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【DXみらいラジオ vol.53】業界が抱えるエンジニア不足と採用の問題

本日の記事は5/12(木)に開催した「DXみらいラジオ vol.53」の様子です。

DXみらいラジオ

株式会社デジタルビジネスシェアリング主催の「DXやシステム開発について語り、その中で新たな何かを世に生み出しちゃおう」という企画です。

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アンケートでいただいたリスナーさんからの声はDXみらいラジオで扱わせていただきます。

DXみらいラジオ vol.53

5/12(木)21〜22時30分にDXみらいラジオ vol.53を開催しました!
主なトークテーマは以下でした😆

・IT業界が抱える「エンジニア不足」という問題、そして採用活動のなかで起こっている問題

ここからはトーク内容を一部抜粋してお届けします!!


先週のハイライト

先週話していたのは「なんでお客さんに価値を提供するのか?」をメインテーマにして2つのお話をさせていただきました。

前半: 価値がなければ価格が決められない
後半: 価値を作り出すためには自分を信用すること

今日のテーマはIT業界が抱える「エンジニア不足」という問題、そして採用活動のなかで起こっている問題についてトークします

人材の採用プラットフォームが乱立しすぎている点

2010-2019年の9年間で3倍以上の市場拡大が起こっている

上場企業の中でも、成長率の上位を占めているのが人材紹介業になります。この市場は拡大するごとに儲かる仕組みのため、一見すると安定して伸びる業界のように見えますが、そこに問題があります。

例えば、転職しようとしたときに、3つのサイトを使おうとすると、一人に対して3つの情報ができてしまいます。利用者は個人で情報を入力するため、データの記入ミスなど、ノイズデータが生まれる原因となります。個人としては情報を入力することがログになるかもしれないですが、その情報をもとに企業の採用担当がアプローチしたりすることで、どんどんノイズデータが溜まってしまいます。そのサイトに蓄積されたデータが信用できるのか担保されていない状態が生み出されてしまうのです

人材サービスのカオスマップ

求職者が就職する会社は一社です。一対一のマッチングのはずなのに、こんなに仲介している会社があります。就職人口は3500万人を前後していますが、この採用サービスが10個に増えても就職人口は増えないですよね。しかし、日本で働きたい海外の人に目を向ければ、就職人口は増加します。現状は、国内の就職人口を多くの会社で取り合う構図となっています。

求職者はまず、マッチングサービスを選びます。同じようなサービスが多数提供されているので、サービス自体の良し悪しを考えながら転職先を選ぶ必要あります。この時点で目的と手段が入れ替わっています。
サービス提供者は求職者が転職して年収を上げるとか、やりたいことを見つけるなど、働きたい人を見つけることに対してアプローチするのが目的になります。しかし、人材採用プラットフォームごとに機能やUXがあるため、年々選ぶのが難しくなっているだけで、何も良くなってはいません。
プラットフォームを選び、その後に就職したい会社を選びます。本来の目的である会社が遠のいているこの市場は、ユーザーが不利な環境となってしまっています。この矛盾になんで気づかないのかなと思いますね。

流通プラットフォーム皆無である

人材プラットフォームが乱立する一方で、流通プラットフォームは無い

ECで例えると、人材プラットフォームはAmazonや楽天、流通プラットフォームはヤマトや佐川となります。人材派遣業は流通プラットフォームに該当します。SES企業も該当するのでは?という意見もありますが、SIerは人材を派遣するのは強くありません。その証拠に下請け企業がたくさんあります。

エンジニアに置き換えた時はどうでしょうか?誰が供給してくれるのかという答えを誰も持っていません。エンジニアを採用したいときにどこにいくべきかわからない状態なのです。採用を手伝うのと流通させるのは別物です。両方できる会社は、よほどの資金力とノウハウを持っていないとできません。時間とお金を投じて人材採用サービスを利用することは根本的な問題解決にはなりません。

IPAが過去に行われたプロジェクトについての調査では、最も多いプロジェクトの構成人数は5~6人です。プロジェクト単位で考えると採用するのではなく、そのときに必要な人員を流通させて欲しいだけではないでしょうか?

