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DX MIRAI KAIGI vol.10

デジタルビジネスシェアリング_編集者紹介@3x

5/13(木)に開催した「DX MIRAI KAIGI vol.10」の模様をお届けします!

DX MIRAI KAIGIとは

株式会社デジタルビジネスシェアリング主催の「DXやシステム開発について語り、その中で新たな何かを世に生み出しちゃおう」という企画です。

メインスピーカーは常に何か面白いことがしたい、作ることを話したい、何か新しいサービスを生み出したいという新しいことに好奇心旺盛な株式会社デジタルビジネスシェアリング役員3名です。

デジタルビジネスシェアリング_インタビュー_代表者情報@3x

企画内容や飛び込み参加などについては以下の記事に詳しく書いてあるので、こちらも是非、読んでみてください✨

DX MIRAI KAIGI vol.10

5/13(木)20〜22時にDX MIRAI KAIGI vol.10を開催しました!
主なトークテーマは以下でした😆

1. 国内三大障害報告から学ぶDX
2. DXにおける採用の具体的なやり方

ここからはトーク内容を一部抜粋してお届けします!!

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1. 国内三大障害報告から学ぶDX

2021年1月から4月までに発生した国内三大障害事例について調査報告書が出ていました。

【国内三大障害事例】
ケース1:みずほ銀行のシステム障害
ケース2:コロナ接触確認アプリのAndroid版不具合
ケース3:ジェネリック薬製造大手の違法処理

ゴールデンウィークに国内三大障害事例の調査報告書を読み、note記事を執筆しましたので、今回はそれを元にDXについてお話したいと思います。

ケース1:みずほ銀行のシステム障害の紹介

2021年2月28日から始まり、3月3日、3月7日、3月12日と立て続けに障害が発生したみずほ銀行から4月5日に調査報告書が発表されました。

【発生事案】
2月28日:ATMが停止、カードや通帳が取り込まれる
3月3日:ATMが停止、カードや通帳が取り込まれる
3月7日:みずほダイレクト取引不能
3月12日:外為送金遅延、到着案内遅延

【原因】
・取引量の多い月末にリリースした判断ミス
・開発時の考慮漏れや誤認識、テスト不十分 x 2回
・ハード不良(基板、ネットワーク機器故障)x 2回
・ソフト不良(システム間連携を考慮しない)

【影響】
・システムのバグ探しに注目してて、顧客対応が後回しになった
・ATMがエラー出した時にカード、通帳を取り込む状態になってる


ケース2:コロナ接触確認アプリのAndroid版不具合の紹介

2020年9月28日にAndroid向けアプリでバージョンアップ時に発生した不具合を、2021年2月18日に修正バージョンアップまでの間4ヶ月間ほど放置することになり、対応することができなかった。2021年4月16日に調査報告書が発表されました。

【発生事象】
・Android端末で利用する者に対し接触通知が到達していなかった
・不具合が生じるのは仕方ないが、約4ヶ月に渡って問題が見逃されていた

【原因】
・テスト環境が整備されないままリリースした
・判断すべき厚生労働省側の担当が問題が重要だと認識されていなかった
・厚生労働省側の担当がテストを事業者任せにしてしまった
・事業者側は厚生労働省から指示された優先課題を対応していた
・品質管理体制について具体的かつ明確な認識共有が図れていなかった
・担当者と事業者、事業者間でのコミュニケーションが適切ではなかった
・GitHubの指摘などを不具合発見や改修に活かすことができなかった
・契約のあり方も影響していると考えられる

【影響】
・特段の記述なし
(利用者の3割にあたる772万人が影響を受けたとの報道あり)

ケース3:ジェネリック薬製造大手の違法処理の紹介

爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入していた問題で、2020年11月に服用した80代男性が亡くなっていたと発表。12月10日にも70代女性が亡くなっている。この問題について2021年4月16日に調査報告書が発表されました。
当該の企業は医薬品の自主回収を行っていますが、ジェネリック医薬品による治療を行っている人の数を考えると世の中に与える影響は計り知れません。

【原因】
・品質検査テストを通過させるために意図的に検査設定値を改竄
・部署全体が試験は適合するもの前提で動いているので異常検知できない
・品質保証部による異常検知が隠蔽され、報告されていなかった
・上位者の指示が絶対であり、下からの問題提起が許されない風潮
・軍隊のような組織で従業員は管理の対象であり、育成の対象では無い
・問題発生時に上司に相談しても「でしゃばるな」と叱責を受ける
・現場からの報告が何度も無視される環境が出来上がっていた

