ヘブライ詩を理想として【雅歌的抒情】

水底を這いつつ我らの貞操は葡萄酒の悦び言葉のない息の対話を
「一時の死を」待ち望む貞操は香油の端を掴みゆく
「ねぇまだ死んではいけないわ。朝まで夜を愉しむのよ」
「あぁまだ死にはしないけど、朝まで君を味わえば水が干上がってしまう」
死海へ注ぐ河の流れをさかのぼり女の口は夜に映え
月影が水面を照らしゆく「私たちは会わない方が良かったわ」
「なぜだい?」「だって貴方って死んでも再び生き返る」(神のような人)
喉が渇き、葡萄酒を飲む。香油と汗が混ざって夜がいずれ明けゆく
    反歌
ヤハウェから隠れて我ら舌鼓白んだ空に眼を眩ませてゆく

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