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映画『BlackBerry』を資本関係と組織論で読み解く

映画『BlackBerry』をみた感想を、アートとしての映画でなく、資本関係およびそれから生じる組織論からの観点で論じてみる。


BlackBerryとは?

カナダのブラックベリー(リサーチ・イン・モーション)社が開発した携帯。物理キーを特徴とし、2000年初めにはかなりのシェアを誇るも、2007年、全く逆のコンセプトであるiPhoneが発売され、市場からも駆逐され、組織も内部崩壊する。

BlackBerryの資本関係の転期

Mike LazaridisとDoug Freginという二人の創業者。両者ともオタクでMikeは寡黙で地味な技術オタク、Dougは、ヒッピーのようなゲームオタク。革新的な技術を開発するも、会計知識のない彼らは効果的に資金調達ができない。そこへ登場するのが、元商社マン(?)のJim Balsillie。常にピシッとスーツを着こなす自己愛が強いビジネスマン。彼からの資本注入で、MikeとJimのco-CEO体制となる。以前はリラックスしたオタクの職場文化も激変、Jimは疑わしいビジネス倫理をさらに押し進め、策略を巡らせますが、その反動で崩壊していく。

Takehome messages

  1. 共同経営のリスク:ビジョンを共有できるパートナーを選ぶことは重要ですが、異なる価値観を持つ人物とのパートナーシップは、経営上の衝突を引き起こす可能性がある。

  2. 資本の受け入れとその影響:外部からの資本を受け入れることは、必要な資金を確保する上で役立ちますが、投資家の意向が企業文化や経営方針にどのように影響するかを慎重に考慮する必要がある。

  3. 倫理とビジネスのバランス:迅速な成功を求めるあまり、倫理的な判断を犠牲にすることは長期的な信頼と企業の持続可能性を損なうことにつながり可能性がある。

この映画から学ぶべきは、技術革新だけではなく、人間性と倫理を尊重する経営も、真の持続可能性への鍵であるかもしれません。CEOや経営者は、単に事業を成功させるだけでなく、どのように事業を運営するかが同じく重要であると心得るべきだと考えます。


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