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これが正しかったのか・・・。

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先週末から、GW周辺生まれの1stグループの蛹化・羽化並びに2ndグループの産卵がピーク。
先週蛹化したとある個体が、今日羽化してしまった。
「してしまった」・・・そう異形である。

先週の蛹化の段階で、体は脱皮できたもののマスクを破り取る事ができず、マスクをつけたまま羽化に進み始めた。
私の拙い統計から、アゲハ蝶の生涯で一番死のリスクが高いのは蛹化である。脱皮による変態の前後で差異が大きく、失敗する可能性が他の脱皮よりも高いからだ。

蛹化失敗の段階で、近い未来でのこの個体の死は確定していた。それは、成虫になったとしても餌である花の蜜を吸えない形態になる事が確定したためだ。
人もアゲハも同様、生きる個体もあれば死ぬ個体も存在する。そういう意味でこの個体が蛹化の段階に、死を選択させてあげればよかったのかもしれないが、私にそれはできなかった。価値の等しい生命に差をつける事になってしまうからだ。

結果として今日羽化し、想定通り顔は幼虫のままの形態で翼を携えていた。おまけに脚が4本しかない明らかに異形だった。
アゲハの観察研究を始めて3年目、各種失敗を見るのは慣れていたつもりだが、このケースで、ただただ罪悪感に苛まれる自分が今いる。
#divetoblue
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