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『枯れ葉』

アキ・カウリスマキ監督の復帰作。
ミニマルで美しい。繊細で優しい映画。

人は愚かで不器用で、冷たいようでいて、実は温かい心を隠し持つ。悲惨な世界、厳しい社会の中で、生きるために。密やかに映画や音楽が、それを解放してくれる。隣の人と手を繋ぎたくなる。
そう、ただ生きるために、である。何のために生きるか、ではないのだ。

カウリスマキ監督のメッセージが最高。以上、である。

「取るに足らないバイオレンス映画を作っては自分の評価を怪しくしてきた私ですが、無意味でバカげた犯罪である戦争の全てに嫌気がさして、ついに人類に未来をもたらすかもしれないテーマ、すなわち愛を求める心、連帯、希望、そして他人や自然といった全ての生きるものと死んだものへの敬意、そんなことを物語として描くことにしました。それこそが語るに足るものだという前提で。

この映画では、我が家の神様、ブレッソン、小津、チャップリンへ、私のいささか小さな帽子を脱いでささやかな敬意を捧げてみました。しかしそれが無残にも失敗したのは全てが私の責任です」

今、この監督が戻って来てくれたことに、感謝したい。希望を捨ててはいけないのだ。

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