採用プロセスの設計の甘さ

今や大DX時代に突入していて、デジタル化という点でエンジニアの需要が高まっています。エンジニアの人材市場では採用プロセスが設計されていないところが多くあります。そのため、エンジニアの評価が業界で統一されていないことにより、経験年数でふるいをかける企業もあります。

各社がキャリアプランを持っていますが明示的ではありません。転職する本人がエンジニアとしてどうしていくべきかを考えることは大事だと思っています。

このまま、業界が採用プロセスを定めない状態を10年20年続けても何も良くなりません。日本企業が人材を採用する機会を減らしている一方で、海外企業はすでに日本国内の強い人材を確保しています。

業界全体を良くしていくには、ガイドラインを作るなどの取り組みがあってもいいのではないかと思います。それによって、複数の採用プロセスが生まれることはいいことだし、そのプロセスを利用することで人材の流通が安定し、企業の採用も安定するようになります。

スクールや書籍を書いている人は、人を雇うためにやっているわけではないです。そこに、知見はたまらないです。これが採用プロセスに甘さがあります。Amazon, Netflix, Googleなどは求める人物像がしっかりしています。それに沿って採用をしていく。国内でも東急やユニクロなどの事業会社では、入った後にどういうことをしたらいいとか、なぜこういう人材を求めているかが書かれています。人材不足が騒がれている企業たちです。これも流通プラットフォームがないから、結局どこで人を採用すれば良いのか分からず、事業会社が強くなっていくだけです。これが悪循環になっていきます。

採用後のこと

仕事を依頼するのに、この仕事をやって欲しいというのがわかっていないまま採用をしている人がいます。エンジニアをたくさん集めていて、ディレクター、デザイナーがいなくて炎上する会社がいっぱいあります。仕事を遂行することにもう少し真剣になるべきだと思います。

現在、国内で不足しているのは仕事を設計できる人、マネジメント、ディレクションができる人材です。エンジニアだけ集めても物が作れるとは限りません。

例えば、専門家として「システムが止まってしまいますよ」と、伝えても「お金がないから」と返答がこちらの提案が通らない、作れないというがあります。これが雇うこと又は、就職することがゴールと言われる原因ではないかと思っています。

リスナーからの質問

本日のリスナーからの質問です。

ITならではというのは特にないです。IT業界でキャリアを形成するなら大学の情報学部を卒業するのが一番いいです。待遇も違います。その専門分野を学んでいることは何よりの証明になると思います。次点で資格です。ITの資格はいろいろあってそれを取っておくのは、有利になることだと思います。

日本の技術者というのは、まず全体で60%ぐらいが初級者、入門者って言われてる人たちです。70%ぐらいと言ってもいいかもしれないです。経験年数が1年未満、3年未満の人たちですね。
一人で設計ができたり、実装できたり、リリースをすることができる、こういった人たちが中級者と呼ばれてる人たちで25%位います。
上級者と言われてる人たちが5%いればいいかなというくらいです。
ちょっと厳しめな言い方になってしまいましたが、ことIT大国のアメリカでは、エンジニアを名乗っている人たちというのは、基本的に大学を卒業しています。大学を卒業していない人が、エンジニアを名乗っているケースはほとんどいません。コンピュータサイエンスを履修した上で、資格を持ってエンジニアと名乗っている人たちなのです。
世界では、そういう人たちがいわゆる初心者として入ってきます。日本の中級者以上は通用するんですが、初級者は通用しないと思います。

日本のエンジニアの7割位の人たちはエンジニアと名乗ってはいけない、または海外では名乗れないです。
それでも、国内で就職をするということであれば、IT従事者であることのパスポート(資格など)を持つべきかなって思います。それこそ大学に入ってリラーニングしてもいいと思いますし、資格を取得することでその同等の力があるということを証明することじゃないかなと思います。コミュニケーション能力は必要だが、それだけをアピールするのはエンジニアではないと思います。

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🎉DXみらいラジオ vol.54のお知らせ🎉

次回DXみらいラジオ vol.54は5/19(木) 21時〜22時にTwitterスペースにて開催となります。
飛び入り参加、大歓迎です!

【Twitterスペースへの参加方法】
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【スピーカーのTwitterアカウント】
あれっくす@フロントエンド x プロダクトマネジメント

配信内容はテキストにしてnoteで公開していきます。
公開してほしくない内容がありましたら、事前に教えてください。

生放送のため不手際もあるかと思いますが、そういった「リアル」を楽しんでいただけたら嬉しいです!!
みなさま、次回のDXみらいラジオもお楽しみに🙌

過去開催したDXみらいラジオ

以下のマガジンに記事をまとめておりますので、こちらをご覧ください。


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