【影響】
・1,105品目 2,514アイテムの自主回収
・売れ筋のアレルギーの薬が世の中から消える
・同業他社が需要を受けすぎてパンク状態

ジェネリック医薬品は危ないという訳ではないのですが、薬は同じ成分を使っていたとしても、固める力の強さによって薬の強さが全く変わります。
調査報告書を読むと薬が溶けていくのをコントロールするコーティング工程においても違うグラム数で混ぜているという事実もあったようです。


3つの事例で共通していること

【共通して発生したこと】
1. 品質管理機能に課題がある
2. 専門知識を持って業務判断できる担当者が不足している
3. ユーザーのことが考えられていない

1. 品質管理機能に課題がある

製造業においてテストを軽視していることがわかりました。
開発しててQAを担当している専門部隊がいる場合、楽ができるし、良いものができる
よく聞くのは要件定義や設計フェーズの遅れをテスト工程で賄おうとする
本来テストで実施することを行っていませんでしたというのはよく聞く
QAエンジニア(Quality Assurance=品質保証)という専門職が生まれて徐々に品質管理が向上していると思ってた
品質悪いけど、時間ないからリリースしちゃおうとなる
ケース1〜3、一番迷惑を被るのはお客様
DXの存在意義はブラザー工業は工場品質向上・サービス改善ができるようになったと発信されている
品質管理はサービスや信用を支える重要なものだと学んだ

2. 専門知識を持って業務判断できる担当者が不足している

環境の作り方に課題があると読み取れました。
みずほ銀行のケースでは開発時考慮漏れを再鑑者=許可のハンコ押す人/発注側が防ぐことができなかったと報告があり、COCOAアプリのケースでは厚生労働省側の担当者/発注側が発生している問題を重要だと認識することができなかったと報告があります。
これらのケースは担当者側にソフトウェアの専門知識がないことであると外側からは見えますが、製薬会社のケースだと専門知識を有する者が報告しても受け入れられなかったと報告があります。

各調査報告書では「体制を再検討する必要がある」と記載がありましたが、これは環境依存の問題ではないかと考えています。

もし仮にみずほ銀行や厚生労働省の担当者がソフトウェアの知識を持っていたとしても、業務都合などに振り回されてしまえば同じような事象が発生していたのではないかと考えることもできます。
なぜ1つの銀行で立て続けにこんなにも障害が発生したのか、なぜ厚生労働省では4ヶ月も継続して問題が放置されることになっていたのか、なぜ10年以上も製薬業界では真実が明るみに出なかったのかを考えると、これは文化や仕組みによる環境依存の問題だったのではないかとも考えられます。

2018年頃から経済産業省によるDX推進が進められてきましたが、2020年12月28日に発表された中間報告書「DXレポート2」によると「多くの企業は未だ現状維持を前提としてDXへの危機感は低い」などと書かれていました。
みずほ銀行のケースや厚生労働省のケースはまさに2018年に懸念されていた「保守運用の担い手不在で、サイバーセイキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失等のリスクの高まり」と、予期した通りになったと思います。


3. ユーザーのことが考えられていない

調査報告書を通して3事例共に、ユーザー関連の報告がほとんどありませんでした。厚生労働省のCOCOAアプリや、ジェネリック製薬会社においてはユーザーへの影響報告はなく、みずほ銀行の報告書のみ影響のあった件数の報告をしていました。
前項で「環境・文化を変えなければ」ということを学びましたが、このユーザー軽視こそ問題を起こしている大きな要因の1つに思えました。

利用している人がいてくれて初めて商品やサービスは成り立ちます。
少し乱暴な言い方してしまいますが、ユーザー=お客様からすると担当者の能力の有無や責任の所在、体制なんか究極はどうでも良いんです。
信頼回復のために事実として事情をありのままに報告するのは大事なことだと思いますが、どの報告書にもユーザーの存在が希薄すぎると私は読み取りました。
報告書の後に会見等で「申し訳ありませんでした」と謝罪をすることも必要だとは思いますが、ユーザーが一連の騒動や問題に関われるポイントが少なすぎると思うんです。
悪気があってやったことではないことでユーザーが受け入れなければいけないのはわかりますが、各事例の起承転結があまりに一方的すぎてこれでは問題の解消やサービス・製品の向上への活動を理解してもらうのには程遠いなと考えてしまいます。

最近のニュースではありますが、AIを駆使して文書をデジタル化するためのサービスを提供していた会社が大多数のユーザーに使用されていないことで契約更新がされないというニュースがありました。

