【表現力向上】へそ曲がりの作詞術③【対句法】

はいこんにちは。
noteのおかげで朝からデスクに向かう習慣がついた作詞家、藤橋です。
今までほぼ活動してこなかった午前中の時間が1日3時間あるとして
年間で1000時間くらい手に入れたことになります。
この神からのギフト1000時間で、今日もギターとnoteを頑張ります。
何のために?知らん。

恒例の自己紹介はこちら。


さて今回は
今日から使えるテクニック
対句法」を使ってイケてる歌詞を書こう!
の巻きです。

と、言うのも。

対句法は使うこと自体かなり簡単で、
しかも対句法の持つ「言葉に強度を与えて伝わりやすくする」という効果は
果てしない可能性を孕んでいるから。です。

ではまず、対句法とは何か。

物の本によると、
語格・表現形式が同一または類似している二つの句を相対して並べ
対照・強調の効果を与える表現

が、対句法と呼ばれるものだそうです。

どういうことでしょう。

例文として、こんなのがあります。

・青い空、白い雲
・投げる投手と、受ける捕手
・歌を歌うし、ギターも弾く

特段、大したことやっていないように見えますね。
ぼくたちが普段から無意識に使っている言葉です。

では、この対句法という表現技法を用いた名言を見てみましょう。

・雨ニモ負ケズ。風ニモ負ケズ。雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ。
・愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
・おまえの物はおれの物、おれの物はおれの物

どうですか?めっちゃくちゃ入ってきませんか?

この入ってくる=伝わる感覚、作詞においてはかなり重要となります。
この伝わる要因の一翼を堂々と担い、尚且つ今日から簡単に使える技術
これが対句法なのです。

似た技法に「反復法」というものがありますが、
それはまた別の機会に触れますね。

手前味噌ですが、ぼくも作詞の際に対句法のお世話になることが多いです。
こんな感じです。

・這いずり回った夜を、惨めな夜を忘れないで
・不味くないけど味もしない 煙と言葉を吸い込む


イッサイガッサイ振り切れ~
(これは既存の慣用句ですが、対句法が使われています)

往々にして、対句法や反復法を用いた表現って
後半部分が無くても意味が通じたりします。
そこに敢えて響きが似ていたり比較となったり対をなしたりする言葉を使用し、
前半の言葉を際立たせるという役割を担っているのです。

ちょっと話が逸れますが
漫才ってあるじゃないですか。

あれって、
一切の無駄を省いて、笑いを取るためだけにブラッシュアップされた
究極の話芸なんです。

歌詞も似てますよね。

決まった尺と字数の中で、どのように伝えるか。
これが歌詞の持つ命題です。

と、なったときに。

敢えて「入れなくても良い言葉」を入れる、この対句法。
それにより際立つ「一番伝えたい言葉」。

美しいと思いませんか?

意味のなさそうなことに本気で取り組んでみる。
誰も興味を持たないことの良さを必死で探す。
そんなことが好きであり、それこそが道楽だと考えている
へそ曲がりのぼくには
この対句法は無くてはならないパートナーと言えます。

なんか自分語りになってしまいましたが
このnoteが何かの役に立てたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではでは。

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