眠らない旋律

革命歌作詞家に凭りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ
 男 あの頃の僕らはいつも笑っていた
 女 ピアノに酔って革命はあしたに起こるとうそぶいた
 友 僕だけずっとびっこを引き克己を誓う――
 男 僕たちの青春は沈み、太陽は西から昇らない
 陽 僕たちの革命、さよなら。沈みゆく陽よあわれなれ
【歌謡】斜陽に濡れたティーカップ 赤に染まった絵の中に
    取り残してきた君の音は  液化した記憶の復活祭の朝
      反歌
青春を殺してピアノ液化して溶けゆく音の酩酊を聴く

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