2021年3月末時点でラインセンス9284件のうち、7636件が更新を見送る見込みというニュースです。
実に82%のユーザーがサービスから離れてしまいました。

自社製品の販売委託することで、メーカーがサービス向上や開発に集中したいという意図があったのでしょうが、ユーザーから距離を取った結果多くのユーザーが離れることになったのではないかと読み解くこともできます。
確かに品質向上はユーザーにとってメリットがありますが、それを理由にユーザーと距離を置いてしまえば誰のための製品・サービスなのかという矛盾が生じてしまいます。

シリコンバレー型企業やDXに成功している企業、成長めざましい中国企業の実例を見ているといかにユーザーと向き合うか、触れ合うか、意見を汲み取れるか、課題を解決できるかということに特徴があります。
ユーザー軽視の状態では前に進むどころか、問題の解消はまだまだ先の話になってしまうかもしれません。

経済産業省はDX推進に意欲的ですが、マーケティングが弱すぎます。
そのため、行政の仕事にもユーザと向き合うという意味でマーケッターを入れた方がいいと思います。
また、カスタマーサクセス部門を取り入れると改善が見込めそうですよね。

企業の中にはデザイナーさえ集めればUXができると勘違いしているところがありますが、DXについても同様のことが言えます。
便利になるか、使ったら何か問題が解消するなど、そういった観点で物事を見ていかないと結局取り組んだけど結果が出ないジレンマに陥ります。

行政に関して言えば、求められたことができるということがゴールになってしまって、利便性を見直すことに対してインセンティブがないのが問題に感じます。
全部を上手くやることは難しいと思いますが、取り組みがどうやって世の中に受け入れられるかというのは計測してほしいです。
困っている人を解消したいと行政のみなさんが動いているのにそれがユーザに届かないのは悲しいです。
システムを導入したら終わりではなく、システムが使われているか使われていないかを見ていくといいと思います。

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2. DXにおける採用の具体的なやり方

前回のDX MIRAI KAIGIで採用から変わっていかないといけないとお話しました。
今回は、どうやって採用していったらいいかをお話していきたいと思います。

近年、採用については求人媒体依存から徐々にリファラル採用を取り入れる企業が増えています。
大手企業でもリファラル採用を取り入れ始めています。

それでもまだ多くの採用方法は求人媒体依存で、大半が似たような情報を掲載しており、違うのは勤務地と給料くらいです。
給料についてもそこまで具体的な開きがないので、言葉遊びをずっとしている印象があります。

採用について成功している企業は求める人物像、こういうキャリアをつくることができるといった文化的な発信するというのをやっています。
そういうところには優秀な人が集まるので、戦略を持って採用を進めていくのをお勧めします。

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3. アフターコロナにおける営業や働き方

新型コロナウイルス流行から普段なかなか会話できないような企業の経営層がSNSに露出するようになりました。
また、Twitterを見ていてもお仕事募集の情報が以前よりも流れてくるようになったと感じます。
ただし、コロナで営業が変わったかというと中身が変わっていないため、コロナが終息したら元のオフライン営業に戻るのではないかなと思います。

働き方についても新しいことを実現する、新しい人と一緒にやるのはオフラインの方がやりやすいです。
また、新卒の方をリモートで育成するのは本当に難しいので、自ずと働き方はオフラインに戻ると思います。

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以上でDX MIRAI KAIGI vol.10は終了となります✨
当日、DX MIRAI KAIGIをご視聴してくださった皆様、ありがとうございました!

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🎉DX MIRAI KAIGI vol.11のお知らせ🎉

DX MIRAI KAIGIについて毎週木曜日20〜22時にTwitterのスペースにて開催します。
toB向けにDXのことを発信していこうと思いますので、ラジオ感覚で聞いてもらえると嬉しいです。

vol.11は5/20(木) 20時〜22時にTwitterスペースにて開催となります。
飛び入り参加、大歓迎です!

【Twitterスペースへの参加方法】
DBS役員3名をフォローするとタイムライン上にスペースが表示されるので、そちらからご参加ください

【DBS役員3名のTwitterアカウント】
あれっくす@一番下手っぴでいい
ひさじゅ@Webエンジニア就職特化のプログラミングスクールRUNTEQ
こうやん@1800人以上参加の無料プログラミング勉強コミュニティ運営中

配信内容はテキストにしてnoteで公開していきます。
公開してほしくない内容がありましたら、事前に教えてください。

生放送のため不手際もあるかと思いますが、そういった「リアル」を楽しんでいただけたら嬉しいです!!
みなさま、vol.11もお楽しみに🙌

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過去開催したDX MIRAI KAIGI

以下のマガジンに記事をまとめておりますので、こちらをご覧ください。


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