電子帳簿保存法をDXに生かせ!Google AppSheetを使って無料アプリ作成(前編)
こんにちは
CX推進室・沖縄オフィス勤務の新城です。
本日はGoogleAppSheet (アップシート)を使ったシンプルなDXに繋がる手法についてご紹介します。
AppSheetって??
簡単に説明すると、Google社のローコード・ノーコードツールになります。
MicrosoftでいうとPower Appsシリーズのほうが有名でしょうか。
近年はノーコードを利用した業務アプリケーションツールが増えてきました。
ノーコードは最近話題の生成AIとの相性が抜群なので、
今後もノーコード化はますます進むでしょう。
AppSheetとは
AppSheetはAIによる初期段階でのプロトタイプアプリ制作など
データさえあれば簡単に、工数をかけずに業務アプリが出来上がる夢のようなツールです!
制作はAIと協力しながら進めるので、とても簡単です。
現時点では管理画面が日本語未対応ですが、日本語のアプリは作成可能。
Googleが注力していることから新機能が毎月追加されています。
ビジネスサイドで先行するMicrosoftのPower Appsを追いかけるGoogleの秘密兵器的な感じで
使い慣れたGoogleサービスとの連携が強みです。
便利なツールですが
生成AIと同じく、ノーコード全般にも言えることは、日本企業の利用はまだこれから・・って感じなんですよね。
ノーコード・ローコード活用進んでますか?
大企業では導入が進み始めているものの、、中小企業ではまだまだこれからだと思います。
私自身も社内導入にまでたどり着くのに苦労しました。
「ほんとに・・とてもむずかしい。。」
これは中小企業の現場が慣れ親しんでいるGoogleスプレッドシート、Excelの壁を取り除く事が最大の難関だと思います!推測ですが、大企業はグループウェア等がすでに整備されているケースが多いのでノーコード導入は進めやすいのかもしれません。
あと、導入推進には経営サイドの理解と協力は必要不可欠ですし、それには経営サイドも新しい技術を常常にキャッチアップしておく必要性も感じます。
日々の当たり前を疑え!
人は環境に順応するのが得意な生き物だと思います。
毎日行われている非効率な事でも慣れてしまえば、気にしなくなり、気がつきにくくなります。
だからこそ、慣れている作業に効率化する余地が残っていると、私は考えています。
このnoteを読んでいただいている皆さん!
当たり前にやっている作業に心当たりありませんか?
「ほら」今日も慣れ親しみのある非効率な作業してませんか?
私も多くの皆さんと同じようにExcelとGoogleスプレッドシートが大好きです。
10年以上前はExcelでマクロ自動化などで非効率の解消に取り組んでいました。
その当時はExcelがベストでした。
だって、そろばん、電卓で集計するよりExcelのほうが断然早いんですから。
現在はどうでしょう?Excelがベストなツールでしょうか?
AppSheetアプリがシンプルにDXに繋がる
時代にあわせての変化は必要だと思いませんか?
AIの発展によりノーコードツールはとても使いやすくなりました。
要件をすべて満たすためのツールはフルスクラッチ開発すべき!
みたいな考え方はいったんスミッコに置いといて、、
やりたいことをシンプルに実現するノーコードを試してみましょう!
私は「シンプル イズ ベスト」というミニマムな考え方が大好きです。
気合と根性の非効率作業を見るとほっとけません!笑
今回はAppSheetで簡単に電子帳簿法に対応できる!?ファイル保存アプリの作成方法をご紹介することで、AppSheetの事を少しでも多くの皆様に知っていただければと考えています。
それでは、今の時代にあった「シンプル イズ ベスト」な電子帳簿法に対応するファイル保存アプリの具体的な作り方を見ていきましょう。
電子帳簿保存法とは?
電子帳簿保存法をMicrosoft BingChatに聞いてみました。*一部抜粋
受注側、発注側どちらも電子ファイルとして保存する必要があるんですね。
データの真実性を担保するために、改変されない形式としてはPDFやJPEGなど内容を改変しにくいファイル形式がベストだと思います。
また、検索機能の確保とあるように、税務署の調査がスムーズに行われるように「検索性」「信頼性」を担保する必要性があります。これは誰でも検索しやすいように工夫しなさいって理解で良いかと考えています。
ファイル名変更を手作業でやる?課題と手間は?
検索性を担保した電子ファイルの保存といえば、定番の管理方法として
ファイル命名ルールを策定、フォルダ分け、の運用をするケースがほとんどでしょうか?
