続いたらもう嫌になります.
そしてだいたいこのスライドを出す講師は「読むだけ」のタイプです.

これは原則としてやっちゃいけないと思ってもらえるといいですね.
「文字だけスライド」を見ているオーディエンスの視線は「左上から右下」に一文字ずつ追う形で流れるので,講師に目がいきません.
そういう意味では緊張しなくて済むんですが,講師としての場づくりという意味では完全に負けです!
60分の持ち時間で60分ひたすら視線を外しまくったらあなたである意味がなくなっちゃうわけですよね.これがこうなると…

スライドデザイン用.001


同じ「パンの歴史」というテーマのスライドでもイメージはだいぶ変わります.

1枚目は全部文字,2枚目はテーマだけ文字,あとは画像.
この場合,オーディエンスの視線は
① スライド上部「テーマ」
② パンの画像
③ 語り出した講師

という流れを持ちます.
そして
④ 語りと関係のある種類のパン画像のフォーカス
⑤ 次のスライド

と移っていきます.

講義でもプレゼンでも同じなんですが,視線を動かすことでオーディエンスが「参加」している場をつくることができます.

【講師のイメージを,つくる】
そして最初の頃にお話しした講師のイメージ.
スライドで今どんなことを話すのか,どんな進み方をするのか,どんな感覚で過ごしていいのか…という意識を持ってもらいます.
スライドで作る「場」はそのまま講師のイメージに直結することが多いんです.
と,いうことは…スライドがポップなら語りもポップ,スライドが真面目なら語りも真面目,ロックなスライドなら語りもロック…と自分自身にも変化をつけていくスキルも必要になりますね.

#プレゼン #スライド #デザイン #講師 #授業  #おしゃれ

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