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国立高専機構とCAMPFIREが、高専生の起業や研究開発をクラウドファンディングで支援――「高専スタートアップ支援プロジェクト」の特設ページが始動

国立高等専門学校機構(以下、高専機構)とクラウドファンディングを運営するCAMPFIREは2024年3月1日、高等専門学校(高専)によるスタートアップの資金調達やテストマーケティングの支援を目的に、連携協定を締結したと発表した。さらに、同日にクラウドファンディングの特設ページも始動した。

政府が2022年11月に決定した「スタートアップ育成5か年計画」には、アントレプレナーシップ教育の推進など、学生が起業に挑戦しやすい仕組みの構築が盛り込まれている。これを受け、高専機構は「高専スタートアップ支援プロジェクト」を立ち上げた。同プロジェクトでは、CAMPFIREとの連携によって、全国の高専生・高専関係者に対してクラウドファンディングを通じ起業に関する教育を促進するとともに、起業や研究開発に関する資金調達およびテストマーケティングを支援する。これにより、高専生・高専関係者による新たな事業や商品開発が、地域課題・社会課題の解決およびイノベーションの推進に貢献することを目指す。

CAMPFIREは、2024年3月11日に開催される「第1回 高専起業家サミット」に協力企業として参画する。高専起業家サミットは起業を目指す高専生が一堂に会しビジネスプランの発表や交流を行うイベントで、高専機構とウェブマガジン『月刊高専』(運営:メディア総研)が主催する。CAMPFIREは同イベントで、参加者に向けたクラウドファンディング活用説明会や勉強会を実施する。

同イベント出場チームのプロジェクトは、高専スタートアップ支援プロジェクトの特設ページで順次公開される予定である。なお、同ページでは、クラウドファンディングの活用を検討している高専生・高専関係者からの相談も受け付けている。

CAMPFIREでは、今後、高専生が参加するイベントにおけるクラウドファンディング活用サポートへの展開や、各校の取り組みにおける資金調達、寄付金集めの伴走など、全国の高専から生まれるさまざまな挑戦を支援していきたいとしている。

スタートアップ育成5か年計画では、情報処理推進機構(IPA)が実施するIT分野の「未踏事業」による人材発掘の実績を踏まえ、高専生・高校生・大学生を中心とした、より若い人材育成を狙っている。このクラウドファンディングによって、次世代につながる新しい視点の取り組みが実現することを期待したい。

トップ画像:国立高専機構、CAMPFIRE

文:佐々木 三奈
フリーランスライター/校正者、がん患者・経験者の運動を支援する「まめっつ」メンバー。『SDGs白書』『インターネット白書』の編集にも参加。

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