ただこれには課題が残ります。
最初は手作業でもいいんですけどね。
それぞれが手作業で実施していると地味に手間がかかります・・・
また、取引が増えれば増えるほど、手間も増え、次第にルールが曖昧になりそうですし
そうなってくると表記がゆれる 泣
営業サイドは売るのが仕事ですから、、「細かい事務作業はやってらんない」ってなっちゃう。
結局、管理する手間が増え非効率になりそうな予感がします。
そして非効率な作業に慣れてしまうことで、当たり前の気がつきにくい非効率な作業がまたひとつ・・・
これではDXのチャンスを逃してしまいますよね。
AppSheet作成方法
今回はお客様とのやり取りで発生する書類(電子ファイル)を保存するケースとしてAppSheetを作成していきます。
AppSheetはデータテーブルを連携させたアプリケーションを作成できますが
今回は連携機能を使わない簡単なアプリを作成していきます。
まずは触れてみて慣れていきましょう。
1.保管先フォルダルール作成
すべての書類(電子ァイル)を一つのフォルダに保存すると、のちのち検索するのに手間がかかります。
管理が煩雑になりがちです。経理的にも書類を探しやすく仕分け保管したほうが喜ばれます。
紙書類をファイリングするイメージでフォルダルールを作成しましょう。
年度フォルダの中に年月フォルダ、年月フォルダの中に取引先フォルダ・・・というイメージです。
最終的にはAppSheetでGoogleドライブにフォルダを自動作成しますので、
この時点ではルール作成だけで構いません。
受注パターン
年度
年月
取引先
契約書
見積書
請求書
納品書
その他
2.スプレッドシート作成
先に策定したルールを列名としてスプレッドシートを作成します
画像にあわせて列名を設定してください。
スプレッドシートファイル名は
AppSheet-ファイル保存サンプル (なんでも構いません)
下記にあわせてGoogleフォームの項目を作るようなイメージで作成していきましょう。
A列:ID
B列:年度
C列:年月
D列:請求日
E列:取引先
F列:契約書
G列:見積書
H列:請求書
I列:納品書
J列:その他
K列:担当者
L列:版
M列:更新日
3.AppSheetで開く
作成したスプレッドシートからAppSheetを開きます。
拡張機能メニューから「AppSheet」を選択、アプリを作成
1. "拡張機能"をクリック
2. "アプリを作成"をクリック
3. クリック
4.各項目の調整
AIがスプレッドシートの列名を認識すると自動的に予測したアプリ(プロトタイプ)が出来上がっていると思います。
ただし、この時点の精度は高くないので手動で調整してく必要があります。
右側に見えるのはプレビューウィンドウです。
デバイスごとのプレビューが確認できます。
なんと!この時点でマルチデバイス対応がすでに完了しているんです。
この機能は開発者には嬉しいですよね!
スプレッドシートのシート名と同じデータテーブルが作成されています。
それでは中身をみていきましょう。
AppSheetは現時点で日本語版が提供されていませんので、分かりにくい場合はブラウザの翻訳機能を利用してください。
"Data"をクリック
2. "source: AppSheet-ファイル保存サンプル"をクリック
3. "Columns"をクリック
4. "シート1"をクリック
5.データ型の変更
今回のアプリの要件にあわせて「TYPE」を変更していきます。
ID:テキスト:Text
年月:請求日:DateTime
取引先:Text
契約書:File
見積書:File
請求書:File
納品書:File
その他:File
担当者:Text
版:ChangeCounter
更新日:ChangeTimestamp
1. "AddressApp ChangeCounter Change..."をクリック
日付をカレンダー式で設定したいので「Date」へ
2. "AddressApp ChangeCounter Change..."をクリック
契約書~その他までのTYPEを「File」へ
3. "AddressApp ChangeCounter Change..."をクリック
更新ごとに版数を記録する「ChangeCounter」
4. "AddressApp ChangeCounter Change..."をクリック
更新時間を記録する「ChangeTimeStamp」
5. "SAVE"をクリック
6.ビュータイプを変更
様々なビューが標準で用意されていますが、今回はテーブル形式を選択します。
"UX"をクリック
2. "view_list"をクリック
3. "SAVE"をクリック
7.プレビュー確認
1. "tablet"をクリック
iPad等でアプリ使用を想定している場合は「Tablet」
2. "computer"をクリック
今回はデスクトップアプリを想定しているので「Desktop」
何も登録してないのでプレビューには「No Items」と表示されていて問題ないです。
8.ファイルを保存してみましょう。
1. "open_in_new"をクリック
2. "Add"をクリック
フォームが出現します。
3. 年度を入力
4. 年月を入力
5. 請求日をカレンダーで選択
6. 取引先を入力
7. 各種ファイルを登録
8. 担当者を入力
9. "Save"をクリック
ファイルが保存されました。
PDFアイコンをクリックすることで各書類をプレビューすることができます。
自動的に一覧作成されることで、アプリを使った検索が可能となっています。
気になるアップロードしたファイルは自動作成されたフォルダに保存されています。
Myドライブまたはスプレッドシートが保存されているドライブを探してみてください。
最初に作成したスプレッドシートを見てみましょう。
アップロードしたファイルは列名にあわせてファイル名が変更されています。
A列のIDが自働的にファイル名に付加されています。
これだけでも便利に使えると思いますが、
ただし、このままでは、自動作成された同一フォルダ内にすべてファイルが保存された状態となり、ドライブ上での検索性が不十分です。
やっぱり「1.保管先フォルダルール作成」で作成したルール通り仕分けしたいですよね。
フォルダ保存要件にあわせて自働的にフォルダ仕分けができるようにしていきましょう。
9.フォルダの保存先設定
次回はファイルの保存先設定とアプリを使いやすくする設定をお届けします。
お楽しみに!
データ利活用によるあらたな取り組み(Xの例)
この状態のアプリだけでもかなりの工数削減につながると思います。
そしてさらに、この後のDXのXに繋がる取り組みも想像できてしまいます。
たとえば・・・
格納した見積書が誰でも探しやすくなれば、見積作成が誰でもできるようになるかもしれません。
クライアントごとに最適な見積額を算出できれば、受注精度ってあがるかも・・!?
さらにAIにPDFを構造化データに変換もらうことができれば、それを利用して
見積書の自動作成ができるようになるかもしれません!?
仕事がなくなるのではありません。
皆さんの仕事は
「人にしか出来ない仕事」「すぐれた顧客体験(CX)の実現」に重きを置いた仕事に変革していくことでしょう。
まとめ
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