白い革靴【テキスト版】

出会いは白い革靴の女の子 薄い文庫の外国の詩集を抱いて
白肌は潤いに満ち黒髪は肩で整い濡れている
君は白い革靴の女の子 木綿の鞄を肩から落とし淡いベージュの
靴下が白い革靴を引き立てる――
革靴は影を含んで吐き出して西日と語らう 濃厚な沈黙に在る
革靴が象徴を飛ぶ 意味を奪い恍惚と実体を行き交って
不可知が神を証明し固く結われた敬虔が白い革靴の実体を暴く
反歌
接吻をした 白い革靴の実体をせんじて味わう木立の木漏れ日
森羅万象を解き明かした舌に苦みを抱き白い革靴がひどく苦いのだ

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