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第6話 Good bye Kyoto days



東京行きを1週間後に控え、
残された時間を地元で過ごした。

何事もカタチから入りがちな僕は
頭を丸める事にした。

坊主は高校の時に罰ゲームでした以来だった。

馴染みのあるお店で、
厳しい職場に行くので
気合を入れてくださいと伝えた。

「それでは行きまーっす♪ よいしょ!」

店主は真ん中から
バリカンを大胆に直進させた。

逆落武者ですやん!

「もう戻れないよ、これでいく?」

「いや、揃えてください、これではいじめられます」

イビツなカタチの僕の頭を
丁寧に計算して綺麗にデザインしてもらった。

久々の坊主は清々しく、雑念が清算された。


ダウンタウンの松ちゃんが
あの時に坊主にした理由を少し理解した。

そして、残された期間
お世話になった人達に会う時間に費やした。


アルバイトしていた京都駅の鉄板焼き屋



ダンスの練習仲間



京都で遊ばせてもらった先輩達



みんな温かく送り出してくれた。

自分は周りの人たちに
支えられているなと思った。

住み慣れた町を離れるのは淋しいけど
僕には帰る場所があり、
そこに仲間が居ることは
これからの東京の日々の御守りに
なると思った。

周りの人達に別れを告げ
また会いましょねと約束し
僕は故郷をあとにした。



大好きな土地 京都
必ず何かを掴んで帰ってくる。
そう信じて東への列車に乗り込んだ。

2017年 春

つづく

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